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パナソニック、レッツノート工房に50組の親子が参加

~商品化前のカラーキーボードを全員が選択

手づくりレッツノート工房2015

 パナソニックは、8月22日、兵庫県神戸市のパナソニック ITプロダクツ事業部神戸工場において、「手づくりレッツノート工房2015」を開催した。

 今年で14年目を迎えた同イベントは、小学4年生~高校3年生までを対象に、世界に1台のオリジナルパソコンを組み立てる場を提供。子どもたちに、モノづくりの魅力や楽しさを体感してもらう夏休み企画で、実際にLet'snoteを生産している神戸工場を活用し、同社社員がサポートして、PCを組み立てる。

 なお、今回の開催で累計参加者数が2,000人に達し、開催当日に2,000人目の受付をした参加者に記念品がプレゼントされた。

「手づくりレッツノート工房2015」が開催された兵庫県神戸市のパナソニック ITプロダクツ事業部神戸工場
レッツノート工房2015の参加者たち
パナソニックからは150人以上の社員が参加して参加者を迎えた

 今回のレッツノート工房では、「レッツノートCF-RZ4」の組み立てを行ない、300組以上の応募の中から選ばれた50組の親子が挑戦した。参加費用は12万円。組み立てたPCは、そのまま持ち帰ることができた。

 組み立てたCF-RZ4は、2015年夏モデルで、10.1型液晶ディスプレイ搭載2-in-1としては、世界最軽量となる約745gの軽さを実現。週刊誌よりも小さく、ガジェット感覚でいつも持ち歩けるコンパクトサイズが特徴。1.5mmのストロークを確保したキーボードや、拡張性を高める豊富なコネクター類を搭載しており、タブレットとしての快適さと、モバイルPCとしての実用性を徹底的に追求した製品だ。

 2色の本体カラー、7色のカラー天板から選択が可能で、今回のレッツノート工房では、本体に関しては、シルバーダイヤモンドボディが33組、カッパーボディを17組が選択。天板では、ハーモニックブルーが11組、サンダーブルーが11組、ライジングレッドが9組となり、これが上位3位までの人気カラー。だが、参加者50組合わせると、7色すべてのカラーが選択されていたという。また、キーボードでは20組がローマ字すっきりキーボードを選択した。

 ちなみに、今回は、事前には告知されてなかったカラーキーボードを、開催当日に選択できるように特別に配慮した。カラーキーボードは、天板の色に合わせて7色を新たに用意したもので、まだ、商品化前のもの。今回のレッツノート工房での反応や、今後の市場の反応をみて商品化を検討していくことになるというが、今回の組み立て教室では、50組の参加者全員が、カラーキーボードを選択するという異例の事態。むしろ、商品化に向けては、大きな手応えになったと言えるだろう。

 なお、参加者は、兵庫県内からは14組が参加したほか、福島県、沖縄県からも参加。応募では北海道からも申し込みがあったという。また、50組中、男の子が29組、女の子が21組。小学生が19組、中学生が20組、高校生が11組となった。

今年のレッツノート工房で組み立てたLet'snote CF-RZ4。キーボードは天板に合わせた商品化前のカラーキーボードを全員が選んだ
人気カラーとなった、左からハーモニックブルー、サンダーブルー、ライジングレッド
開校式で挨拶するパナソニック AVCネットワークス社ITプロダクツ事業部プロダクトセンター・清水実所長
Let'snote工房では、もはや欠かせない存在となったLet'snote博士とぶーすけ。ギャグの連発で会場を沸かす
開校式を終えて参加者たちは組み立てをする部屋へ移動
参加者は、さまざまなイベントに参加するたびにシールをもらえるスタンプラリーに参加
清水所長から2,000人目の記念プレゼントの目録を受け取った渡辺さん一家
2,000人目の参加者には比嘉愛未さんの直筆サイン入りキーボードカバーとバッテリパックをプレゼント

モノづくりを体験

 午前9時30分からの開校式では、パナソニック AVCネットワークス社ITプロダクツ事業部プロダクトセンター・清水実所長が挨拶。「今日は、日本全国から集まっていただいた。みなさんに会えることを楽しみにしていた。今回、作ってもらうレッツノートは、これまでのレッツノートの歴史の中で、一番、薄くて、軽い製品。作るのが一番難しいかもしれない。だが、一生懸命、モノづくりにチャレンジしてもらえれば、必ず動くはず。今日1日、しっかりサポートする。今回のレッツノート工房のテーマは、『君の未来へ~チャレンジ・チェンジ』。モノづくりへの興味やPCに対する知識が高まったり、モノを大切にする気持ちが生まれる、といったチェンジにも期待したい」と語った。

 組み立て教室は、午前10時から開始。液晶ディスプレイスやトップケース、ボトムケース、バッテリのほか、3種類19本のネジを含む、16種類32点の部品を使用。約1時間15分をかけて組み立てた。

 清水所長が指摘したように、Let'snote CF-RZ4は、本体内に細かい配線などが多く、これまでの組み立て対象機種に比べて難易度が高い作業が続き、参加者が配線に苦労する姿が見られたが、組み上がったPCは全てが起動。スイッチを入れて「Panasonic」の文字が画面に表示されるとあちこちから拍手が沸いた。

 その後、独自の検査ソフトを使用してカメラ機能やキーボード、タッチパッドなどの動作を確認。組み立てを完了した。

LEDの勉強会も実施

 そのほか、家族を対象に、パナソニック エナジーデバイス事業部の専任講師の指導により、LEDを勉強しながらライトを組み立てる「LEDネックライト教室」を開催。参加者全員で、セル生産の現場や各種検査施設の見学を行なったり、同社が開発したソフトウェアを使って、さまざまなイベントを行なった。

家族が自由に参加できた「LEDネックライト教室」の様子

 参加者の小学生からは、「PCの組み立てでは、ケーブルをシールで止めるところが多く、また細かい作業が多くて難しかったが、楽しかった」といった声が挙がっていた。

 パナソニックの清水工場長は、「参加者の中には、前日から関西に泊まったり、朝早起きしていただいたりしたが、参加者、そして家族のみなさんに喜んでいただけたのではないかと思っている。参加者の笑顔を見ると、我々も力をもらえる。また来週から日本でのモノづくり、MADE IN KOBEのモノづくりに取り組んでいく」と語った。

 では組み立ての様子を写真で追ってみる。

基板などが組み込まれたトップケース
液晶ディスプレイ
ボトムケース
バッテリ
ネジや固定用のシートの数々
作業に使用するドライバやピンセット
組み立て作業を行なっている様子
清水所長も参加者の作業が気になって話しかける様子も
最初の作業は剥離紙をはがすところからはじまった
フレキ部分にシートを貼って固定する
ケーブルを固定するためのクッションを貼付する
コイン電池のケーブルを配線する作業。ピンセットを利用するような細かい作業が続く
ファンの外径に合わせて配線する作業
ケーブル固定用のクッション。裏の剥離紙をはがして固定する
続いてトップケースに液晶ディスプレイ部を取り付ける
ネジで液晶ディスプレイを固定する
カメラケーブルの処理。シートを折り返して巻き付けるような処理を行なう
カメラケーブルの接続。ケーブルはファンのボスの横にかけ、コイン電池の間をくぐらせるという細かい作業が続く
導電クッションの取り付け。ファンの突起に乗り上げずに、カメラコネクタの端に合わせるなど指示も細かい
LCDケーブルの処理。ピンクのシートの剥離紙をはがし、シートを折り返して、LCDケーブルを固定する
WLANケーブルを接続する。細かい作業に苦戦する参加者が多かった
キーボードフレキおよびタッチパッドフレキの接続。独自計上のシートを使って固定する
導電クッションを取り付ける。重要な役割を果たすパーツだ
ケーブルをシートで固定する
WLANスイッチを取り付ける。溝に合わせて配置
ボトムケースを取り付ける
ネジで固定する。ネジは2種類17本を使用する
ネジをまわす作業に追われる参加者たち
目隠しシートを貼り付ける
バッテリを取り付ける
最後に液晶ディスプレイのビニールを外して完成
全員で一緒に電源を入れた
全員のPCに「Panasonic」のロゴが表示された。拍手があちこちからわいた
続いて専用ソフトによる検査を開始
キーボードが動作することを確認した
これで検査が完了した
最後に全員で梱包作業を行なう
梱包が終わったCF-RZ4。全員が持ち帰った
参加者全員に「手づくり完成証明書」が贈られた
参加者はショールームや生産設備、検査設備などを見学
スマホを使ってバーコードを読み取り、アバターを作る「スマホ着せ替え」アプリを体験
4Kタブレットを使用した迷路ゲームは神戸工場が開発した独自のイベント用アプリ
カメラ機能などを使って、うちわを作成するイベントも
4Kタブレットを使用した化粧シミュレーター。男性が化粧した際にはこうなる
はんだ付けを体験するイベントも開催した
最後は全員で参加者を見送った
Let'snote博士とぶーすけも大きく手を振って参加者をお見送り
清水所長も参加者を見送った

(大河原 克行)