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メンテ性抜群!GeForce RTX 4090搭載のDAIV新シャーシモデルを隅から隅まで調べてみる
2023年2月3日 06:24
マウスコンピューターはクリエイター向けPCブランド「DAIV」から、シャーシをリニューアルしたハイエンドデスクトップPC「DAIV DD-I9G90」を1月18日に発売した。価格は67万9,800円から。
本製品は大型化したビデオカードや冷却システムを搭載できるように内部空間を広く設計。大型ビデオカードを2基、空冷ファンを6基、240mmラジエータを2基装着可能となっている。
今回、Core i9-13900KFとGeForce RTX 4090を搭載した標準構成モデルを借用したので、新型シャーシの使い勝手、メンテナンス性、拡張性、そして性能についてレビューしていこう。
新シャーシはシンプルだが飽きの来ないデザインを実現
DAIV DD-I9G90は、OSにWindows 11 Home、CPUに第13世代(Raptor Lake)のCore i9-13900KF、ビデオカードにGeForce RTX 4090を採用。メモリは64GB、ストレージは2TB SSDを搭載している。チップセットはIntel Z790チップセットだ。
インターフェイスは背面にUSB 3.2 Type-C、USB 3.0×4、USB 2.0×2、有線LAN、ライン出力、ライン入力、マイク入力、センター・サブ出力、リア出力、S/PDIF出力(角型)、前面にUSB 3.0 Type-C、USB 3.0 Type-A、ヘッドセット端子を配置。ビデオカードにDisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1が装備されている。有線通信は2.5Gigabit Ethernet、無線通信はWi-Fi 6E、Bluetooth 5をサポートしている。
マザーボード上の拡張スロットは、PCI Express x16×2(空き1)、PCI Express x1×3(空き2)、M.2(Type 2242/2260/2280/22110)×2(空き1)を用意。ただし、上から3番目のPCI Express x16はx4動作となる。
本体サイズは約220×510×525mm、重量は約13.9kg。従来シャーシで好評を得ていた本体前面上部のハンドル、本体背面下部のキャスターは引き続き装備されており、スタジオやオフィス内などで安全に、軽い力で移動が可能だ。
シャーシは両側面と背面のみが金属製で、天面、前面はプラスチック製だが、直線を主体にしつつ曲面を加えた優美なフォルムでデザインされており、質感も高い。個人的には、シンプルだが飽きの来ないデザインを実現していると感じた。
型番 | DAIV DD-I9G90 |
---|---|
OS | Windows 11 Home |
プロセッサ | Core i9-13900KF(8P+16Eコア/32スレッド、最大5.8GHz、TDP 125W) |
チップセット | Intel Z790チップセット |
メモリ | 64GB(DDR5-4400 DIMM、32GB×2、最大128GB) |
ストレージ | 2TB SSD(PCIe 4.0接続) |
ビデオカード | GeForce RTX 4090(24GB GDDR6X) |
通信 | 2.5Gigabit Ethernet |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5 |
前面インターフェイス | USB 3.0 Type-C、USB 3.0 Type-A×2、ヘッドセット端子 |
背面インターフェイス | USB 3.2 Type-C、USB 3.0 Type-A×4、USB 2.0×2、有線LAN、ライン出力、ライン入力、マイク入力、センター・サブ出力、リア出力、S/PDIF出力(角型) |
ビデオカードインターフェイス | DisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1×1 |
拡張スロット | PCI Express x16×2(空き1)、PCI Express x1×3(空き2)、M.2(Type 2242/2260/2280/22110)×2(空き1) |
本体サイズ | 約220×510×525mm |
重量 | 約13.9kg |
同梱品 | 電源ケーブル、キャスター(装着済み)、説明書類 |
価格 | 67万9,800円から |
内部空間を大型化することで拡張性、メンテナンス性を大幅に向上
DAIV DD-I9G90は従来シャーシと比較して、幅を約30mm、奥行きを約20mm、高さを約115mm拡大。ボディの大型化は最低限に留めつつ、内部空間を拡大した。
それにより、従来シャーシでは収まらなかった大型ビデオカードや、ExtendedATX規格のマザーボードを搭載可能となった。またビデオカードは最大2基搭載可能で、その重みを支えるサポートバーが用意されており、長期間利用したり、頻繁に移動しても、端子に負担がかからなくなっている。
マザーボードは「MouseComputer Z790-S01」(MSI製造)を搭載。メモリはDDR5-4800規格の32GBメモリ「Samsung M323R4GA3BB0-CQKOL」が2枚、ストレージはPCIe 4.0 x4接続SSD「CSSD-M2B2TPG3NF2」、ビデオカードは「MSI RTX 4090 Ventus 3X」が搭載されていた。なお出荷時期によってパーツが異なる可能性がある点は留意してほしい。例外的にストレージについては、「Samsung PM9A1」を指定可能だ。
ケーブル類は裏面配線が徹底されていてまとめ方も適切なので、メモリ、ストレージ、拡張カード類へのアクセスは容易だ。ケースの内部空間も大型化されているので、拡張性は高いと言える。
エアフローは本体前面上部、側面前部、底面から吸気し、背面から排気するように設計され、前面と背面には脱着可能なダストフィルタが装着されている。ダストフィルタは水洗い可能なのでメンテナンスは手軽だ。
唯一気になったのが電源ユニットを覆うチャンバー。吸気、排気口を備えたチャンバーにより、1,200W電源ユニットがCPUやビデオカードに熱干渉しにくい設計となっているが、電源ユニットの端子にアクセスしにくくなっている。手の大きな方は、電源ユニットに電源ケーブルを挿すのは相当苦労しそうだ。
気になるベンチマークスコアはいかに?
最後に性能をチェックしよう。今回は下記のベンチマークを実施している。
- Cinebench R23.200
- 3DMark v2.25.8056(CPU Profile、Speed Way、Port Royal、Time Spy、Fire Strike、Wild Life)
- ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(スコア、平均フレームレート)
- CrystalDiskMark 8.0.4
- PCMark 10 Extended v2.1.2574
比較対象機種としては、Core i7-13700KF、GeForce RTX 4090を搭載する「G-Tune XP-Z」を採用した。検証機の仕様については下記を参照してほしい。
機種名 | DAIV DD-I9G90 | G-Tune XP-Z |
---|---|---|
CPU | Core i9-13900KF(8P+16Eコア/32スレッド、最大5.8GHz) | Core i7-13700KF(8P+8Eコア/24スレッド、最大5.8GHz) |
GPU | GeForce RTX 4090(24GB GDDR6X) | GeForce RTX 4090(24GB GDDR6X) |
メモリ | DDR5-4400 SDRAM 64GB | DDR5-4400 SDRAM 64GB |
ストレ-ジ | 2TB PCIe 4.0 x4 SSD「CSSD-M2B2TPG3NF2」 | 2TB PCIe 4.0 x4 SSD |
TDP | 125W | 125W |
OS | Windows 11 Pro 22H2 | Windows 11 Pro 22H2 |
サイズ | 約220×530×525mm | 約220×490×501mm |
重量 | 約13.9kg | 約19.7kg |
価格 | 67万9,800円から | 59万9,800円から |
まずCPU性能については、Core i9-13900KFを搭載するDAIV DD-I9G90が、Core i7-13700KFを搭載するG-Tune XP-Zに対して、Cinebench R23.200のCPU(Multi Core)で137%相当、3DMark v2.25.8056「CPU Profile」のMax threadsで117%相当のスコアを記録している。CPUのコア数、スレッド数の差が着実に表われた結果と言えよう。
しかし3DMark v2.25.8056については、Speed Way、Port Royal、Wild Lifeではほぼ同等。Wild LifeではDAIV DD-I9G90はG-Tune XP-Zに対して108%相当のスコアを記録したが、Time Spy、Fire StrikeではDAIV DD-I9G90のほうがG-Tune XP-Zよりスコアが下回ってしまった。ベンチマークの計測時期が異なるので、ドライバのバージョン違いなどが何らかの影響を及ぼしている可能性がある。
その一方で3Dゲーム「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」のベンチマークでは、DAIV DD-I9G90はG-Tune XP-Zに対して、スコアで104~106%、平均フレームレートで103~105%のスコアを記録している。DAIV DD-I9G90は上位CPUを搭載しているだけに、実際のゲームでは着実に高い性能を発揮したわけだ。
ストレージベンチマークについてはDAIV DD-I9G90の結果のみを掲載するが、CrystalDiskMark 8.0.4のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は4,973.57MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4,254.01MB/sを記録した。これ以上の性能が必要なのであれば、最大6,700MB/sのシーケンシャルリード性能が謳われている「SAMSUNG PM9A1」をカスタマイズ購入時に選択しよう。
最後にPCMark 10についてだが、DAIV DD-I9G90はG-Tune XP-Zに対して、PCMark 10 Scoreで93%、Essentialsで99%、Productivityで98%、Digital Content Creationで96%、Gamingで79%のスコアに留まっている。グラフィックス処理がなんらかの理由で影響を及ぼしている可能性が高いので、今回の結果はあくまでも参考に留めてほしい。
新シャーシ採用により高い拡張性を実現したクリエイター向けデスクトップPC
DAIV DD-I9G90は新シャーシを採用することで、高い拡張性とメンテナンス性を実現。また空冷ファンの搭載数を6基、240mmラジエータの搭載数を2基、そして電源ユニットを専用の吸気、排気口を備えたチャンバーに格納することで、最新CPUとビデオカードのハイ性能を安定して発揮できるようになっている。ExtendedATX規格のマザーボードが搭載可能となったことで、より多くの用途に応えるラインナップがリリースされることも期待できる。
最新ハイエンドパーツを搭載し、拡張性とメンテナンス性に優れたクリエイティブワーク向けデスクトップPCを探しているのなら、DAIV DD-I9G90は有力な選択肢と言える。