やじうまPC Watch

人間の精神力 vs. Latitude 14 Rugged Extremeの耐久性

Latitude 14 Rugged Extreme

 「Latitude 12 Rugged Extreme」(以下Latitude 12 RE)のレビューでの予告通り、“究極の耐久性”を謳い軍事用途にも使えるというデルの「Latitude 14 Rugged Extreme」(以下Latitude 14 RE)が編集部に到着した。デルがクリアしたテストは実施して良いという許可を得ているので、今回はまず環境耐性について簡単にテストしてみた結果をお届けする。

Latitude 12 REとは異なり、本体にハンドルが付いたため持ち運びしやすくなった

 各部の詳細や実際の使用感やベンチマークなどについては後日また改めてお届けしたい。

 まずは小手調べとして、26日の夜に家の風呂場に持ち込み、シャワーを壁にかけて、壁から撥ねた水がかかった状態で動作するかどうか調べてみた。

 ちなみにシャワーを直接本体にかけなかったのは、デルがクリアしたという“1時間に1平方mあたり147mmの雨量”に相当する水量を超えてしまう可能性があったため。一般的なシャワーの水量は1分当たり10Lぐらいだと思うが、これを雨量(1平方m当たりに降る雨の量)に換算すると1時間当たり600mmとなり、自然界ではあまりにも非現実的である。

 結果は当然と言えば当然なのだが、全く問題がなかった。水がキーボードに掛かっていても、キーボード誤反応などを引き起こすことがないだけでなく、液晶も感圧式のため、静電容量式とは異なりタッチが誤作動することはない。

風呂場にて、シャワーを壁にかけて撥ねた水で本体を濡らしたところ。キーボードに結構かかったが、問題なく動作した

 ただし、Latitude 14 REは以前レビューしたLatitude 12 Rugged Extremeとは異なり、タッチパネルは一般的なペンデバイスやタッチデバイスとしてではなく、マウスやタッチパッドと同じ振る舞いをする特殊なタイプだ。このためフリックによる画面スクロールや、右端から中央にフリックすると現れるチャームなどが使えない。Latitude 12 REとは異なり、コンバーチブルでタブレット形態に変形できないため、タブレットとは異なるペンの使い方を想定しているのだろう。

 翌27日、午前中にLatitude 14 REを車の後部座席に載せて出かけた。午前中は快晴で炎天下だったのだが、OSを起動して後部座席に放置したままレストランの駐車場に留め、そのまま1時間ほど食事してから戻って様子を見た。後部座席は黒のスモークフィルムが貼ってあったとは言え、太陽光は本体に直接当たり、車内も50℃近い環境であったが、Latitude 14 REはフリーズすることなく何事もなかったかのように動作した。

炎天下車内に放置してみたが、問題なく動作

 食後は、私用のため埼玉県川口市の川口駅に移動した。当日は気象庁から「一時雷雨が激しく降ることもある」と言われていたので期待したのだが、残念ながら川口駅周辺では雨の時間が短く、「お、雨が降ってきた」と気づいてLatitude 14 REを持ち出した時間にはパラパラと降る程度に収まっていた。

 雨の中、Latitude 14 REを開いて使ってみたが、当たり前のように動作した。ちなみに濡れた後本体を拭かずに、乾燥するまで液晶を閉じてそのまま放置したが、雨によるシミなども特に見られなかった。“究極の耐久性”はダテではない。

川口駅前で雨の下使ってみた。PCに雨がかかって心が痛む……ことはなく、こちらを気にする人目が痛い

 筆者はとにかく汗っかきで暑がりなので、50℃に近い車内でダラダラでしょっぱい汗を舐めながらでPCを操作するのは苦痛であった。一方、川口駅の駅前という“大都会”で雨の中、非常に目立つフォルムのLatitude 14 REを開いて操作すると、通行人は皆、横目でジロジロこちらを見てくる。“過酷の環境”では、Latitude 14 REの耐久性云々よりも人間の精神力を問われるのであった。

(劉 尭)