トピック
ハイエンドノートの性能を決めるのは、CPU/GPUそのものよりも"その冷却能力"という事実
~薄型/軽量で高性能なASUS「Zenbook Pro 14 OLED UX6404VI」で実際に検証
- 提供:
- ASUS JAPAN株式会社
2023年12月13日 06:30
クリエイター向けのノートPCは、CGレンダリングや写真/動画編集などといった重い処理をスムーズに行なえるように、“高性能”であることが最重要だ。
しかし、高性能なCPUとGPUを搭載していても 冷却能力が足りなければ、性能を落として温度を下げようとするサーマルスロットリングが発生してしまう。また、同じチップを搭載した製品であっても、冷却能力によってそのチップが発揮できる能力(TDP)が変わってくることをご存じだろうか?
一方、 冷却能力を高めるとファンの動作音が大きくなり、使用感が悪くなってしまう。 集中したいときに、ファンが高速で回り続けていては、音が気になってしまうだろう。
つまり、どれだけ高性能なCPUやGPUを搭載したとしても、その性能や利用時の快適さを決定づけるのは冷却能力なのだ。
その絶妙なバランスをハイレベルで実現しているのがASUS「Zenbook Pro 14 OLED UX6404VI」だ。CPUにCore i9-13900H、GPUにGeForce RTX 4070 Laptop GPUという上位プロセッサを搭載しながら、14.5型で約1.6kgというモバイルノートに並ぶ軽さを実現。さらに、最薄部で18.54mmしかないにも関わらず、高い冷却力を備えており、重い処理も快適にこなせる性能を備えている。
この薄さでそれはさすがに大げさでは? なんて思うかもしれないが百聞は一見に如かず。ここでは、Zenbook Pro 14 OLED UX6404VIの冷却能力と性能測定に加え、現役のデザイナーにも使ってもらい、仕事での実用性についての意見も頂戴した。クリエイティブな仕事も最新ゲームも快適にこなせて、持ち運べるハイエンドノートを求めているのなら、ぜひとも本稿を読んでいただきたい。
想像以上の冷却能力と静音性を実現
早速、Zenbook Pro 14 OLED UX6404VIの強みである“薄型でも高冷却”であることをチェックしていこう。
CPUは、Intel第13世代「Core i9-13900H」を搭載。14コア(Pコア6基、Eコア8基)20スレッドで最大5.4GHzと、メニーコアかつ高クロック動作というハイエンドCPUだ。複数のコアが効く処理と、動作クロックが効く処理のどちらにも強い。
GPUにはNVIDIA最新世代の「GeForce RTX 4070 Laptop GPU」を採用。ビデオメモリはGDDR6が8GB、メモリバス幅は128bitだ。デスクトップ版RTX 40シリーズと同じく、従来のアップスケーラー(Super Resolution)に加えて、AIによるフレーム生成(Frame Generation)が可能な「DLSS 3」をサポートし、対応ゲームでは大幅なフレームレート向上を実現できる。
また、第8世代へと進化したNVENCによってAV1のハードウェアエンコードに対応と動画エンコードが強化されているのもポイントだ。
GeForce RTX 4070 Laptop GPUはノートPCの設計に合わせてブーストクロックは1,230MHzから2,175MHz、カード電力は35Wから115Wの間で調節できるようになっている。本機はブーストクロック1,230MHz、カード電力は35Wに設定されていた。
CPU高負荷時の温度とクロック
冷却能力のチェックだが、動作モードはもっとも性能が出る「パフォーマンス」に設定している。まずはCPUだけに負荷がかかるCinebench R23を10分間動作させたときの温度とクロックを確かめよう。
Core i9-13900Hは、MTP(Maximum Turbo Power)115W、PBP(Processer Base Power)45WとノートPC向けとしてはかなり高い。Cinebench R23はCPUの全コアに対してフルに負荷をかける強烈なテストだ。CPUの冷却能力を見るのに最適と言える。
モニタリングアプリの「HWiNFO Pro」を使用し、CPU温度は「CPU Package」、GPU温度は「GPU Temperature」の値、CPUクロックは「P-core 0 Clock」、GPUクロックは「GPU Clock」の値を集計している。
Cinebench R23はGPUにはまったく負荷がかからないテストであり、GPUの温度とクロックは低いまま推移しているので無視して問題ない。 CPU温度は最初の瞬間は97℃まで上がるが、約4GHzの高クロックで動作しても94℃前後で推移とCPUが許容する最大値の100℃に到達していない。ノートPCで全コアに負荷がかかる処理でこれはスゴイこと。
なお、多くのCPUはMTPの電力で動く時間は決められており、1分過ぎにクロックが落ちるのは普通の挙動だ。その後は3.4GHz前後になるが、 温度は75℃前後で推移と全コアが負荷がかかった状況でもキッチリ冷えている。強烈な負荷がかかる状況でも安心して使えると言ってよいだろう。
CPU+GPU高負荷時の温度とクロック
続いて、CPUとGPUの両方に負荷がかかるテストをやってみよう。人気のオープンワールドゲーム「サイバーパンク2077」を10分間プレイしたときの温度とクロックをチェックする。値の取得方法はCinebench R23と同様だ。
興味深い結果だ。CPUは全コアを使うほど重い処理ではないため、一瞬90℃まで上昇するが3分過ぎまでは77℃前後、動作クロックが落ちる後半は69℃前後まで下がる。
GPUは前半は72℃前後だが、後半は73℃前後までちょっとアップ。後半はCPUのクロックが下がって電力的な余裕が生まれたためかGPUの動作クロックがアップしている。 GPU温度の上昇はその影響だろう。
高負荷でも静かなのか動作音をチェック
これだけ冷却能力が高いと動作音も気になるところ。Cinebench R23実行時、サイバーパンク2077プレイ時の両方で正面と右側面のそれぞれ20cmの位置に騒音計を設置して測定した。暗騒音は33.4dBだ。
CPUとGPUの両方に負荷がかかるサイバーパンク2077の右側面は排気口があって音が漏れやすく48.4dBとなった。もちろん静かではないが、それでもハイエンドのノートPCとしては動作音は小さいほうと言ってよい。 ハイエンド、特にゲーミングPCでは冷却能力を重視して動作音が大きい製品も多いためだ。本機は高い冷却能力と動作音のバランスをうまく取っている。
なお、クリエイティブ系ベンチマーク3種類、ゲーム系ベンチマーク4種類も実行した。各ベンチマークの詳細はこちらのリンクから確認してほしい。結論を簡単にまとめると、 本製品はディスクリートGPUを搭載しない製品と比べ、PCとしての基本性能は約2.1倍、Lightroom Classicの写真処理性能は約2.225倍、Premiere Proでの動画処理性能は約3倍、Blenderの3D CG性能は約60倍に達した。
また、 冷却能力が低い場合に、性能にどういった影響をおよぼすのか、静音モードを使って検証してみたところ、性能が30~40%前後下がった。同じCPU/GPUを積んでいても冷却能力が低いと性能を生かし切れないことが示される結果となった。
映像のプロも納得の性能と使い勝手
Zenbook Pro 14 OLED UX6404VIを映像のプロが使うとどう感じるのか。企業のプロモーションなど、数々の映像作品に携わっているワックスグラフィックスの大下幸治氏に話を伺った。
――普段使っている映像編集の環境と比べてどうでしょうか?
大下氏(以下敬称略) 普段は第10世代Core i7、メモリ72GBを搭載するiMacで動画編集をしていますが、Zenbook Pro 14 OLED UX6404VIではより快適に作業できましたね。驚かされたのは、Premiere Proで大容量の4K動画をそのまま複数タイムラインに置いてもスムーズにプレビューできること。iMacだとプロキシファイルを作成しないとプレビューできないんですが、Zenbook Pro 14 OLED UX6404VIがメモリ32GBでここまで快適に動くのには驚きました。
――そのほかスペックの違いを感じる部分はあったでしょうか?
大下 エンコード速度がまったく違いますね。iMacだと30分かかるエンコードも5分ほどで終わりました。外部ディスプレイと組み合わせれば、デスクトップと同じように作業できるのもいいです。また、普段はiMacの色味を基準に作業していますが、Zenbook Pro 14 OLED UX6404VIのディスプレイでも同じ感覚で作業できました。ノートPCだけで作業することになっても色味で苦労することはなさそうです。
――実際に持ち運んで使った感想はどうでしょうか?
大下 プライベートの旅行に持って行きましたが、本体自体はそれほど重くはないので持ち運びやすかったですね。旅行中は充電せず、バッテリ駆動だけで十分持ったので短期間の宿泊ならACアダプタは持っていかなくても大丈夫だと思います。新幹線の移動中など、出先で撮影した画像や動画を高解像度の画面ですぐチェックできるのは便利ですね。
――独自のASUS DialPadはいかがでしょうか?
大下 ダイヤルは新幹線での移動中などマウスが使えない状況だと、作業の効率化アップに便利ではないでしょうか。ただ、ダイヤルの感度調整がもっと細かくできるようになるとうれしいです。
――そのほか気に入った点はありましたか?
大下 シンプルなデザインもいいですね。個人的に排気口がゴテゴテしたものは苦手なのですが、これは目立たずにスラッとしています。それでいて動画編集などをしていても動作音がぜんぜん気になりませんでした。
――ありがとうございました。
高解像度&120Hz表示のOLEDディスプレイ
14.5型のOLED(有機EL)パネルを採用したディスプレイもZenbook Pro 14 OLED UX6404VIの特徴だ。非常に広い色の表現力を求められるデジタルシネマ向けの「DCI-P3」の色域を100%カバー。クリエイティブな仕事では重要となる色の再現力にも優れている。
また、2.5K(2,880×1,800ドット)の高解像度なのに加えて、リフレッシュレートは120Hzと滑らかな描画も可能だ。GeForce RTX 4070 Laptop GPUによる高いGPU性能と相まってゲームも快適に遊べる。
Adobeのアプリをより快適にする「ASUS DialPad」
Zenbook Pro 14 OLED UX6404VIの独自機能として注目したいのが、タッチパッドの左上に「ASUS DialPad」を備えていることだ。
これは仮想的にダイヤル操作を実現するもので、タッチパッドの右上を左下へとスワイプすると有効化。ダイヤルの中央をタッチすると画面上に専用のメニューが表示され、割り当てられた機能を実行できる。
Windowsの音量調節などができるが、クリエイター向けPCというだけあり、Adobeアプリとの連携機能を備え、Premiere Proなら映像をコマ単位で操作できる「時間軸の調整」などが割り当てられている。自分がよく使うショートカットを割り当てれば、作業の効率化を狙えるのが便利だ。
インターフェイスに不足なし。Web会議でも活躍
Zenbook Pro 14 OLED UX6404VIのインターフェイス周りも見ていこう。
ディスプレイ上部にはWindows Helloの顔認証に対応する207万画素のWebカメラとマイクを内蔵。底面には1W×2のステレオスピーカーを搭載する。
「MyASUS」アプリを使えば、Webカメラの映像の背景をぼかしたりできる「AiSenseカメラ」、周囲のノイズを抑えて音声をクリアにする「AIノイズキャンセリングマイク」などが利用でき、Web会議にも対応しやすい。
ポート類については、左側面にHDMI出力、USB 3.2 Gen2、ヘッドセット端子、右側面にThunderbolt 4、USB 3.2 Gen2 Type-C(DisplayPort出力、USB PD対応)、SDカードスロットが用意されている。無線LANはIntel AX211によるWi-Fi 6Eに対応し、Bluetooth 5.1もサポート。
付属のACアダプタは200Wと大出力なのでそれなりに大きいが、Type-Cポートを使って充電することもできるので、市販の充電器やモバイルバッテリを活用することも可能だ。
性能、冷却能力、携帯性のすべてに優れるハイエンドノート
Zenbook Pro 14 OLED UX6404VIは、スリムな14.5型ということで、十分持ち運べるサイズながらOLEDパネルによる高解像度で色の再現力に優れるディスプレイ、クリエイティブな作業も重量級ゲームも快適に遊べる高い性能を実現している。
なにより優秀な冷却能力を確保しており、長時間の作業でも性能を維持できるという完成度の高いハイエンドノートだ。ハイパフォーマンスを求めているが、ゴツくて大きいサイズは避けたいという人の最適な1台になってくれるはずだ。