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IBM、宝石や貴金属の証明にブロックチェーンを応用

 IBMは26日(米国時間)、ブロックチェーン技術を用い、流通する宝石や貴金属に「証明書」を割り当てる取り組み「Trust Chain」を発表した。業界各社との連携によって実現した今回の取り組みにより、宝石や貴金属の産地や品質といった情報を即時に参照することが可能となる。

 この取組みに参画している企業は、金などの延べ棒を製造するAsahi Refiningや、LeachGarner、ジュエリー小売りのHelzberg Diamondsなど。産地や加工法、鑑定の結果などの情報を、業種横断的にIBMのブロックチェーン・プラットフォーム上に記録する仕組みだ。

 すでに同プラットフォームは金の指輪と6種のダイヤモンドについて採取・加工・製造過程についての完全な追跡が可能になっているとしており、今後も拡大を図る。

 金やダイヤモンドといった鉱物はいうまでもないが、タングステンといった希少鉱物はその流通の過程でさまざまな主体の手が加わる。高価であるがゆえに、紛争地域などで非合法的に採掘される場合もある。

 武装勢力の資金源とされているものは特に「コンフリクト・ミネラル(紛争鉱物)」などと呼ばれており、紛争や暴力を助長しないために半導体・電子機器メーカーも「責任ある調達」に力をいれている。しかし、複数の主体が流通に関与しているために、コンフリクト・ミネラルの識別は難しいという背景があった。

 そのため、単にカットやカラットといった品質や真正性だけでなく、産地や流通の過程といった情報を中立的に記載・参照できるブロックチェーン技術が好適であり、今後も応用が進むと考えられる。

一例として、Intelもコンフリクト・フリーに取り組んでいる