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IBM、より複雑な量子回路を実行できる120量子ビットプロセッサ「Nighthawk」
2025年11月14日 16:22
IBMは11月12日、120量子ビットを備えた新型量子プロセッサ「IBM Quantum Nighthawk」を発表した。2025年末までにユーザーに提供を開始予定。
IBM Quantum Nighthawkは、120個の量子ビットを四角格子状に配置し、218個の次世代チューナブルカプラーでつないだ新型量子プロセッサ。従来のIBM Quantum Heronと比べ、カプラー数が20%以上増加しており、30%複雑な量子回路を高精度かつ低エラー率で実行できるようになった。分子の基底状態のエネルギーを求めるといった、最大5,000の二量子ビットゲートを要求する高度な計算に対応する。
IBM Quantum Nighthawkの将来バージョンとしては、2026年末までに最大7,500、2027年に最大10,000の二量子ビットゲート実行を実現する計画。2028年までには長距離カプラーによって1,000以上の量子ビットを接続することで、最大15,000の二量子ビットゲートのサポートも見込んでいる。
同社ではIBM Quantum Nighthawkについて、量子優位性(量子コンピュータが古典コンピュータを上回る性能を達成すること)を実現するために設計されたプロセッサだとしており、2026年末までには実証事例が確認される見込みだと説明している。
加えて、量子ソフトウェアスタックのQiskitも継続して改善。100量子ビット以上のシステムで動的回路の精度が24%向上したほか、きめ細かな制御でHPCによるエラー緩和機能を加速し、正確な結果を得るためのコストを100分の1以下に削減した。
さらに、世界初の大規模フォールトトレラント量子コンピュータ構築に向けた実験的プロセッサ「IBM Quantum Loon」も発表。実用的で高効率な量子エラー訂正の実現に向け、必要な構成要素の実装およびスケールするための新アーキテクチャを検証する。同一チップ上で遠く離れた量子ビットを物理的に接続するための技術や、計算の合間に量子ビットをリセットする技術といった、本プロセッサに組み込まれる技術の一部はすでに実証したとしている。
そのほか、量子プロセッサウェハの製造を米ニューヨーク州の300mmウェハ製造施設へ移行することも発表。これにより、製造時間の短縮、研究開発速度の向上、物理的により複雑な量子チップの製造、複数チップの並行設計/検証を可能にしたという。













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