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M3/M4ユーザーが嫉妬する?M5版MacBook Proの“爆速SSD”がもたらす圧倒的時短効果
2025年12月26日 06:46
Appleが10月に発売したM5搭載の「14インチMacBook Pro」。最新のM5の性能がどの程度のものなのか、旧世代のプロセッサを搭載したMacを使っているなら気になるところだろう。そこでここでは、M4およびM3を採用するMacBookやMac miniなどと各種パフォーマンスを比較してみた。購入の際の参考にしてほしい。
SoCの世代はM5のほうが新しいが、コア数やメモリ帯域幅はM4 Pro、M4 Maxが上
「14インチMacBook Pro(M5)」のスペックは下表にある通り。
現在、14インチMacBook Proには、今回レビューするM5モデルのほかに、M4 ProとM4 Maxモデルがラインナップされている。プロセッサの世代はM5のほうが新しいものの、コア数やメモリ帯域幅では「Apple M4 Proチップ」「Apple M4 Maxチップ」が上回る。
また、メモリは最大128GB、ストレージは最大8TBまで選択可能と、より余裕のあるシステム構成を組める点もPro、Maxモデルの強みだ。一方で、プロセッサ性能やメモリ、ストレージ容量を除けば、ボディやディスプレイ、ポート構成などの基本スペックは共通している。必要とするパフォーマンスレベルだけを考慮して、最適なモデルを選べるわけだ。
| 【表】14インチMacBook Pro(M5)のスペック | |
|---|---|
| OS | macOS Tahoe バージョン26 |
| SoC | Apple M5(10コアCPU[高性能コア×4、高効率コア×6]、10コアGPU、Neural Accelerators、16コアNeural Engine、153GB/sのメモリ帯域幅) |
| メモリ | 16GB/24GB/32GBユニファイドメモリ(LPDDR5) |
| ストレージ | 512GB/1TB/2TB/4TB SSD |
| ディスプレイ | 14.2型液晶(3,024×1,964ドット、120Hz) |
| オーディオ | 6スピーカー(Dolby Atmos、空間オーディオ対応)、3アレイマイク |
| 通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3 |
| インターフェイス | Thunderbolt 4 3基、HDMI、SDXCメモリカードスロット、3.5mmヘッドフォンジャック、MagSafe 3充電ポート |
| カメラ | 12MPセンターフレームカメラ(デスクビュー対応) |
| バッテリ容量 | 72.4Wh |
| バッテリ駆動時間 | 最大24時間のビデオストリーミング、最大16時間のワイヤレスインターネット |
| 本体サイズ | 312.6×221.2×15.5mm |
| 重量 | 約1.55kg |
| セキュリティ | Touch ID(指紋認証センサー一体型電源ボタン) |
| カラー | シルバー、スペースブラック |
M5版MacBook Proの使い勝手は?
2023年にM3を搭載した14インチMacBook Proが登場して以降、同シリーズのデザインは基本的に踏襲されている。キーボードについても、MacBook Airや16インチMacBook Proとサイズや配列は共通。圧力を検知し、振動でクリック感を再現する「感圧タッチトラックパッド」も機能は同一で、パームレストのサイズに合わせて最大限の面積が確保されている。
キーボードのキーピッチは実測約19mm、キーストロークは実測約1mm。ストローク自体はやや浅めだが、明確なクリック感がある。トラックパッドも物理的に沈み込む構造ではないため、長期間使用してもフィーリングが変化しにくい。ThinkPadの上位モデルのように、強い打鍵を柔らかく受け止めるタイプではないものの、入力デバイスとしてはトップクラスの操作感を実現していると考えている。
一方で、個人的にどうしても気になるのが、ノッチ(切り欠き)内に配置された12MP(1,200万画素)センターフレームカメラ。高画質化のために比較的大型のカメラモジュールを搭載している可能性は高いが、UIへの影響は決して小さくはない。大型カメラを採用するのであれば、カメラ周辺のみベゼルを広げるなど、べつのデザインアプローチを検討してほしかったところである。
CPU、GPU性能以上にストレージ速度のパフォーマンス向上が顕著
最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回、M5搭載MacBook Pro(以下、M5 MBP)の比較対象機種としたのは、下記の4製品だ。
- M4搭載MacBook Air(以下、M4 MBA)※冷却ファンなし
- M4搭載iMac(以下、M4 iMac)※冷却ファンあり
- M4搭載Mac mini(以下、M4 Mac mini)※冷却ファンあり
- M3搭載MacBook Air(以下、M3 MBA)※冷却ファンなし
M4 iMac、M4 Mac miniは冷却ファンを搭載し、M4 MBA、M3 MBAは冷却ファンを装備していない。その点も踏まえて、ベンチマークスコアを見ていこう。
まずCPU性能については、M5 MBPはM4 iMacに対して、「Cinebench 2024」のCPU(Multi Core)で130%相当、CPU(Single Core)で117%相当、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreで120%相当、Single-Core Scoreで113%相当を記録している。パフォーマンスの向上率は異なるが、シングルコア性能が着実に向上しており、それがマルチコア性能により大きな形で反映されているわけだ。
次に3Dグラフィックス性能を見ていこう。M5 MBPはM4 Mac miniに対して、「Geekbench 6」のCompute(Metal)で約131%相当、Compute(OpenCL)で約129%相当、さらに「GFXBench Metal」では9項目の平均で約121%相当のスコアを記録した。なお今回のテストでは、ディスプレイ解像度やスケーリングの影響を排除して、GPUの純粋な3D描画性能を比較するため、「GFXBench Metal」では「Offscreen」テストを採用している。
これらの結果から、同一解像度、スケーリングという条件であれば、3Dゲームなどにおいてフレームレートの大幅な向上が期待できるだけの性能向上を、「Apple M5チップ」が実現していることを確認できたと言えよう。
実は最も顕著なパフォーマンス向上を確認できたのがストレージ速度だ。M5 MBPはほかの4機種の平均に対して、「Blackmagic Disk Speed Test」のWRITEで194%相当、READで222%相当、「AmorphousDiskMark」のSEQ1M QD8シーケンシャルリードで211%相当、SEQ1M QD8シーケンシャルライトで208%相当という圧倒的な速度差を叩き出している。
これだけの速度向上はコントローラの進化だけでは達成しえない。AppleはSSDのPCIe世代やレーン数を公表していないが、実測値を見る限り、M5 MBPはPCI Gen4 x4クラスに近い帯域が確保されたと考えられる。
最後に、実際のアプリケーションにおける実作業時間を比較してみた。Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出したところ、M5 MBPは、M4搭載Macの平均と比べて約87%、M3 MBAと比べて約72%に相当する処理時間となる、2分6秒93で書き出しを完了した。
ベンチマークソフトで確認された性能向上は、Adobe Premiere Pro CCにおける実作業時間にも確実に反映されている。トラック数が多く、かつ尺の長い動画を編集する際には、M5 MBPの高いパフォーマンスをより強く実感できることだろう。
一般クリエイターにとっては十分すぎる処理能力を備えた1台
「14インチMacBook Pro(M5)」は「Apple M5チップ」搭載により、CPU、GPU性能の着実な底上げに加え、ストレージ速度の大幅な向上を確認できた。CPU性能は動画書き出しや長尺編集で処理時間を短縮し、GPU性能は3D描画や高解像度表示時に恩恵を受けられる。
また、比較対象機種の平均と比べて約2倍に高速化したストレージは、大容量データの読み込みやキャッシュアクセスが頻発する動画編集、RAW画像の現像、複数アプリの同時使用において大きな効果を発揮する。
もちろんM4 Pro、M4 Max搭載モデルなどのパフォーマンスには届かないものの、M5のMacBook Proは少なくとも一般クリエイターにとっては十分すぎる処理能力を備えた1台と言えよう。




































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