イベントレポート
NVIDIAのDGX Spark、DGX Stationが多数展示
2025年5月23日 10:08
NVIDIAはCOMPUTEX TAIPEI 2025において、CEOのジェンスン・フアン氏が自社の基調講演を含む3つの基調講演に参加し、講演の中で新製品や技術などを発表して注目を集めた。
COMPUTEXの展示会場にブースを出してはいないものの、展示会場に隣接するホテルで「GTC台北」という、例年3月に米国カリフォルニア州サンノゼで開催しているGTCの台湾版を開催しており、そこで製品を展示している。
この中でNVIDIAは、AI開発者向けのミニPCとなる「DGX Spark」、ワークステーションとなる「DGX Station」の実機を展示した。特に、DGX Sparkに関してはNVIDIAブランドの製品だけでなく、OEMメーカー製の製品も展示された注目を集めた。
7月に販売開始が計画されているDGX Spark、今回はOEMメーカー版が展示される
NVIDIAのDGX Sparkは、「NVIDIA GB10 Grace Blackwell Superchip」(以下GB10)をプロセッサとして採用したミニPC。当初からLinux ベースのOS(DGX OS)やNVIDIAのAI開発ソフトウェアなどがプリロードされ、ソフトウェア的にはAIデータセンター向けGPU(BlackwellやHopper)と同じソフトウェアを走らせることができる開発者向けの製品となる。
GB10は、MediaTekが開発したArmプロセッサ(Cortex-X295×10、Cortex-X725×10)の20コアCPUと、NVIDIAのBlackwell世代GPU(1,000TOPS、FP4/スパース)を搭載している。また、128GBのLPDDR5メモリ、1TBないしは4TBのSSDというスペックになっている。
このDGX SparkはNVIDIAブランドでも販売される計画だが、OEMメーカーからも販売される予定で、3月にサンノゼで開催されたGTCではASUS、Dell、HP、Lenovoの4社からの提供が明らかにされたが、今回のCOMPUTEX 2025ではそれに加えてAcer、GIGABYTE、MSの3社からも提供が開始されることが明らかにされた。
GTC台北ではそれらの製品展示を行ない、7月からの提供開始であることを再度アピールした。展示されたのはAcer、ASUS、Dell、GIGABYTE、HP、Lenovo 、MSIの各社製品で、ぱっと見での違いは外装だけだった。内部構造などは見えなかったので、内部に違いがあるかはまだ不明だ。
ASUS、GIGABYTE、MSI、Supermicroと4社のDGX Stationが展示される
DGX Stationは、いわゆるミニタワーのケースに、NVIDIA GB300 Grace Blackwell Ultra Desktop Superchipと呼ばれるGB300(288GB/HBM3e)のGPUと、Grace CPU(72コア、Neoverse V2、496GB/LPDDR5X)を搭載したマザーボードを搭載したワークステーションPC。
やはりLinuxベースのDGX OSやNVIDIAのAI開発ソフトウェアなどがプリロードされており、AIデータセンター向けのソフトウェアを開発することが可能になっている。
DGX StationはOEMメーカーからの提供のみとなる。今回のGTC台北ではSupermicro、ASUS、MSI、GIGABYTEなどの台湾系OEMメーカーの製品が展示されていた。DGX Stationは今年(2025年)の末までに提供開始される予定だ。