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高血圧不安ニキこそ持つべき。Apple Watchの「高血圧パターンの通知」は生活習慣病予防の救世主か?
2025年12月26日 06:26
健康管理に関するさまざまな情報を得ることができるスマートウォッチだが、その中でもここ最近注目されているのは、Apple Watchの「高血圧パターンの通知」ではないだろうか。これは2025年のApple Watch新機種、「Apple Watch Series 11」の目玉機能の1つとして提供されたもので、日本でも2025年12月4日から利用可能となっている。
日本人は塩分摂取が多いので、高血圧を心配する人が多い傾向にあると聞く。筆者もすでに50歳を過ぎており血圧が気になる年頃であるし、周辺の人達からも血圧を心配する声が少なからず聞かれるというのが正直なところだ。
それだけに、高血圧パターンの通知機能が提供されて以降、対応するApple Watchへの関心も高まっているようだが、実際のところApple Watchには生活習慣病を未然に防ぐのに役立つ機能がどれだけ備わっているのだろうか。改めて確認してみよう。
高血圧パターンの通知
Apple Watchに搭載されている各種機能を見ていこう。
まずは冒頭で触れた高血圧パターンの通知だが、これはApple Watchの光学式心拍センサーで収集したデータを分析し、高血圧のパターンが検知されたらその旨を通知してくれる機能である。あくまで高血圧の兆候を知るものなので、血圧を測定するわけでもなければ、高血圧と診断するものでもないことは知っておく必要がある。
対象は22歳以上で妊娠していないこと、そして高血圧と診断されたことがない人とされており、すでに高血圧だという人向けの機能でもないことに注意が必要だろう。ただ基本的にはApple Watchを装着し、普段通り生活していて問題があればその兆候を通知してくれるだけに、血圧が心配という人に役立つ機能であることは間違いない。
高血圧パターンの通知はiPhoneの「ヘルスケア」アプリから、「ヘルスケアチェックリスト」で通知をオンにすることで使用可能となる。ただし装着すればすぐ通知してくれるわけではなく、分析には30日間データを取得する必要があることから、少なくとも1カ月はApple Watchを装着して生活している必要がある。
なおこの機能、実は新機種だけでしか使えないというわけではなく、watchOSのアップデートにより「Apple Watch Series 9」以降、そして「Apple Watch Ultra 2」以降でも利用可能だ。対象機種を持っている人は無理に買い替える必要がないことも覚えておきたい。
心電図と不規則な心拍の通知
2021年から対応した「心電図」と「不規則な心拍の通知」も、脳梗塞にもつながる不整脈の一種、心房細動が起きているかどうかを知る上で重要な機能だ。
これら機能を日本で正式に提供するには、厚生労働省から管理医療機器としての承認を受ける必要があることから、日本で対応するスマートウォッチは数が少ない。だがApple Watchはその承認を得ており、心電図は「Apple Watch Series 4」以降、不規則な心拍の通知は「Apple Watch Series 3」であれば利用できる。
心電図の測定はApple Watch上から心電図アプリを起動し、Apple Watchを装着しているのとは反対側の手の指をデジタルクラウンの上に乗せ、30秒待てばよい。測定した結果はiPhoneのヘルスケアアプリにも保存され、PDFに書き出して医師に見せることも可能なので、問題が生じた時は大いに活用するのがいいだろう。
また不規則な心拍の通知は、心房細動の兆候を知るための機能であり、高血圧パターンの通知と同様に光学式心拍センサーを用いて心房細動の兆候がないかを測定し、不規則な心拍リズムを検出すると通知する仕組みだ。かかる時間は最低で65分以上とされているため、問題があった場合は高血圧パターンの通知より早く通知が届くものと考えられる。
睡眠時無呼吸の通知
寝ている間に無呼吸状態が繰り返される睡眠時無呼吸症候群も、生活習慣病につながる疾患の1つだ。Apple Watchではこの睡眠時無呼吸症候群の兆候も検知し、通知してくれる機能が備わっている。
こちらはApple Watchの加速度センサーを用いて睡眠時の呼吸の乱れを検出する仕組みで、高血圧パターンの通知と同様、通知までにかかる日数は30日。その間呼吸の乱れが一貫して「高い」と評価されると、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるという通知が届く仕組みとなっている。
そしてこちらもあくまで睡眠時無呼吸の可能性を示す機能に過ぎず、具体的な診断をするものではないことから、通知が届いたら医師の診察を受けるのがいいだろう。なお対応機種はApple Watch Series 9以降、Apple Watch Ultra 2以降、そして「Apple Watch SE 3」となっている。
心肺機能の通知
もう1つ、生活習慣病に関連しそうな機能が「心肺機能の通知」である。これは最大酸素摂取量(VO2 max)、要は体に取り込むことができる酸素の最大量を測定し、心肺機能のレベルが低いときに通知してくれる機能。Apple Watch Series 3以降で利用可能だ。
VO2 maxの測定自体は、主にワークアウトのパフォーマンス向上につなげるためのものなのだが、Apple Watchでは低いワークアウトでもVO2 maxを測定することが可能だ。そしてVO2 maxが低い、つまり心肺機能のレベルが低いままだと、いずれ心臓病、高血圧、肥満などの重大な疾患を患うリスクが生じることから、通知によりそれを未然に防ぐのがこの機能の目的と言えるだろう。
ただこの機能を利用するには、Apple Watchを少なくとも24時間着用し、その後「屋外ウォーキング」「屋外ランニング」または「ハイキング」のワークアウトを数回実施する必要があり、ほかの機能と比べると利用にはややハードルがある。もっとも通勤・通学時などに徒歩が多いという人であれば、自動的に屋外のウォーキングのワークアウトを検出することも多いと思われるので、それを活用すれば無理なく測定ができるのではないだろうか。
Apple Watch以外の対応状況は?
ほかにも日々の体調変化を可視化できる「バイタル」や、睡眠の質を測ることができる「睡眠スコア」など、Apple Watchを使うことで生活習慣病を予防する、日常的な健康管理が可能となっている。毎日装着して日常的にそれらを確認するだけでも、健康意識が高まり生活習慣病の予防につながる可能性もありそうだ。
ただこれら機能をすべて利用できるのは、あくまでApple Watchシリーズのみ。そしてApple WatchはiPhoneユーザーしか利用できないので、Androidスマホ利用者には縁のない話となってしまう。
では、Androidスマホでも利用可能なスマートウォッチで、生活習慣病(成人病)予防につながる機能はどの程度搭載されているのだろうか。代表的なところで「Wear OS by Google」を搭載した「Pixel Watch」シリーズを挙げると、高血圧パターンの通知や睡眠時無呼吸の通知などはさすがに備わっていないが、心電図の測定機能は「Pixel Watch 2」シリーズ以降で利用可能だ。
ほかにもHuaweiであれば「HUAWEI WATCH GT 5 Pro」「HUAWEI WATCH GT 6 Pro」や「HUAWEI WATCH FIT 4 Pro」など、Garminであれば「fenix 8」や「Venu 3」など、中~高価格帯を中心に心電図測定に対応している。
一方で、Pixel Watchと同じOSを搭載する「Galaxy Watch」シリーズは、心電図測定機能自体を備えている機種がいくつかあるものの、日本で認可を取っておらず使うことができない。ただし本体のセンサーを活用した体組成や抗酸化指数の測定など、ほかのスマートウォッチにはない独自の測定機能が備わっていることから、生活習慣病予防よりさらに一歩手前の健康管理に重きを置くならメリットが大きい。
また血圧に関して言うならば、オムロンの「HCR-6900T-M」やHuaweiの「HUAWEI WATCH D2」のように、本体にカフを備え血圧測定ができてしまうスマートウォッチも、実は存在していたりする。本格的な血圧測定を手軽にしたいという人は、これらを利用するのもいいのではないだろうか。































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