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ChromeOS用ベンチマーク「CrXPRT」が2015年にリリースへ
(2014/12/9 13:33)
インテル株式会社は9日、クロスプラットフォームのベンチマークに関する電話会議を開催し、Intel本社でWW Client Benchmark Managerを務めるMatt Dunford氏が各種ベンチマークの最新情報について解説した。
トップのトピックは、ビジネスにおける利用のベンチマーク開発を得意とするBAPCoが開発し、11月18日(米国時間)にリリースされたタブレット向けベンチマーク「TabletMark v3」。
TabletMarkはv2まではWindows向けのみであったが、v3から新たにAndroidとiOSに対応し、クロスプラットフォームでの計測が可能になった。現在、WindowsストアおよびGoogle Playストアから無料でダウンロード可能で、iOS対応版も申請済み、Appleによる承認公開待ち状態となっている。
TabletMark v3ではWebブラウジングとメール、写真と動画のシェア、ビデオの再生といった“コンテンツ消費”を中心に性能ベンチマークを行なう。また、ベンチマークを繰り返してバッテリ駆動時間も計測できる、CPUやメモリ性能に加え、OSやAPIへの依存度が高いため、同一のハードウェアでもプラットフォームが異なればスコアも異なる可能性が高い。
コンテンツ消費と言えばゲームもあるのだが、BAPCo製ベンチマークのコンセプト(ビジネス向け)を逸脱してしまう。しかし「ビジネスマンもモバイル端末でゲームをプレイするのが当たり前になってきている」とし、ボードメンバーでもあるIntelとしては機能追加を提案していく。
なお、同じくBAPCoから、Windows専用ベンチマーク「MobileMark 2014」もリリースされているのだが、こちらはコンテンツ制作関連のベンチマークが中心で、基本的にクラムシェル型ノートが対象であるとし、差別化していくという。加えてMobileMarkは無償ではない。
続いて紹介されたのが、弊誌でもお馴染みとなったクロスプラットフォームの3Dベンチマーク「3DMark v1.2.0」と、Webブラウザベースのベンチマーク「WebXPRT 2013」。後者に関しては「ChromeOS上でも性能を計測できるのが特徴」だとしたほか、WindowsではInternet Explorer、AndroidではChromeよりもメーカーが用意した独自ブラウザ、iOSではSafariが良いスコアを出す傾向にあるとした。
加えて、WebXPRT 2013を開発するPrincipled Technologiesが、現在ChromeOS向けのベンチマーク「CrXPRT」を開発していることを明らかにした。コミュニティでベータ2が配布されているほか、2015年初頭を目処に一般公開を目指しているという。
ChromeOSは基本的にクラウドサービスと緊密に協調して動作しているため、ローカルアプリケーションを持たないのだが、CrXPRTに関してはローカルに実行ファイルを持つ形になるという。WebXPRT 2013で計測される写真エフェクト、顔認識、オフラインノート、株式のダッシュボード表示といった項目に加え、DNAシーケンス分析、WebGLによる3D表示、写真コラージュという3つのベンチマークが加わる。
こと写真コラージュに関しては、「PNaCl(ピナクル)」と呼ばれる仕組みを活用しているという。CrXPRTは基本的にHTML5を元に記述されているが、開発者がプログラムにおいて性能のボトルネックになっている部分を分析し、PNaClによってその部分をネイティブのコードに置き換えて性能向上を図るもの。これを活用したベンチマークはCrXPRTが初になるとしている。