イベントレポート
ASUS、キーボードも液晶のデュアルディスプレイPC「Project Precog」
2018年6月5日 13:56
ASUSは6月5日(現地時間)、台北市内で記者会見を開催し、ノートPCや周辺機器などの新製品を発表するとともに、キーボード面にもディスプレイを採用するデュアルディスプレイ仕様のコンセプトノート「Project Precog」を発表した。
UX260 Project Precogは、AIを駆使するために、PCにどういったフォームファクタが必要なのかを考慮してデザインされたという。パネルを開くと上部、下部ともがディスプレイとなっており、双方に情報を表示するのはもちろん、利用形態に応じた表示スタイルをAIを駆使し自動的に変更する。
たとえば、クラムシェルスタイルの「スタンドモード」での利用時には、下のディスプレイにはスクリーンキーボードを表示するが、AIで手の場所を判断し、スクリーンキーボードの表示位置が自動で切り替わる。また、外部キーボードを接続するとスクリーンキーボードが非表示となり、下のディスプレイ下部にタッチパッドの領域が表示される。さらに、スクリーンにスタイラスペンが触れると、自動的にスタイラスペンモードに切り替わり、即座にペン入力が行なえるという具合だ。
ディスプレイを開いた状態で90度横倒しにすると、本を見開きで見るような「ブックモード」に切り替わる。左右に異なるアプリを開いて、快適な作業環境を実現するとのこと。このほか、「テントモード」では前後のディスプレイに異なる情報を表示でき、水平に開いた「フラットモード」では、2画面をフルに利用してゲームも楽しめる。
Microsoft CortanaとAmazon Alexaをサポートし、多くの操作を音声のみで行なえるため、快適に作業をこなせる。ボイスアシスタントの存在も、Project Precogのスタイル実現に大きくしていると言えるだろう。
このほかのAI機能としては、インテリジェント充電機能が紹介された。こちらはASUSのスマートフォンZenFoneシリーズにも搭載されているものとほぼ同じ仕組みで、ユーザーのPC利用パターンを学習し、ACアダプタが長時間接続される間はバッテリの充電を80%までにとどめ、外出直前に100%まで充電することで、バッテリ寿命を延ばすというものだ。
そして、Project Precogには、IntelのMovidius Vision Processing Unitを搭載する。リアルタイムでの顔認識や物体認識といった画像認識処理をはじめ、さまざまなAI処理を高速に処理することで、AIを駆使した全く新しいPCのエクスペリエンスを実現するとしている。
このProject Precogは、コンセプトモデルとして紹介されたもので、まだ開発途中。ただ、発表会では2019年に登場と発表されたことからも、製品化の見通しはたっているものと考えられる。AIによってこれまでのPCの常識を変える可能性も十分に秘められており、今後の展開に注目したい。