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RTX 4090搭載でLightroomの性能が3倍に!生まれ変わったクリエイター向けPC「DAIV」の全貌に迫る
~Xeon SPにも対応可能な新筐体の見所を一挙紹介。安心の出張設置サービスもオススメ
- 提供:
- 株式会社マウスコンピューター
2023年3月10日 06:30
マウスコンピューターが、クリエイター向けPCブランドの「DAIV」から、新筐体を採用したハイエンドデスクトップPC「DAIV DD-I9G90」を1月18日に発売した。最新世代のパーツを採用することで、非常に高い性能を実現。また、冷却性能を高めた新型筐体により、SapphireRapids-WSにも対応可能な拡張性を誇る。
本稿では、その性能を検証するとともに、新型DAIVの開発経緯やその進化点など、スペック表だけからは見えてこない狙いや特徴などについても開発担当者にインタビューしたので、開発時の裏話など交えてお伝えする。
新型DAIVは新筐体採用により拡張性、メンテナンス性、使い勝手が向上
今回話を伺ったのは、マーケティング本部製品部プロダクトマネージャーの林田奈美氏。林田氏によると新筐体最大の特徴は、筐体の大型化を最低限に留めつつ、内部空間を大幅に拡大したこと。これにより旧型DAIVでは困難だった、より最新、かつ高性能なシステム構成のクリエイター向けマシンが実現可能になったという。
林田氏 旧型DAIVには、ストレージ用のシャドウベイが内蔵されており、2020年の秋頃にGeForce RTX 30番台が登場した時に、装着できないビデオカードが出てきました。この問題を解決すべく新型DAIVの開発をスタートしたのが、インテル第12世代Coreプロセッサが出てきた2021年の秋頃です。
2022年の春に最初のデザインができて、ゴールデンウィーク前にモックアップデザインができました。筐体はひんぱんに変えられるものではないので、将来的にもハイエンド、ハイスペックPCに必要な仕様を満たせられて、水冷のラジエータを搭載できるものとして開発しました。
新型DAIVは筐体の幅を約30mm、奥行きを約20mm、高さを約115mm拡大しつつ、筐体前部のシャドウベイを取り除くことで、GeForce RTX 4090のような大型ビデオカードを2基、Extended ATX規格のマザーボード、そして240mmの大型ラジエータを2基搭載可能となっている。コードネーム「Sapphire Rapids」と呼ばれている次世代Xeonプロセッサを搭載するワークステーションの登場も期待できそうだ。
実際、巨大なGeForce RTX 4090を装着しても、内部スペースにはまだまだ大きな余裕がある。ビデオカードがさらに長くなっても、当面は対応できる。拡張性、メンテナンス性は高いと言えよう。
新型DAIVの筐体は、さらにスタイリッシュに再設計されているものの、おなじみの「ハンドル」と「キャスター」は継承されている。この装備は、使い勝手において特にこだわった部分だと林田氏は語る。
林田氏 ハンドルとキャスターについては多くのユーザー様からオフィス内で移動するときだけでなく、ケーブルを抜き差しするためにちょっと引き出す時にも非常に便利だと伺っていましたので、新製品でも守りたいと思っていました。
ただ今回、Extended ATX規格のマザーボードなどに対応するため、どうしても筐体が大きくなってしまうことは分かっていました。ハンドルに強度を持たせること、ケースの大型化を最低限に留めることを両立させるために検討を重ねた結果、筐体デザインに協力いただいたアマナさん所属のデザインチームからいただいたデザインがこの形だったんです。ハンドルもあって、新しさもあり、そして今までのDAIVのイメージも継承されていました。すごくいいなと思いましたね。
ぱっと見は気付きにくいが、新型DAIVは前面に光学ドライブ用のスロットが用意されている。このスロットもこだわったポイントだという。
林田氏 社内では光学ドライブをどうしようという議論がありました。最近のPCケースは光学ドライブを省略してしまうことが多いのですが、特にクリエイター業界では素材の受け渡しに使うことがあるので光学ドライブを付けたいお客様がいらっしゃるんですね。5インチドライブは大きいので苦労しましたが、うまく組み込むことができました。
新型筐体開発にあたって最も苦労したことを聞いたところ、意外な回答が返ってきた。
林田氏 苦労したのは実は着色です。サイドパネルは鉄板で、本体上部は樹脂なので、塗装の仕方が違うんです。組み上げたときに塗装の質感を合わせるのが本当に大変で、製品発表ギリギリまでこだわっていました。社内でも喧々諤々やって、工場とも何度もやり取りしてすごく苦労したのですが、この仕上がりを見るとこだわってよかったなと思えます。
多彩なカスタマイズ項目により目的に合ったシステム構成を選択できる
では、「DAIV DD-I9G90」の詳細について解説していこう。本製品は、CPUは第13世代のCore i9-13900KF(8P+16Eコア/32スレッド、最大5.80GHz、TDP 125W)、ビデオカードはGeForce RTX 4090(24GB GDDR6X)を採用。本モデルでは、CPUとビデオカードはカスタマイズできない。
OSはWindows 11 Home/Pro、メモリは64GB(DDR5-4400)/128GB(DDR5-3600)を選択可能。ストレージはM.2 SSDを2基、3.5インチHDDを1基、光学ドライブを1基備え、下記の中から選択可能だ。
- M.2 SSD(1基目): 2TB(PCIe Gen4 x4接続) / 2TB(PCIe Gen4 x4接続「SAMSUNG製PM9A1」)
- M.2 SSD(2基目): なし / 256GB(PCIe Gen3 x4接続) / 512GB(PCIe Gen3 x4接続) / 500GB(PCIe Gen4 x4接続) / 512GB(PCIe Gen4 x4接続「SAMSUNG製PM9A1」) / 1TB (PCIe Gen3 x4接続) / 1TB (PCIe Gen4 x4接続) / 1TB (PCIe Gen4 x4接続「SAMSUNG製PM9A1」) / 2TB (PCIe Gen3 x4接続) / 2TB (PCIe Gen4 x4接続) / 2TB (PCIe Gen4 x4接続「SAMSUNG製PM9A1」)
- 3.5インチHDD: なし / 1TB / 2TB / 4TB / 8TB
- 光学ドライブ: なし / DVDスーパーマルチドライブ / BDドライブ
インターフェイスは前面にUSB 3.0 Type-C、USB 3.0×2、音声入出力端子、背面にUSB 3.2 Type-C、USB 3.0×4、USB 2.0×2、2.5Gigabit Ethernet、音声入出力、S/PDIF出力(角型)、ビデオカードにDisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1を装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 6E、Bluetooth 5をサポートしている。
本体サイズは約220×510×525mm、重量は約13.9kg。旧型の「DAIV Z9」は約190×490×410mm、約11.9kgだったので、サイズは一回り大きく、重量は約2kg重くなっているが、インタビューの章でお伝えしたとおりハンドルとキャスターが継承されているので、比較的軽い力で移動でき、利用のしやすさはほぼ変わっていない。評価機の細かなスペックについては下記表を参照してほしい。
OS | Windows 11 Home |
---|---|
プロセッサ | Core i9-13900KF(8P+16Eコア/32スレッド、最大5.80GHz、TDP125W) |
チップセット | Intel Z790チップセット |
メモリ | 64GB(DDR5-4400 DIMM、32GB×2、最大128GB) |
ストレージ | 2TB SSD(PCIe Gen4接続) |
ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX 4090(24GB GDDR6X) |
通信 | 2.5Gigabit Ethernet |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5 |
前面インターフェイス | USB 3.0 Type-C、USB 3.0×2、ヘッドセット端子 |
背面インターフェイス | USB 3.2 Type-C、USB 3.0×4、USB 2.0×2、2.5Gigabit Ethernet、ライン出力、ライン入力、マイク入力、センター/サブウーファー出力、リア出力、S/PDIF出力(角型) |
ビデオカードインターフェイス | DisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1 |
拡張スロット | PCI Express x16×2(空き0)、PCI Express x1×3(空き2)、M.2(Type 2242/2260/2280/22110)×2(空き1) |
本体サイズ | 約220×510×525mm |
重量 | 約13.9kg |
同梱品 | 電源ケーブル、キャスター(装着済み)、説明書類 |
価格 | 67万9,800円~ |
最新世代CPU & GeForce RTX 4090搭載により性能が大幅向上
では、気になる性能をチェックしよう。今回はCore i9-13900KFとGeForce RTX 4090を搭載する新型「DAIV DD-I9G90」(以下、新DAIV)と、Core i9-12900とRTX 3070を搭載する「DAIV Z9」(以下、旧DAIV)でベンチマークを実施してみた。
DAIV DD-I9G90 | DAIV Z9 | |
---|---|---|
CPU | Core i9-13900KF(8P+16Eコア/32スレッド、最大5.80GHz) | Core i9-12900(8P+8Eコア/24スレッド、最大5.10GHz) |
GPU | GeForce RTX 4090(24GB GDDR6X) | GeForce RTX 3070(8GB GDDR6) |
メモリ | DDR5-4400 SDRAM 64GB | DDR4-3200 SDRAM 64GB |
ストレ-ジ | 2TB PCIe 4.0 x4 SSD「CSSD-M2B2TPG3NF2」 | 1TB PCIe 4.0 x4 SSD「SAMSUNG MZVL21T0HCLR-00B00」、2TB SATA HDD「WDC WD20EZAZ-00L9GB0」 |
TDP | 125W | 65W |
OS | Windows 11 Pro | |
サイズ | 約220×530×525mm | 約190×490×410mm |
重量 | 約13.9kg | 約11.9kg |
まずCPU性能については、Cinebench R23.200のMulti Coreで旧DAIVに対し175%相当、Single Coreで114%相当のスコアを記録している。Pコア数は同じだが、新DAIVはEコアが2倍のCore i9-13900KFを搭載しているので、その差がストレートに表われた結果だ。
3Dグラフィックス性能については、新DAIVは旧DAIVに対して、Port RoyalのGraphics Scoreで318%、Time SpyのGraphics Scoreで266%、Fire StrikeのGraphics Scoreで176%相当のスコアを叩き出している。この差についてはGeForce RTX 4090とGeForce RTX 3070の比較なので当然だが、RTX 4090を搭載できる新DAIVだからこその結果であることを強調しておきたい。
総合性能を測るPCMark 10では、総合スコアで110%、Essentialsで103%、Productivityで100%、Digital Content Creationで130%というスコアとなった。ビデオカードの性能差が物を言うDigital Content Creationで特に性能向上が顕著だった形だ。
今回優劣が逆転してしまったのがストレージ性能。新DAIVは旧DAIVに対して1M Q8T1 シーケンシャルリードで75%、1M Q8T1 シーケンシャルライトで86%の値に留まってしまっている。
これは新DAIVが2TB PCIe 4.0 x4 SSD「CSSD-M2B2TPG3NF2」を搭載しているのに対して、旧DAIVがリード、ライト性能で上回る1TB PCIe 4.0 x4 SSD「SAMSUNG MZVL21T0HCLR-00B00」を搭載しているため。新DAIVの性能を最大限発揮させるためには、予算が許せばシステムストレージをBTOでアップグレードしたいところだ。
実際のクリエイティブ系アプリでも処理速度を実測してみた。Lightroom Classicで36%相当、Photoshopで93%、Premiere Proで78%相当の所要時間で処理を終えた。この中で圧倒的な性能向上を見せてくれたのがLightroom Classic。CPUのマルチコア性能や、ビデオカードのGPU支援を最大限に利用できるアプリでは大きな効果を得られるわけだ。
なお、新DAIVはGeForce RTX 4090を搭載したことで、8Kエンコード(H.265)がGeForce RTX 3090に対して1.5倍以上高速化されたと謳われている。今回、DaVinci Resolve Studio 18で実時間2分の8K動画(N-RAW、8K60P)の書き出しを実施してみたのだが、新DAIVは242.28秒で処理を終えたものの、旧DAIVは最新OS、アプリ、ドライバで実施しても書き出し直後に異常終了してしまった。
GeForce RTX 4090は24GBのVRAMを搭載しているが、RTX 3070は8GBしか搭載されていない。旧DAIVはVRAMの容量が少ないため、処理を正常に実行できなかった可能性が高い。新DAIVの8Kエンコード性能は参考値と捉えてほしいが、8K動画編集を視野に入れているユーザーにとっても新製品は魅力的に映るだろう。
出張設置サービスを依頼すればセットアップ時の苦労から解放
ハンドルとキャスターが付いているとはいえ、約220×510×525mm、約13.9kgというサイズ、重量を聞くと、特に女性だと自分ひとりで設置できるか不安な人もいるだろう。そんな人のために用意されているのがマウスコンピューターの「出張設置サービス」だ。
本サービスを利用すると、PCの物理的な設置に加え、いくつかのソフトウェアセットアップをその場でやってくれる。有線LANに接続するなら基本サービス(1万450円)、無線LANに接続するなら「基本サービス+無線LANサービス」(1万1,550円)で、専門スタッフがPC設置、セットアップ・モデム設定、ネット&メール設定まで代行してくれる。
Adobe製品などには詳しいが、細かい初期設定に煩わされたくないというユーザーは、このサービスを利用することも検討してはいかがだろうか。
新生活を最高峰マシンでスタートさせたい方にピッタリな1台だ
DAIV DD-I9G90は、新型筐体を採用することでハイエンドパーツに対応可能となり、プロクリエイターが求める限界仕様の構成で購入できるようになった点は大きな進化と言える。それでいてハンドルやキャスターなどを装備し、軽い力で移動できる使い勝手は継承。金属と樹脂の質感を限りなく近づけるこだわりにより、クリエイターの創作意欲をかき立てるデザイン性も実現している。
8Kエンコードなどの負荷の高い作業も快適に実行できる本製品は、個人/法人を問わず、新生活を最高峰マシンでスタートさせたい方にピッタリな1台だ。
最後に新型DAIV最大のアピールポイントについても林田氏に聞いてみた。
林田氏 新製品までお待たせしましたが、クリエイター様が必要とされる最新、最高スペックの製品をご用意できました。黒の締まったデザインとすることで、クリエイターの方の創作意欲を奮い立たせられる、愛していただけるような製品にしました。コンテンツやモノ作りに携わる方に、ぜひ新しいDAIVを使っていただきたいと思っています。
まだ発売されたばかりなのでラインナップは広がっていませんが、これから春に向けて新しいモデルをどんどん投入していきます。新製品をどんどん採用して、最新のパーツを最速で対応したいと思っています。ぜひよろしくお願いいたします。