やじうまPC Watch

超堅牢PC「Latitude 14 Rugged Extreme」を落としまくってみた

Latitude 14 Rugged Extreme

 先日、デルの14型高耐久ノートPC「Latitude 14 Rugged Extreme」(以下Latitude 14 RE)を雨の中で使ってみたり、炎天下の車内に放置してみたりしたレポートをお届けしたが、今回は耐衝撃性を見るために、日常で起こりうるシーンを想定して落としてみることにした。

 デルとしては、非動作時でなおかつ液晶が閉じた状態では、高さ1.83mからの落下、そして動作時で液晶が開いた状態でも91cmからの落下に耐えうるとしている。しかしよくテスト条件を見ると、「コンクリートの上に厚み2インチの木の板を敷き、その上に落とした結果」となっている。

 もちろんこのテスト条件であれば、落としても良いと事前に許可は得ているのだが、さすがに厚み2インチの木の板はすぐに用意できないし、そもそも実用時に2インチの木の板の上にPCが落ちる、なんというのは現実味が薄い。というわけで、実用で考えうる落下を想定してテストしてみることにした。

 まずは落下時に本体がどう衝撃を吸収しているのかのを見るために、iPhoneで120fpsで動画を撮影、その後0.24倍の速度(約4分の1)で再生するよう編集した。落とした高さは約1m前後で、床は一般的な日本のオフィスでよくある、金属板の上にカーペットを敷き詰めたものである。

【動画】Latitude 14 Rugged Extremeの落下をスローモーションで

 当たり前の結果ではあるのだが、平面に落ちるとまずは四隅のウルトラポリマーが衝撃を吸収し、本体がその反動で跳ね上がる。その後、ほかの方向に倒れても、四隅のウルトラポリマーが衝撃を吸収し、本体へのダメージを抑える。

 ウルトラポリマーで囲まれた筐体も、非常に硬質なマグネシウム合金でできているため、落下の衝撃でたわんでしまうようなことがない。少なくとも120fpsのスローモーションではそのような現象は見られない。メインストリームのPCで一般的なプラスチックボディの筐体では達成できない領域だ。

 挙動が分かったところで、実用を想定した落下シーンをいくつか再現してみることにした。まずは膝の上に乗せてPCを操作し、携帯電話の着信に反応してすぐ立ち上がり、そのまま膝から落ちるというシチュエーション。そのようなおっちょこちょいなビジネスマンはまずいないと思うが、Latitude 14 REが使われるような戦地において、銃撃音が聞こえてきたらすぐに立ち上がって回避行動をする、といったことはあるかも知れない。

【動画】動作時、膝の上から落下

 続いて、本体にハンドルが付いているので、そのまま持ち運ぶ使い方も生まれると思うが、なんらかの拍子で物にぶつけて落としてしまうかも知れない、というシーンを想定してみた。

【動画】ハンドルを持って移動時、障害物に当って落下

 最後に、脇に挟んで別のものを取ろうとした時に落としてしまった、というシーンを想定。なんせ本体が重いので、脇の力の入れ具合によっては発生しうるシチュエーションだろう。

【動画】本体を脇に挟んだが落下

 結果は、当然と言えば当然なのだが、動作にまったく影響がなかった。というか、傷1つ付かないタフさは、さすがである。ちなみに掲載した動画4つだけだが、シチュエーションを考えたり、納得行くまで撮影を行なったりと、20回ぐらいは落としている。正直、PCを落とすのは気が引ける。

 テスト後、結果をデルの広報に伝えたのだが「膝の上に乗せてそのまま床に落下なんて全然甘いです」とのコメントを頂いた。筐体が傷だらけでボロボロになっても動作するそうだ。もちろん、編集部としてはもっと過酷なテストを行ないたいところだが、実用にそぐわないテストを行なっても単純に破壊行為となるだけだ。PCは一応精密機器である。「PCの頭脳はインテル入ってる。でもあなたの頭脳は筋肉ですね」と言われないよう、扱いには十分注意したいところである。

20回ほど落下したが、動作にまったく影響はない

(劉 尭)