やじうまPC Watch

45年前に10MB HDD/8インチFDDの世界初日本語ワープロが発表された「ワープロ記念日」

JW-10(Photo by Dddeco, Edited by wtnv, CC-BY-SA 3.0)

 1978年9月26日、つまりこの記事を書いている45年前の今日は、東京芝浦電気(現在の株式会社東芝)が世界初の日本語入力ワードプロセッサ(ワープロ)「JW-10」を発表した日だ。

 JW-10は世界初の日本語ワープロで、大卒初任給が当時10万円の時代で630万円という超高価な価格のマシンだった。サイズは事務机ほど、重量は220kg。文章の伝送機能はなく、10MBの内蔵HDDで200ページ分(40字×40行)、8インチフロッピーディスクを使用した場合で60ページ分の保存ができた。

 日本語は、英語にはない「漢字」と「かな」の併用で文章が構成されることから、文章を入力し変換することは技術的に困難を極めたという。この問題に対し、JW-10では、日本語独特の構文解析、文節の形態素解析を機能に取り込み、普通単語5万4,000語、固有名詞8,000語をあらかじめ辞書に登録することなどで変換精度を飛躍的に向上させた。

 それらの技術により、文章の前後関係から適切な変換語を自動的に判断させることにも成功。今日のPCやスマートフォンでの日本語入力にも「かな変換方式」が採用されるなど、同製品の先見性がうかがい知れる。

 同製品を手がけた東芝総合研究所(当時)の森健一氏は「近い将来の伝送対応と小型軽量化」を当時も主張していたという。日本語ワープロ開発時のミッションは「場所を問わずに手書きより迅速な入力を実現する」ということで、これは今日のPCやスマートフォンで実現されている。