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iPhone 17かPixel 10で迷ってる?どちらが優秀か比べてみた結果……
2025年12月22日 09:30
現在市販されている代表的なスマホを挙げろと言われた場合、真っ先に名前が挙がるのは国内シェアが数十%にも達すると言われるiPhone、そしてもう1つ、Android陣営では伸長率が昨年時点で前年対比500%を超えたGoogleのPixelシリーズになるだろう。
単に高性能かつエッジの立ったスマホであればほかにも候補は多数あるが、国内で一定のシェアがあり、かつラインナップが豊富という点では、この2つのシリーズは標準的な選択肢と言っていい。
今回はこのiPhoneとPixel、両者のフラグシップモデル2製品について、主にハードウェア面での相違点をチェックしてみた。下位を含めたシリーズ全モデルに共通する普遍的な機能というわけではないが、ハードの到達点を知るに当たっては1つの目安となるはず。製品選びの参考にしていただければ幸いだ。
【外観】iPhoneはデザインを変更。完成度はPixelが上か
まずはサイズや重量といった外観まわりを見ていこう。画面サイズはiPhoneが6.9型、Pixelが6.8型とほぼ同等。ボディの表面積も、iPhoneが78.0x163.4mm、Pixelが77.6x163mmと差はわずかだ。さらに重量についても、iPhoneが233g、Pixelが232gと、誤差レベルの違いしかない。
実際に手に持つと差を感じるのが厚みで、iPhoneが8.75mm、Pixelが8.5mmと、数値上はわずかな差なのだが、iPhoneはPixelよりも厚ぼったく感じられる。背面から側面にかけての丸みを帯びたデザインがそう感じさせるのだろうが、そもそも現行モデルは3世代前のiPhone 14 Pro Maxより0.9mm厚くなっているなど、世代を重ねるごとに厚みが増しているので、機種変更前に使っていたモデルが古いほど、厚みの差を感じやすいだろう。
また、iPhoneは今回のモデルで背面デザインが大きく刷新されたが、カメラレンズのある左側だけが出っ張っている点は変わっておらず、平らなテーブルに置くとわずかに傾いた状態になる。ぴったり安定して接地するPixelと違ってその状態でタッチ操作を行なうとガタつきが生じやすく、神経質な人は気になるかもしれない。
【解像度や明るさ】機種選びに影響を与えるような差はない
画面の見やすさについてはどうだろうか。解像度はiPhoneが460ppi、Pixelが486ppiとほぼ横並び。スマホとして両者ともに高い水準にあり、どちらを選んでも不満を感じることはないだろう。
明るさはiPhoneが最大1,000cd/平方m(標準)、ピーク時1,600cd/平方m(HDR)/3,000cd/平方m(屋外)で、Pixelは最大2,200cd/平方m(HDR)、ピーク時3,300cd/平方mとなっており、スペック上はPixelのほうが明るい。スライダを100%まで引き上げて見比べても、Pixelのほうが目を刺すような光の強さを感じる。
一方でコントラスト比はどちらも2,000,000:1と横並びのはずなのだが、直射日光下では、Pixelのほうが黒が引き締まって見える傾向がある。このほかリフレッシュレートは両者ともに120Hzで、ほとんど違いらしい違いはない。
以上のように両者とも高いレベルで拮抗しており、ポテンシャルの高さではPixel、自動調整周りのチューニングではiPhoneに軍配が上がる印象だ。いずれの場合も、機種選びに影響を与えるような差はないと考えてよいだろう。
【カメラ】光学ではほぼ同等、Pixelのデジタルズームは癖あり
続いてカメラについて見ていこう。超広角と広角、望遠という3つのレンズを搭載しているのは両者共通だが、大きく異なるポイントが2つある。1つは標準のズーム倍率で、iPhoneは0.5/1/2/4/8倍、Pixelは0.5/1/2/5/10倍で、両者ともに0.5~2倍までは共通ながら、それ以上の倍率になると違いがある。
もっとも多くの人にとって、日常利用するズーム倍率は0.5~2倍がほとんどのはずで、両者ともにこの範囲をきちんと押さえているのは安心感がある。かつてのiPhone 13 Pro Maxのように、望遠2倍がない代わりに3倍が搭載されていたり、Pixelが0.7倍を超広角と言い張っていた頃に比べると、ずいぶんこなれて使いやすくなった印象だ。
一方で気になるのはデジタルズームの最高倍率で、iPhoneは40倍、Pixelは100倍となっている。このうちPixelについては「超解像ズーム Pro」という名前が付けられており、AI処理を組み合わせることで、遠くからも驚くほど鮮明な撮影が可能なことが特徴だ。
もっともこの「超解像ズーム Pro」はかなり癖があり、光学ズームと見紛うほどの高いクオリティで仕上がることもあれば、存在しないディティールを盛り込んでくることもある。中でも遠景に文字が映り込んでいる時はこの症状が発生しやすい。ディスプレイに表示した小さな文字を数m離れて撮れば、比較的簡単に症状を再現できる。
これについては「このような特性がある」と知っておけば実害はあまりないのだが、遠くの文字が見えない時に、スマホのズーム機能で写真を撮ってそれを読み取るという双眼鏡的なワザが使えないのは、一部の人にはマイナスになるだろう。生成AIが知ったかぶりで回答をでっち上げるのに近いこの現象、ユーザーの側もそのつもりで利用すべきだろう。
【充電】ともに高速化。PixelはQi2 25Wのワイヤレス充電にも対応
続いて充電周りのスペックについて見ていこう。まず有線(USB Type-C)での充電については、従来はピーク時で30W未満だったが、今回の2製品を計測したところ、iPhoneはピーク時最大38W前後、Pixelは最大32W前後と、従来より高速な充電が可能になっている。
以前のレビューで、USB PD対応の充電器を購入する場合、30Wではなく、余裕を持って最大45Wの充電器を調達するのがベターと述べたが、その通りになった格好だ。今後も新モデルのたびにこうした高速化にまつわる話題が繰り返されることになるだろう。
また、両製品ともワイヤレス充電にも対応しているが、Pixelは新たにQi2規格に対応し、MagSafeと同じく、磁力で吸着しての充電をサポートするようになった。中でもPixel 10 Pro XLは上位規格であるQi2 25Wに対応するなど、下位モデルに比べるとより高速だ。
実際にQi2 25Wに対応したAppleの新しいMagSafe充電器を用意して試したところ、iPhoneは28W前後、Pixelは18W前後という結果になった。ワイヤレス充電は一般的に有線と比べて速度が安定しないため、これらの値があくまでもピーク値である点は差し引く必要があるが、一昔前の有線に匹敵する速度が出ているのは注目に値する。
ちなみに従来のQi互換のApple製MagSafe充電器だと、iPhoneは11W前後、Pixelは7W前後と、速度は2分の1~3分の1程度まで落ちてしまう。今回の実験では発生しなかったが、Pixel×Qi充電器の組み合わせは充電自体の停止など不具合と思しき現象も報告されているので、最新のQi2 25Wに対応した充電器を新たに調達することをおすすめする。
【USBポート】両者ともにディスプレイ出力に対応
充電以外のUSBポートの仕様について見ていこう。データの転送速度は、iPhoneは最大10Gbps、PixelはUSB 3.2となっており、具体的な速度は非公開。今回は検証を行なっていないが、海外では(5Gbpsではなく)10Gbps相当だったとの報告がいくつか上がっており、これが事実ならばiPhoneとPixelの差はないことになる。
また、外部ディスプレイの出力については、iPhoneは「Apple TV 4K」、Pixelは「Chromecast with Google TV」などのデバイスを用意することでワイヤレスでの出力が行なえるほか、USBケーブルを用いることでDisplayPort Alt Mode対応のディスプレイへの接続が行なえる。かつてはPixelは有線出力には非対応だったが、Pixel 8の追加アップデートで対応を果たし、本製品にもその仕様が受け継がれている。
この有線での外部出力、できるのはあくまでもミラーリングだけで、Androidの一部製品に実装されているデスクトップモードに相当する機能は用意されておらず、また画面の向きと連動するかどうかはアプリ次第だが、別途デバイスを必要とするワイヤレスでの出力だけでなく、ケーブル1本あれば表示可能な有線出力と使い分けられるのは便利だ。
【ベンチマーク】iPhoneが圧勝。ゲームではPixel非対応も
ベンチマークについても見ていこう。複数のベンチマークアプリで比較をすると、スコアはiPhoneのほうが明らかに高い。iOSとAndroidの違いもあるので一概には言えない、とはよく言われるが、従来モデルと比べてiPhoneがスコアを伸ばしている一方で、Pixelは従来モデルよりGPUまわりのスコアが低下しているのが気になるところだ。
ちなみにゲームでは「原神」のように、動作にPowerVR系以外のGPUが必須であることから、Pixel 10シリーズはサポート対象外となっている場合もある。今回試した限りでは特に問題なくインストールも行なえ、基本プレイでもカクつきなどの不具合は出なかったが、起動に失敗したり、画面がフリーズするなどの不具合も、海外ではいくつか報告されている。
また、実際のプレイ時も、iPhoneであればリフレッシュレート120Hzまで選択可能なところ、Pixelは60Hzまでしか選択できないなど、GPU性能が影響していると見られる箇所も少なからずある。Pixelに搭載されているTensor G5は同社独自のSoCであり、今後サポートするかはサードパーティに委ねられているだけに、購入目的の1つにゲームがあるのならば、見送るのが賢明かもしれない。
【バッテリの持続時間】さらに長寿命化したiPhoneが優勢
バッテリの持続時間はどうだろうか。今回は、ローカルに保存した約1分のフルHD動画をリピート再生し、12時間後にバッテリ残量が100%からどこまで減っているかをチェックした。画面の明るさは最大、音量は0、明るさなどの自動調整機能や画面ロックはオフにして計測している。
結論から言うと、iPhoneは12時間後もバッテリが41%も残っていたのに対して、Pixelは残り4%と、かなり極端な消耗が見られた。実験をあと数十分続けていれば、バッテリが底をついてシャットダウンしていただろう。
元々の公称時間はiPhoneは「39時間」、Pixelが「30時間」であることを考えると、今回の実験ではやや極端な差がついた格好だが、今回のiPhone自体、歴代モデルの中でもバッテリ駆動時間は最長とあって、ロングライフなのは納得だ。途中充電なしで長時間使えるスマホを探しているユーザーにとっては、絶好の選択肢と言ってよいだろう。
【番外編】AirDropとQuickShareの相互運用が可能に
ハードウェアの比較は以上の通りなのだが、最後にもう1つ、先日Pixel 10シリーズに新たに追加された、iOSなどのファイル共有ツール「AirDrop」との送受信機能について触れておこう。
この機能、発端はAirDropが今春のアップデートで相互通信を見据えたプロトコルを導入したことで(EUの規制が関連していると言われる)、Googleがそれを用いてAndroidのファイル共有ツール「QuickShare」に相互通信機能を実装。それが今回いち早くPixel 10シリーズに搭載されたという流れのようだ。いずれにせよこれまで不可能と思われていたAirDropとQuickShareの相互運用が可能になったのは画期的だ。
今回の両製品で試したところ、実際に双方向での送信が行なえることを確認した。ただしiPhoneが受信側の場合、共有範囲を一時的に「全員」にしなければ、Pixel側で検出が行なえない。またPixelが受信側の場合は、Pixel側であらかじめ「受信」を選択して待機画面にしておかなくては、iPhone側で検出できないようだ。
このあたり、悪戯対策も含めて、何もせずにいきなり相手にファイルを送りつけることはできない仕組みへと変化してきており、それを解除するのに一手間かかるのはやむを得ない。ともあれ現時点でAirDropとの互換性があるのはAndroidスマホの中ではPixel 10シリーズのみであり、iPhoneとやり取りする機会が多く、かつAndroidでなくてはならないという条件でスマホを選ぶのであれば、Pixel 10は有力な候補となるはずだ。



















































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