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液晶&E Inkで唯一無二のデュアル画面2in1「Yoga Book C930」実機レビュー
2018年10月19日 11:00
レノボ・ジャパンは、キーボード面にE Inkディスプレイを採用したデュアルディスプレイ構成のWindows 10搭載10.8型2in1タブレットPC「Yoga Book C930」を10月4日に発表、12日より予約販売を開始した。
旧Yoga Bookは必要に応じてキートップを表示するライトアップキーボード「ハロキーボード」が採用され、キー入力とペン入力を切り替えていたが、新Yoga BookはE Inkディスプレイを実装することにより直接ペンで手書き可能となり、またキートップの表記も自由に変えられるようになった。
今回レノボ・ジャパンより実機を借用したので、おもにE Inkディスプレイの使い勝手を中心にレビューしていこう。
CPU/SSDの差、ペンの有無を考慮すると上位モデルのほうがお買い得?
新Yoga Bookのラインナップは4モデル。Core m3-7Y30(1~2.6GHz、2コア4スレッド)を搭載する下位モデル、Core i5-7Y54(1.2~3.2GHz、2コア4スレッド)を搭載する上位モデルが用意されており、それぞれにモバイルデータ通信可能なWWAN対応モデルと非対応モデルが存在する。
ほかにも下位モデルには128GB PCIe SSD、上位モデルには256GB PCIe SSDとストレージ容量が差別化されているが、メモリはすべて4GBのLPDDR3-1866 SDRAMが搭載されており、カスタマイズもできない。長く使うことを考えると8GBメモリの選択肢がなかったのは残念だ。
旧Yoga BookにはWindows 10だけでなくAndroid 6.0を搭載したモデルも用意されていたが、新Yoga BookではWindows 10に1本化された。10万円を超える価格帯に移行したのでAndroid OS専用機がなくなったこと自体は納得できる。しかし軽いOSを求めるユーザーのためにデュアルブートという選択肢も用意してほしかったというと欲張りすぎだろうか。
CPUは旧モデルでは、Atom x5-Z8550(1.44~2.4GHz、4コア4スレッド)が採用されていたので、下位のCore m3-7Y30モデルでもかなりの性能向上となる。詳しくはベンチマークの章で解説しよう。
なお購入を検討している方に1つ注意点がある。じつは下位のCore m3-7Y30搭載モデルには専用ペン「Lenovo Precision Pen」が同梱されていない。またこのデジタルペンは、10月15日時点で公式通販サイトのレノボ・ショッピングで単体販売されていなかった。
AES方式を採用したほかのペンを利用できる可能性は高いとはいえ、CPUの速度差、ストレージ容量、デジタルペンの有無を考慮すると、24,570円差で入手できる上位モデルのほうがお得感は高い。
Yoga Book C930 - アイアングレー | ||||
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製品番号 | ZA3S0006JP | ZA3T0015JP | ZA3S0090JP | ZA3T0005JP |
OS | Windows 10 Home 64bit | |||
CPU | Core m3-7Y30(1~2.6GHz、2コア4スレッド) | Core i5-7Y54(1.2~3.2GHz、2コア4スレッド) | ||
GPU | Intel HD Graphics 615(350~900MHz) | Intel HD Graphics 615(300~950MHz) | ||
メモリ | LPDDR3-1866 SDRAM 4GB | |||
ストレージ | 128GB SSD | 256GB SSD | ||
ディスプレイ | 1stディスプレイ:10.8型IPS液晶(2,560×1,600ドット、280ppi、輝度・コントラスト比・色域不明、10点マルチタッチ、光沢)、2ndディスプレイ:10.8型E Ink(1,920×1,080ドット、204ppi、10点マルチタッチ) | |||
通信 | IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.2 | IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.2、WWAN | IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.2 | IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.2、WWAN |
インターフェイス | USB 3.1 Type-C(USB Power Delivery、DisplayPort、オーディオ、OTG Hub)×2、microSDカードリーダ×1 | |||
カメラ | 200万画素固定焦点(Fixed Focus)カメラ | |||
セキュリティ | 指紋認証センサー | |||
SIMカードスロット | なし | Nano SIMカード | なし | Nano SIMカード |
バッテリ容量 | Design Capacity:35,800mWh、Full Charge Capacity:36,730mWh(Battery reportで計測) | |||
バッテリ駆動時間 | 約11時間 | 約10時間 | 約11時間 | 約10時間 |
バッテリ充電時間 | 約3時間(電源オフ時) | |||
本体サイズ/重量 | 約260.4×179.44×9.9mm(幅×奥行き×高さ)/約775g | |||
重量 | 約775g | 約799g | 約775g | 約799g |
ペン | 別売り | Lenovo Precision Pen | ||
Microsoft Office | なし | |||
カラー | アイアングレー | |||
販売価格 | 134,784円 | 150,984円 | 161,784円 | 177,984円 |
キャンペーン価格 | 122,653円 | 137,395円 | 147,223円 | 161,965円 |
物理キーボード搭載ノートPCの追従を許さない薄さを実現
新Yoga Bookのサイズ(幅×奥行き×高さ)/重量は約260.4×179.44×9.9mm/約775g(Wi-Fiモデル)、約799g(WWANモデル)。旧Yoga Bookが約256.6×170.8×9.6mm/約690gだったので、ディスプレイサイズの拡大、E Inkディスプレイの搭載に伴い、サイズ、重量ともに増えたことになる。とはいえ新Yoga Bookの厚さはわずか9.9mm。物理的なキーボードを搭載するクラムシェル型ノートPCの追従を許さない薄さを実現している。
筐体は金属製で、本体カラーはアイアングレーを採用。360度開くディスプレイ機構にはYogaシリーズでおなじみの回転式ウォッチヒンジが継承されている。ディスプレイを閉じている状態であれば、そのままバッグに放り込んでいても不安を感じないほどの剛性感は確保されていると感じた。
なお新Yoga Bookには落下、水濡れ、火災などの予期せぬ障碍や、盗難、紛失にも対応する「アクシデント・ダメージ・プロダクション(ADP)」が1年間標準保証として提供されている。
インターフェイスは左右側面にそれぞれUSB 3.1 Type-Cが、加えて左側面にはmicroSDカードリーダが用意されている。3.5mmイヤフォンジャックは省かれているが、USB 3.1 Type-CがUSB Power Delivery、DisplayPort、オーディオ、OTG Hub機能をサポートしている。
ただし筆者が他社製のUSB Type-C - 3.5 mmイヤフォン変換アダプタ経由でイヤフォンを接続したところ、右側のUSB 3.1 Type-Cでしか認識しなかった。DisplayPortの信号が両方から出力されているかは、今回は機材の都合上確認が取れなかった。
E Inkディスプレイの右奥に指紋認証センサーが搭載され、デジタルペンを天面に固定できるなど使い勝手が向上しているが、なかでもユニークなのがディスプレイのオープン機構。ディスプレイ天面を2回軽くノックすると内部のマグネット機構がずれ、自動的にディスプレイが1cmほど開かれる。
筐体が薄いぶん旧Yoga Bookではディスプレイを開けるのに手こずることがあったが、新Yoga Bookはスマートに開けられる。超薄型クラムシェルノートPCの開閉機構として技ありの仕組みだ。
E Inkディスプレイによる使い勝手は旧モデルとは別物
新Yoga Bookはシリーズ名を継承しているが使い勝手はまったくの別物。旧Yoga Bookでは必要に応じてキートップが浮かび上がるライトアップキーボード「ハロキーボード」が採用されていたが、あくまでも入力装置に過ぎなかった。
ところが新Yoga BookのE Inkディスプレイは、文字を入力する「E Inkキーボード」、メモやイラストを書く「E Inkノート」、PDFファイルを閲覧する「E Inkリーダー」と3つのモードが用意されており、用途によってまったく表示が変わり、また直接書けて、コンテンツを表示することが可能なのだ。
E Inkキーボードにはタッチパッドをつねに表示する「クラシック」、必要に応じてタッチパッドが現われる「モダン」の2種類のスタイルが用意されており、またキートップの地色を黒または白から選べる。もちろん言語ごとにキートップの表示が変化する。日本語/英語キーボード以外のキートップも利用可能だ。
タッチタイピング時のユーザーの癖を学習する「タイピングエラーコレクション」を引き続き搭載しつつ、タイピング時のフィードバックに「アニメーションキー」を追加。タイピングしたさいにバイブレーションと音だけでなく、キートップがへこむことによってユーザーへのフィードバックが向上されている。
必要なときだけ表示する「スクリーンキーボード」として進化を遂げたE Inkキーボードだが、1つ気になったことがある。それはバイブレーションが弱くなっていること。バイブレーターの位置や数が変わっているためか、部品が変わっているためか理由はわからないが、バイブレーションを最大に設定していても、音で振動していることはわかるが、指にその振動はほとんど伝わってこない。面積が異なるので比較するのは妥当ではないかもしれないが、MacBookのタッチパッドに採用されている「Taptic Engine」と同じぐらい明確なフィードバックがほしいところだ。
E Inkノートはなかなか使いやすく実装されている。本アプリにはペン、消しゴム、スクリーンショット、選択、コピー/貼り付け、取り消す、やり直す、ペンとタッチの切り替えと充実した機能を用意。罫線、ドット罫、方眼紙などのテンプレートも利用可能だ。
使い勝手も悪くない。すばやく線を書き続けると、いったんジャギーがあって、多少カクカクした線として暫定的に表示されるが、書き終わると一気になめらかな線として再描画される。描画速度という点ではイラストを描くのにも使えると思う。どのような速度で描画されるかは、先の動画で確認してほしい。
おもしろいのが「スクリーンショット」機能。E Inkノートからスクリーンショットを実行すると、メインディスプレイの全画面キャプチャーがE Inkノート側に貼りつけられる。そのままノートの挿絵としても使えるし、それを下絵に模写したのちに、全画面キャプチャーのレイヤーだけを削除可能だ。
絵心のない筆者はうまくいかなかったが、写真などから模写するのに役立ちそうだ。ただし濃い画像の上では線が目立たない。取り込む画像を表示するさいには、事前に色を薄く調整したほうがよいだろう。
E Inkノートの使い勝手で不満を感じたのは2点。1つ目はメインディスプレイとE Inkディスプレイで書き味が異なること。デジタルペン「Lenovo Precision Pen」では、ノックボタンワンプッシュでE Inkディスプレイ側、ダブルプッシュでメインディスプレイ側のノートアプリが起動し、すぐに書きはじめられ、同時に利用することも可能だ。
しかしメインディスプレイとE Inkディスプレイの書き味を比較すると、後者のほうが明らかに摩擦は少ない。どちらが書きやすいかは好みによると思うが、併用することを考えると筆記感を統一するべきだと考える。
2つ目の不満はE Inkディスプレイ側のたわみが大きいこと。たわみ自体はわずかだが長い線を描くときなどに摩擦感が途中で変化してしまう。筆者自身はイラストを描くことはほとんどないし、あったとしても長い線を書くことはないので問題とはならないが、プロのイラストレーターの方々にとっては大きな違和感になるかもしれない。
E Inkリーダーは電子書籍リーダとして位置づけられており、ストレージ内のPDFファイルの閲覧に利用できる。ただしOfficeファイルや、画像、ムービーの表示には対応しておらず、書き込み機能は提供されていない。
個人的に残念だったのがE Inkディスプレイ側でしか使えないこと。せっかくのデュアルディスプレイ端末なのだから、両方の画面に電子書籍を見開きで表示可能にしてほしかった。ソフトウェアアップデートでぜひ対応してほしい。
モバイルノートPCとしては標準以上のAV品質
IPS液晶ディスプレイの詳細については公表されていないが、ディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で確認したところ、輝度は288cd/平方m、sRGBカバー率が99.9%、sRGB比が123.7%、Adobe RGBカバー率が85.1%、Adobe RGB比が91.7%とモバイルノートPCとしては標準以上のスペックを備えていることを確認できた。
写真現像などをするさいにはカラーキャリブレーションが必要だが、コンテンツを鑑賞するだけならデフォルトで十分鮮やかな画像、映像を楽しめる。
一方サウンドについては若干ボリュームが物足りないものの、超薄型筐体に内蔵されているスピーカーとしては健闘していると言える。解像感や低音はそれなりだが、小型スピーカー特有の極端なこもりは感じない。これ以上の音質、迫力を望むなら、外付けスピーカーやヘッドフォン、イヤフォンなどと組み合わせよう。
Core i5-7Y54搭載により性能は大幅に向上
最後にベンチマークスコアを見てみよう。今回は下記のベンチマークを実施している。
- 総合ベンチマーク「PCMark 10 v1.1.1739」
- 3Dベンチマーク「3DMark v2.5.5029」
- CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」
- ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」
- ゲーミングPCベンチマーク「FINAL FANTASY XV BENCHMARK」
- ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.1」
- バッテリベンチマーク「BBench」で連続動作時間を計測
比較対象としては「Atom x5-Z8550」を搭載する旧モデル「Yoga Book with Windows」、そしてサイズ的に競合する2in1タブレットPC「Surface Go」のスコアを掲載した。下記が検証機の仕様とその結果だ。
Yoga Book C930 | Yoga Book with Windows | Surface Go | |
---|---|---|---|
CPU | Core i5-7Y54(1.2~3.2GHz、2コア4スレッド) | Atom x5-Z8550(1.44~2.40GHz、4コア4スレッド) | Pentium Gold Processor 4415Y(1.60GHz、2コア4スレッド) |
GPU | Intel HD Graphics 615(300~950MHz) | Intel HD Graphics 400(200~600MHz) | Intel HD Graphics 615(350~850MHz) |
メモリ | LPDDR3-1866 SDRAM 4GB | LPDDR3-1600 SDRAM 4GB | LPDDR3-1866 SDRAM 8GB |
ストレージ | 256GB SSD「KBG30ZMT256G」(NVMe PCIe) | 64GB(eMMC) | 128GB SSD(NVMe PCIe) |
ディスプレイ | IPS液晶:10.8型、2,560×1,600ドット(280ppi)、E Ink:10.8型、1,920×1,080ドット(204ppi) | 10.1型、1,920×1,200ドット(224ppi) | 10型、1,800×1,200ドット(217ppi) |
OS | Windows 10 Home 64bit | ||
サイズ | 約260.4×179.44×9.9mm | 約256.6×170.8×9.6mm | 245×175×8.3mm |
重量 | 約775g | 約690g | 約522g |
Yoga Book C930 | Yoga Book with Windows | Surface Go | |
---|---|---|---|
PCMark 10 v1.1.1739 | |||
PCMark 10 Score | 2,843 | 1,073 | 1,852 |
Essentials | 7,151 | 3,247 | 4,521 |
App Start-up Score | 12,017 | 2,698 | 4,240 |
Video Conferencing Score | 5,630 | 4,144 | 5,023 |
Web Browsing Score | 5,407 | 3,063 | 4,339 |
Productivity | 4,743 | 1,391 | 2,878 |
Spreadsheets Score | 5,863 | 1,242 | 3,467 |
Writing Score | 3,837 | 1,558 | 2,390 |
Digital Content Creation | 1,840 | 744 | 1,327 |
Photo Editing Score | 2,268 | 854 | 1,644 |
Rendering and Visualization Score | 1,087 | 440 | 827 |
Video Editting Score | 2,528 | 1,100 | 1,720 |
3DMark v2.5.5029 | |||
Fire Strike | 749 | 295 | 798 |
Sky Diver | 2,833 | 1,142 | 3,037 |
Cloud Gate | 4,831 | 2,262 | 4,310 |
Ice Storm Extreme | 24,721 | 17,226 | 31,322 |
Ice Storm | 33,704 | 22,948 | 39,488 |
CINEBENCH R15.0 | |||
OpenGL | 34.80 fps | 14.13 fps | 31.67 fps |
CPU | 241 cb | 132 cb | 162 cb |
CPU(Single Core) | 123 cb | 38 cb | 65 cb |
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】 | |||
1,280×720ドット | 2,663 | 1,344 | 3,240 |
FINAL FANTASY XV BENCHMARK | |||
1,280×720ドット、標準品質、フルスクリーン | 595(動作困難) | 動作不可 | 564(動作困難) |
SSDをCrystalDiskMark 6.0.1で計測 | |||
Q32T1 シーケンシャルリード | 1,564.834 MB/s | 128.275 MB/s | 1,091.454 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 818.335 MB/s | 41.686 MB/s | 130.828 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 651.251 MB/s | 38.284 MB/s | 205.782 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 276.444 MB/s | 14.246 MB/s | 82.811 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 284.204 MB/s | 38.164 MB/s | 119.376 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 167.833 MB/s | 17.302 MB/s | 95.857 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 44.777 MB/s | 13.765 MB/s | 23.558 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 87.677 MB/s | 11.873 MB/s | 38.061 MB/s |
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モード:高パフォーマンス) | |||
バッテリ残量5%まで | 7時間28分18秒 | 9時間33分43秒 | 7時間34分50秒 |
性能的には3DMarkの一部項目、モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】を除き、新Yoga Bookがもっとも高いスコアを記録している。とくに旧Yoga Bookとのスコア差は大きく、PCMark 10のトータルスコアは1,073から2,843へと約2.65倍の向上をはたしている。
また旧Yoga Bookとの大きな違いはストレージ速度。eMMCのストレージを搭載する旧Yoga Bookのシーケンシャルリードは128.275 MB/s、PCIe接続のSSDを搭載する新Yoga Bookは1564.834 MB/sと12.2倍の速度を叩き出した。実際両者を使い比べてみると、あらゆる操作の速度差は歴然としている。
旧Yoga Book自体はよいマシンだし、現在も併売されているが、単に処理性能だけ見てもまったく別のPCだと考えたほうがいい。
新Yoga Bookは現行で唯一のデュアルディスプレイ搭載モバイルノートPC
IPS液晶とE Inkのデュアルディスプレイを採用した新Yoga Bookは現時点で唯一無二のモバイルノートPCだ。旧Yoga Bookから使い勝手は大幅に進化しているし、ほかのメーカーのラインナップを見ても競合は見当たらない。あえて競合を探すのならCOMPUTEX TAIPEI 2018でASUSが披露した2画面ディスプレイ搭載ノートPCのコンセプトモデル「Project Precog」ぐらいだろう(ASUS、キーボードも液晶のデュアルディスプレイPC「Project Precog」参照)。
しかし新Yoga Bookはデュアルディスプレイをまだまだ活用できると思う。たとえばキーボードとマウスを接続してデスクトップのつながったマルチディスプレイとして使うモードや、E InkディスプレイをファインダーにしてWebカメラで撮影するモードなど、ちょっと考えただけでもソフトウェアだけで実現可能な機能が思いつく。
現時点でも新基軸のモバイルノートPCとして魅力的だし、さらにソフトウェアアップデートで魅力的な製品に育て上げていってほしいと思う。こまごました不満、要望はあるが、さらに進化した新機軸のモバイルノートPCとして新し物好きにはたまらない1台だ。