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知っておきたいUSB PDの基礎。モバイルバッテリと充電器、ノートPCを充電するなら出力何Wものを用意すべきか?

 ここまでの基礎知識を前提に、USB PD充電器とモバイルバッテリを販売しているメーカーに、USB PDへの対応状況を尋ねてみた。以下、コメントを紹介したい。

記事目次

 (1) Anker
 (2) エレコム
 (3) オウルテック
 (4) サンワサプライ

Anker

――PCで充電器やモバイルバッテリを使う場合、コンパクトな30Wクラスの製品と、少し大きくても余裕がある45W超の製品では、どちらがおすすめですか?

Anker 45W出力がおすすめです。ノートPCによっては30W出力では出力が足りずに充電に時間がかかることがあるためです。たとえば、30W出力の場合、MacBook Airは充電可能ですが、MacBook Proは急速充電ができず充電に大変時間がかかります。45W出力であれば、MacBook Pro/Windows PCも充電可能です。

 また、合計最大出力が45W以上だと複数ポート搭載されている製品も多いため、ノートPCだけでなく普段持ち歩くスマホも同時に充電できます。

――USB PD対応の充電器やモバイルバッテリを使用する上で注意することなどはありますか?

Anker 高いワット数での入力に対応しているノートPCの場合、ケーブルもその高出力に対応しているかを確認するのがポイントです。よくある事例として、100Wで充電したくても、ケーブルが100W非対応のものであれば、充電器が対応していても結果的にノートPCには60W出力しかされないといったことが起こり得ます。

Ankerのおすすめ充電器とモバイルバッテリ

エレコム

――PCで充電器やモバイルバッテリを使う場合、コンパクトな30Wクラスの製品と、少し大きくても余裕がある45W超の製品では、どちらがおすすめですか?

エレコム PCを使用しながら充電する場合は製品サイズが少し大きくても余裕がある45W超製品がおすすめです。また、PCを使用していない間に充電する場合はコンパクトな30W対応製品がおすすめです。

 理由はPCを使用しながら充電する場合には、PCが電力を消費する分だけ多くの電力で給電が必要となり、コンパクトな30W対応製品だと消費分の電力を補えず、PC本体のバッテリが減ってしまうことがあります。しかし、出力に余裕がある45W超製品ではPC本体のバッテリが減ってしまう心配はありません。

 一方、PCを使用してないときに充電する場合にはコンパクトな30W対応製品でも対応が可能です。

 また、イチオシのPD対応充電器は複数ポート(USB Type-C×1ポート、USB Type-A×2ポート)がありますが、USB Type-Cポートを単独で使用すると65Wの大出力で使用でき、複数ポート同時使用の場合でもPCへは45Wで充電しながら同時にタブレットやスマホを充電することができるため、持ち運ぶ充電器を1つにまとめることもできます。

 モバイルバッテリ:モバイルバッテリは携帯性を重視し、30W出力の製品が多く、容量が少なめに設定されているため、日帰り出張などでPC本体のバッテリ容量が心もとない時におすすめです。45W超製品では高容量の製品が多いため、宿泊を伴う出張や移動時間が長い場合などにおすすめです。

――USB PD対応の充電器やモバイルバッテリを使用する上で注意することなどはありますか?

エレコム USB PD対応充電器では、目安としてPCに付属している充電器の出力と同等以上の製品を使用すれば、どのような状況でも充電できるため安心です。また付属品の充電器出力以下の場合でも、ユーザー様の使い方によっては十分使用できることもあるため、使い方によって選んでいただければと思います。

 ただし、20W程度のスマホ向けの充電器だと、出力が足りずにうまく充電できない場合や、バッテリが減ってしまうことになりやすいため、PCに対応した充電器、モバイルバッテリを選んでいただければと思います。

 PD対応モバイルバッテリの場合は、Power Deliveryの規格で使用状況や組み合わせによってはPCからバッテリに充電してしまう場合もあるため、バッテリの出力モードに固定する「強制出力モード」搭載する弊社おすすめの製品を使ってみるのはいかがでしょうか?

エレコムのおすすめ充電器とモバイルバッテリ

オウルテック

――PCで充電器やモバイルバッテリを使う場合、コンパクトな30Wクラスの製品と、少し大きくても余裕がある45W超の製品では、どちらがおすすめですか?

オウルテック 30Wですとスタンバイ状態で充電できますが、電源オンした場合では充電できないノートPCがございます。そのため弊社では、ノートPC充電へのおすすめとしては45W以上としております。それでもやはりコンパクトな物が良いのでOWL-APD65SC1-BKのような高出力でありながらコンパクトな製品を開発しております。

――USB PD対応の充電器やモバイルバッテリを使用する上で注意することなどはありますか?

オウルテック ノートPCは種類が多く非公開の仕様が多いのが現状です。そのため、「使えない」などの問い合わせが多数あります。弊社サポートでも対応を行なっておりますが、実はご自分のPCがUSB PD対応機種か分からないのようなご質問が多くあります。「充電器を購入してから使えない」となるよりも一度ネット検索などを行ない、ご利用のPCの仕様をご確認と相性問題などがないかご確認をいただければと思います。

オウルテックのおすすめ充電器とモバイルバッテリ

サンワサプライ

――PCで充電器やモバイルバッテリを使う場合、コンパクトな30Wクラスの製品と、少し大きくても余裕がある45W超の製品では、どちらがおすすめですか?

サンワサプライ USB PDの30WだとPC側が充電モードに入らない場合もあるため、最低でも45W以上の出力に対応した製品がおすすめです。また、ドッキングステーションやドッキングハブなどを介して使用する場合、ドッキング側の消費電力を差し引いた電力分がPCへ給電されるため、より余裕を持った出力の充電器を選ばれたほうが良いです。

――USB PD対応の充電器やモバイルバッテリを使用する上で注意することなどはありますか?

サンワサプライ PCにUSB Type-Cケーブルを接続した状態でデスクで使用している場合デスクからPCを移動させるとき(PCを持ち上げるなど)にケーブルを接続したまま持ち上げるとコネクタに負荷がかかりやすく、破損につながるため注意が必要です。

 また、USB PD 60Wよりも大きな出力に対応した充電器、モバイルバッテリの場合、使用するUSB Type-CケーブルがPD 60Wよりも大きな電力に対応していないと最大60Wまでの給電となります。PD 60Wよりも大きな出力に対応したUSB Type-Cケーブルを用意しましょう。

 特にUSBケーブルを付属していないAC充電器などの場合、別途ケーブルを購入する際にご注意ください。ケーブル一体型充電器などはその点について特に気にしなくて良いので、ユーザーとしては使いやすいです。PCケーブルの対応等が分からない人、初めて購入する人にはケーブル一体型がおすすめです。

サンワサプライのおすすめ充電器とモバイルバッテリ