富士通、らくらくホンと連携できる「らくらくパソコン3」

7月29日 発売

価格:オープンプライス



 富士通株式会社は、シニア層やPC初心者向けの「らくらくパソコン3」を7月29日より発売する。20型液晶一体型デスクトップの「ESPRIMO FH/R3」、15.6型ノートの「LIFEBOOK AH/R3」が用意され、店頭予想価格は順に159,800円前後、139,800円前後の見込み。直販モデルにはスペックを強化したモデルも用意される。

ESPRIMO FH/R3LIFEBOOK AH/R3

 ハードウェアは夏モデルのESPRIMO FHシリーズ、LIFEBOOK AHシリーズをベースに、タッチパネル、ローマ字の母音のキーやアルファベットを色分けした「らくらくキーボード」を搭載。Windows起動時には、タッチ操作に適した「らくらくメニュー」を表示させ、さらに、左クリックに色を付けざらざら感を持たせた「はじめてマウス」を添付するなど、インターフェイス部分のハードルを低くしている。

 新機能として、シニア向け携帯電話の最新モデル「らくらくホン7」との連携を強化。USB接続の専用クレードル「らくらくホン専用スタンド」が付属し、赤外線通信を使って写真を転送できる。らくらくホン7をクレードルに載せると自動的に取り込みソフトが起動し、「写真を保存する」、「写真を見る」のボタンが順番に表示され、3ステップで取り込んだ写真の一覧を表示。カレンダー形式で撮影日毎に表示可能なほか、印刷やハガキ作成にも活用できる。

 らくらくホン7に合わせて、ノートタイプの本体色もゴールドにした。

らくらくホン7と連携らくらくホン専用スタンドらくらくキーボード(デスクトップ)

 らくらくキーボードには、メインメニューを表示する「メニュー」ボタンのほか、文字入力の日本語、アルファベットの切り替え専用ボタンなども用意。キーボードが苦手なユーザー向けに、50音すべてを画面上に表示してタッチ入力できる「タッチ文字入力」機能を搭載した。タッチ文字入力は予測入力機能も備えている。

 検索機能には「かんたん検索」を用意。キーワードが分かりにくいユーザー向けに、一覧項目からディレクトリを辿るように検索結果を絞り込むことができる。

最初に表示されるメニュー予測入力機能のある「タッチ文字入力」らくらくキーボード上部のワンタッチボタン

 サポート面は、専門用語を使わず分かりやすく伝える専用電話相談窓口(1年間無料)や、見やすいデザインなどを用いた専用ホームページ、ケーブルやメモリーカードの形状などを図解し裏面がローマ字入力表になっている専用マニュアル「つないでほシート」、初期設定や接続などを行なう訪問サービス(有料)などを提供する。

 ESPRIMO FH/R3の主な仕様は、Celeron T3300(2GHz)、Intel GM45 Expressチップセット(ビデオ機能内蔵)、メモリ4GB、HDD 500GB、DVDスーパーマルチドライブ、1,600×900ドット表示対応タッチパネル20型ワイド液晶、Windows 7 Home Premiumを搭載。

 本体サイズは497×198×391mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約10.9kg。

 LIFEBOOK AH/R3の主な仕様は、Celeron 900(2.20GHz)、Intel GL40 Expressチップセット(同)、メモリ2GB、HDD 500GB、DVDスーパーマルチドライブ、1,366×768ドット表示対応タッチパネル15.6型ワイド液晶、Windows 7 Home Premiumを搭載。

 バッテリ駆動時間は約1.5時間。本体サイズは372×262.3×43.2~47mm(同)、重量は約3.2kg。

 生産は他の富士通PCと同様に、福島、島根の国内工場で行なわれている。


 同社は7月27日に製品と新CMの発表会を都内で開催。「らくらくホン」シリーズのCMキャラクター・大竹しのぶさんを、らくらくパソコンのCMにも起用する。

富士通株式会社 執行役員副社長 佐相秀幸氏

 発表会ではまず、富士通株式会社 執行役員副社長 佐相秀幸氏が挨拶。「富士通はケータイやPCなどの目の前にある現実世界と、クラウドなどのサイバー世界を繋ぎ、携帯電話とPCのフロントエンドを開発している。60歳台のPC普及率は50%を切っているが、携帯電話は75%(数値は総務省調べ)。このデジタル格差に向けて答えを出すのがらくらくパソコンシリーズ」とした。

 新製品のらくらくパソコン3については、「ブラッシュアップをして『3』になった。PCの大きな障壁は接続と文字入力。らくらくパソコンはこの2つに注力し、加えてPCと携帯電話の連携を強化すれば、利用がもっと深まるのではないかと思った」と説明した。

 同社 執行役員常務 大谷信雄氏は「らくらく」シリーズの取り組みを説明。出荷が1,800万台を超えたらくらくホンを「成功したビジネス」と表現し、「これを横に展開したい」として、らくらくホンで学んだことを活かし、らくらくパソコンのマーケティング施策を行なうとした。シニア層という明確なターゲットのために、高齢者にとって厳しい問題である視力や聴覚、記憶力といった部分を補う部分をらくらくパソコンに実装。文字の大きさ、見やすいフォント、キーレイアウト、接続性などを挙げた。一方で、らくらくパソコンはらくらくホンに比べて認知度が低いため、らくらくホンと一貫性のある広告やプロモーション、啓発として、大竹しのぶさんを起用した新しいTV CM、携帯電話教室での支援などを実施する。

 商品説明にあたった同社 執行役員 斉藤邦彰氏は、「シニア層は増えているのに、そのPC普及率は低いまま。らくらくホンはカメラ利用率は高いがiモード利用率は低く、撮った写真をPCで使いたいというユーザーが多いのに、実際には利用できていない。シニア層がやりたいこととは、まだギャップがある」として、らくらくパソコン3の機能を紹介。また、PCのリテラシー向上に向け「誰もが参加できるICT社会を目指して、新CMは字幕対応、らくらくパソコン3の売上の一部を国際ユニヴァーサルデザイン協議会に寄付する」とした。

らくらくホンのノウハウをPCにも展開らくらくホンユーザーは写真を撮って待ち受け画面に使うだけで終わっていることが多く、アルバム整理や印刷などをやってみたいが、できていないというらくらくホンと同様にイメージキャラクターに大竹しのぶさんを起用

 発表会の最後にイメージキャラクターの大竹しのぶさんが登場。8月1日より放送予定の新CMを披露した。「かんたんに使える」篇は、簡単なタッチ操作でインターネット検索を行なう様子を伝え、「らくらくホン7とつなぐ」篇では、新しい連携機能を使って犬と一緒に撮った写真を取り込み、ハガキ作成などを紹介する。

 大竹さんは、「普段パソコンは普通に使います。インターネットで調べ物をしたり、メールをしたり、写真を整理したり」とPCを活用。やってみたいこととして、「チケットの予約、食事の予約といったオンライン予約、写真を印刷して年賀状を作ってみたい」という。そこで、らくらくパソコン3を使って、タッチ操作を使ったインターネット検索、らくらくホン7との連携を実際に試し、「タッチパネルだから簡単にできる」、「クレードルはすごい便利」と感想を述べた。最後に「今後は、らくらくパソコンをみんなに広げます」と話した。

実際にタッチ操作のインターネット検索を試す大竹しのぶさん大竹しのぶさんと富士通の佐相副社長、大谷執行役員常務、斉藤執行役員

(2010年 7月 27日)

[Reported by 山田 幸治]