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Radeon Pro W5700のUSB機能はGPUが提供、データ転送も可能
2019年11月22日 12:39
米AMDは19日(現地時間)に、ワークステーション向けビデオカード「Radeon Pro W5700」を発表したが、「USB Type-Cも装備する」の一文を見て、ふと気がついた読者はなかなか鋭い。Radeonのデスクトップ向けビデオカードとして、はじめてUSB Type-Cを装備するからだ。
気になるのは、このUSB Type-Cは「何に使えるのか」という点だろう。競合のNVIDIAのGeForce RTXシリーズでもUSB Type-Cを装備しているが、これはGPU(GeForce)自体が10Gbps対応のUSB 3.1コントローラを内包しているからで、ディスプレイ出力のほかにデータ転送も可能、さらに27WのUSB PD出力(3A/9V)もサポートすることが明らかになっている。おもな想定使用用途は、VRヘッドマウントディスプレイの接続だ(VirtualLink)。
一方Radeonは、コンシューマ向け最新モデルのRadeon RX 5700シリーズにもUSB Type-Cを装備していないため、同じRDNAアーキテクチャのRadeon Pro W5700でいきなり搭載するというのは唐突な流れに思える。GPU側にUSBコントローラがないなら、わざわざブリッジチップとサードパーティのチップを搭載して機能を実現していると予測できるからだ。
そこで広報に仕様を確認してみたところ、なんとGPU自体にUSBコントローラの機能が内蔵されており、それを使用していることが明らかになった。通常のUSBポートと完全な互換性を維持しており、データ転送はもちろんのこと、DisplayPort Alternate Mode、Power Deliveryの機能も実装しているのだという。
なお、USBのリビジョン(転送速度)およびPD出力のワット数などは明らかにしていないが、USB HDDをつなげてデータ転送をしたり、スマートフォンをつなげて充電するなどが行なえる。
GPUにコントローラを内包しているのにも関わらず、Radeon RX 5700シリーズで有効化されなかったのは、製品投入を急いだことでUSB Type-Cの検証が済んでいなかった、あるいはコンシューマには不要だと判断した可能性があると言えるだろう。