イベントレポート
Core Ultraシリーズ2のHX、H、U、Sの追加SKU発表。フルラインアップが完成
2025年1月6日 23:00
Intelは、CESの開幕前日(1月6日、現地時間)の午前中に記者会見を開催し、同社の新製品などを発表する。それに先だって報道発表が行なわれ、CESで発表される同社の新製品が発表された。
発表されたのは、Core Ultraシリーズ2のノートPC向けとなるHXシリーズ、Hシリーズ、Uシリーズという3つの新しいモデルと、デスクトップPC向けのSシリーズのうちの倍率ロック版SKU。9月に発表されたVシリーズ、10月に発表されたK付き(倍率アンロック)のSシリーズと合わせて、Core Ultraシリーズ2のフルラインアップが完成した。
昨年(2024年)発表された200Sに追加SKU、ゲーミングノート向けの200HXが発表される
Intelは昨年の9月にCore Ultraシリーズ2の最初の製品となるCore Ultra 200Vを発表した。Core Ultra 200Vは開発コードネーム「Lunar Lake」で知られる製品で、パッケージ上にメモリが搭載されている「MoP(Memory on Package)」が特徴で、その容量は32GBないしは16GBだった。
その後、10月にはデスクトップPC向けのCore Ultra 200Sを発表した。開発コードネームでArrow Lake-Sで知られる製品で、K SKUと呼ばれるゲーミングPC向けCPUで、最大クロック倍率がロックされていないバージョンがまず発売された。
Sシリーズ | HXシリーズ | Hシリーズ | Vシリーズ | Uシリーズ | |
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シリーズ名 | Core Ultra 200S | Core Ultra 200HX | Core Ultra 200H | Core Ultra 200V | Core Ultra 200U |
チップセット | Intel 800シリーズ・チップセット | Intel 800シリーズ・チップセット | - | - | - |
ターゲットフォームファクタ | デスクトップPC | ゲーミングノート | ゲーミング/コンテンツクリエーション | プレミアム薄型ノートPC | 薄型ノートPC |
開発コードネーム | Arrow Lake-S | Arrow Lake-HX | Arrow Lake-H | Lunar Lake | Arrow Lake-U |
CPUコア数 | 最大24コア(8P+16E) | 最大24コア(8P+16E) | 最大16コア(6P+8E+2LPE) | 最大8コア(4P+4LPE) | 最大12コア(2P+8E+2LPE) |
内蔵GPU | Intel Graphics(Xe) | Intel Graphics(Xe) | Arc(Xe with XMX) | Arc(Xe2) | Intel Graphics(Xe) |
dGPU用PCIe | PCIe 5.0 x16 | PCIe 5.0 x16 | PCIe 5.0 x8 | - | PCIe 5.0 x8 |
NPU | 第3世代(13TOPS) | 第3世代(13TOPS) | 第3世代(11TOPS) | 第4世代(48TOPS) | 第3世代(11TOPS) |
プロセッサベース電力(PBP) | 125W/65W/35W | 55W | 45/28W | 30/17W | 15W |
今回のCESで発表されたのは、そうしたSシリーズの通常SKUのデスクトップPC向け製品と、ゲーミングノートPC向けのHXシリーズ、ゲーミングないしはコンテンツクリエーション向けとなるHシリーズ、さらには薄型ノートPC向けとなるUシリーズで、いずれもArrow Lakeの開発コードネームを冠している。
Core Ultra 200Sのデスクトップ向けの通常版では、PBP(Processor Base Power、いわゆるTDPのこと)が65W(無印)、35W(T SKU)といった、低めに設定されている製品が追加されている。
Core Ultra 200HXと呼ばれるHXシリーズ(Arrow Lake-HX)は、PBP(プロセッサーベースパワー、いわゆるTDPのこと)が55Wと、ゲーミングノートPCなど大型のノートPCをターゲットにした製品となる。基本的にはCore Ultra 200Sと同じダイで、ノートPC用に消費電力を下げた。このため、SoCとチップセット(Intel 800シリーズ・チップセット)を組み合わせて利用する形になる。
CPUの構成は、6基のPコア(Lion Lake)と16基のEコア(Skymont)が最大構成になり、SKUによってはコアをいくつかを制限した形になる。GPUは、XeアーキテクチャのIntel Graphicsとなるが、PCI Express 5.0の16レーンが用意されており、NVIDIAやAMDのdGPUを接続して利用できる。
コア数(Pコア+Eコア) | LLC | Pコア最大 | Pコアベース | GPU | GPU最大クロック | メモリ | 最大容量 | PBP | |
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Core Ultra 9 285HX | 24(8+16) | 36MB | 5.5GHz | 2.8GHz | Intel Graphics | 2GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 55W |
Core Ultra 9 275HX | 24(8+16) | 36MB | 5.4GHz | 2.7GHz | Intel Graphics | 1.9GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 55W |
Core Ultra 7 265HX | 20(8+12) | 30MB | 5.3GHz | 2.6GHz | Intel Graphics | 1.9GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 55W |
Core Ultra 7 255HX | 20(8+12) | 30MB | 5.2GHz | 2.4GHz | Intel Graphics | 1.85GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 55W |
Core Ultra 5 245HX | 14(6+8) | 24MB | 5.1GHz | 3.1GHz | Intel Graphics | 1.9GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 55W |
Core Ultra 5 235HX | 14(6+8) | 24MB | 5.1GHz | 2.9GHz | Intel Graphics | 1.8GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 55W |
XMXに対応したArcを内蔵している200Hと、薄型ノートPCの廉価版向けとなる200U
Core Ultra 200Hと呼ばれるHシリーズ(Arrow Lake-H)は、PBPが45Wと28Wになる薄型のゲーミングノートPCないしはコンテンツクリエーション向けノートPCをターゲットにした製品。
SシリーズとHXシリーズは、PコアとEコアしかないが、HシリーズではPコア(6コア)、Eコア(8コア)とは別に、LP Eコア(2コア)が用意されており、アイドル時などにはLP Eコアに切り替えて動作することで、アイドル時の無駄な電力消費を削減できる。
また、ほかのArrow Lakeベースの製品は、XeアーキテクチャのIntel Graphicsになっているが、HシリーズはIntel Arcになっており、行列演算などを高速に行なうXMXエンジンを内蔵している。このため、GPUのAI処理性能は最上位SKUのCore Ultra 9 258Hで77TOPSになっており、NPUの11TOPSとCPUによる性能を合わせて、SoC全体で99TOPSの性能を実現している。
PBPは最上位SKUのCore Ultra 9 258Hが45W、それ以外の製品は28Wになる。SKU構成は以下の通りだ。
コア数(Pコア+Eコア+LPEコア) | LLC | Pコア最大 | Pコアベース | GPU | GPU最大クロック | メモリ | 最大容量 | PBP | |
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Core Ultra 9 258H | 16(6+8+2) | 24MB | 5.4GHz | 2.9GHz | Intel Arc Graphics | 2.35GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 45W |
Core Ultra 7 265H | 16(6+8+2) | 24MB | 5.3GHz | 2.2GHz | Intel Arc Graphics | 2.3GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 28W |
Core Ultra 7 255H | 16(6+8+2) | 24MB | 5.1GHz | 2.25GHz | Intel Arc Graphics | 2.25GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 28W |
Core Ultra 5 235H | 14(4+8+2) | 18MB | 5GHz | 2.25GHz | Intel Arc Graphics | 2.25GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 28W |
Core Ultra 5 225H | 14(4+8+2) | 18MB | 4.9GHz | 2.2GHz | Intel Arc Graphics | 2.2GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 28W |
Core Ultra 200Uは、Core Ultraシリーズ1(Meteor Lake) Uシリーズ製品の後継製品となる。同じ15W前後のPBPに設定されている製品として、Core Ultra 200V(オンパッケージのDRAM分をいれて17WのPBPに設定されている)があるが、Copilot+ PCの要件である40TOPS以上を満たしていることがCore Ultra 200Vのメリットと言える。それに対してCore Ultra 200UのNPUはIntelの第3世代NPUであるため11TOPSであり、Copilot+ PCの要件を満たせない。
こうしたこともあり、IntelはCore Ultra 200Vを同じ薄型ノートPC向けでもプレミアム向けと位置づけており、より高付加価値価格帯の製品向けをターゲットにしている。それに対してCore Ultra 200Uは、より普及価格帯の製品向けとされており、より廉価な製品に採用される製品になると考えられる。
コア数(Pコア+Eコア+LPEコア) | LLC | Pコア最大 | Pコアベース | GPU | GPU最大クロック | メモリ | 最大容量 | PBP | |
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Core Ultra 7 265U | 12(2+8+2) | 12MB | 5.3GHz | 2.1GHz | Intel Graphics | 2.1GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 15W |
Core Ultra 7 255U | 12(2+8+2) | 12MB | 5.2GHz | 2GHz | Intel Graphics | 2.1GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 15W |
Core Ultra 5 235U | 12(2+8+2) | 12MB | 4.9GHz | 2GHz | Intel Graphics | 2.05GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 15W |
Core Ultra 5 225U | 12(2+8+2) | 12MB | 4.8GHz | 1.5GHz | Intel Graphics | 2GHz | DDR5-6400/LPDDR5x-8400 | 96GB(DDR5)/64GB(LPDDR5x) | 15W |
Intelによれば、Core Ultra 200HとCore Ultra 200Uを搭載したシステムは2月から、Core Ultra 200HXは第1四半期中に提供される予定。Core Ultra 200SのPBPが65W、35Wの製品は1月13日以降にOEMメーカーなどのシステムに搭載されて提供開始される計画だ。