トピック

ハイエンドノートの性能を決めるのは、CPU/GPUそのものよりも"その冷却能力"という事実

~薄型/軽量で高性能なASUS「Zenbook Pro 14 OLED UX6404VI」で実際に検証

 高い冷却能力で高負荷な作業も長時間安心して行なえるのは、クリエイター向けのノートPCとしては安心のポイントと言える。ここでは、クリエイティブ系アプリを中心にZenbook Pro 14 OLED UX6404VIの性能をチェックしていこう。

8コア16スレッドCPUを遙かに上回るクリエイティブ性能

 比較用としてCPUにRyzen 7 7730U(8コア16スレッド、最大4.5GHz)を搭載するノートPCを用意した。メモリはDDR4-3200が16GBで、GPUはCPU内蔵の「Radeon Graphics」を使用している。Zenbook Pro 14 OLED UX6404VIの動作モードは冷却テストと同じく「パフォーマンス」に設定した。

通常用途での性能

 まずは、CGレンダリングでCPUパワーを測定する「Cinebench R23」、PCの基本性能を測定する「PCMark 10」をチェックしよう。

 Zenbook Pro 14 OLED UX6404VIのCPUは14コア20スレッドのCore i9-13900Hだけあって、Ryzen 7 7730Uとの差は歴然だ。マルチコアのテストでは約2.1倍もスコアが上回った。シングルコアのテストでも約1.5倍もスコアが上回っており、基本的な馬力が違うと言ってよい。

 PCMark 10は、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の“Essentials”で4,100以上、表計算/文書作成の“Productivity”で4,500以上、写真や映像編集“Digital Content Creation”で3,450以上が快適度の目安となっているが、すべて2倍以上のスコアを達成。比較用のノートと比べて、特にDigital Content Creationの差が大きいのに注目したい。さすがクリエイター向けと言えるところだ。

冷却能力が低いとどうなるのか、「ウィスパー」モードで検証

 ちなみに、動作モードは「パフォーマンス」以外に、ファンの回転数を動的に変化させる「スタンダード」、ファンの回転数を動的に最小化して静音性を重視する「ウィスパー」が用意されている。

 ここでは冷却能力が低い場合に、性能にどういった影響をおよぼすのか、ウィスパーモードを使って検証してみた。この結果を見れば、同じCPU/GPUを積んでいても冷却能力が低いと性能を生かし切れないことが分かるだろう

動作モードは「MyASUS」アプリのカスタマイゼーションで設定が可能だ

 パフォーマンスとスタンダードはほとんど変わらない。あっても3~4%程度の差だ。その一方でウィスパーはファンの回転数を下げるために性能も抑えるようで、Cinebench R23のマルチコアではパフォーマンスに比べて、34.2%もダウンとなった。

 PCMark 10では、負荷の軽いEssentials、Productivityではどのモードでも差はないが、高負荷なDigital Content Creationでは、パフォーマンスのスコアに対してウィスパーは38.8%もダウン。

 以上の通り、冷却能力が低いと性能が大幅にダウンする。動作音の検証でも示したが、Zenbook Pro 14 OLED UX6404VIはパフォーマンスモードでも不快にならない一定レベルの動作音を維持していた。本機が性能と静音のバランスの取れたハイエンドノートであることが分かったはずだ。

クリエイティブ性能

 次は、Adobeの画像編集アプリ「Photoshop」と「Lightroom Classic」を実際に動作させて様々な処理を行なう「UL Procyon Photo Editing Benchmark」と動画編集アプリの「Premiere Pro」で編集やエンコードを行なう「UL Procyon Video Editing Benchmark」を試そう。

  Photo Editingではすべてのスコアが上回ったが、特にLightroom Classicを中心としたBatch Processingでは約2.25倍と大きな差になった。Video Editingは、CPUパワーの影響が大きいエンコード処理が多く入るため約3倍ものスコア差となった。動画編集にも強いことが分かる結果だ。

 続いて「Blender Open Data Benchmark」を実行しよう。一定時間内にどれほどレンダリングできるのかをスコアとして出すベンチマークだ。今回はどちらも処理にGPUを指定している。

  比較用のRyzen 7 7730U搭載ノートは、CPU内蔵のGPUを利用しているため、GeForce RTX 4070 Laptop GPUを備えるZenbook Pro 14 OLED UX6404VIとは、最大で約60倍もの差が出ている。 GPUを使ったレンダリング処理でもGeForce RTX 4070 Laptop GPUは非常に有効だ。

重量級ゲームも快適に楽しめる

 ここからは、ゲーム性能を確かめていこう。クリエイティブな作業をこなしつつ、オフタイムでゲームも快適に遊べるのであれば、うれしい限りであろう。

 解像度はネイティブの2,880×1,800ドットと1,920×1,200ドットの2種類で画質は最高に設定している。動作モードは「パフォーマンス」に統一した。軽めのゲームでは、120Hzのリフレッシュレートを生かしきれる平均120fps以上を出せるか、重量級のゲームでは快適なプレイの目安と言える平均60fpsに到達できるかに注目したい。

軽量~中量級ゲーム

 まずは、軽量~中量級のFPSとして「レインボーシックス シージ」と「Apex Legends」を試す。レインボーシックス シージはゲーム内のベンチマーク機能を利用、Apex Legendsはトレーニングモードの一定コースを移動した際のフレームレートを「FrameView」で測定している。

  どちらも最高画質かつ2,880×1,800ドットで平均120fps以上を達成。高解像度&高画質で滑らかな描画を体験できる。人気FPSをガチで楽しめるパワーがあると言ってよいだろう。

重量級ゲーム

 続いて、重量級と言える「Call of Duty: Modern Warfare III」、「サイバーパンク2077」を実行しよう。描画負荷が高いタイトルだが、どちらもDLSS 3に対応しており、アップスケーラー&フレーム生成によるフレームレート向上を利用できるのがポイントだ。

 Call of Duty: Modern Warfare IIIは、キャンペーンのミッション「原子炉」の一定コースを移動した際のフレームレートを「FrameView」で測定、サイバーパンク2077はゲーム内のベンチマーク機能を利用した。

  どれもDLSSをバランス設定にフレーム生成を有効にすることで2,880×1,800ドットの高解像度&最高画質設定でも平均60fps以上を達成。重量級ゲームを高画質で楽しめるのが分かった。

 本製品はクリエイター向けのノートPCだが、ゲームもゴリゴリにプレイできる。仕事にも遊びにも活躍が可能だ。