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変態だ!Ryzen AI 9 HX 370搭載の2画面OLEDノート「GPD DUO」

 深センGPD Technologyは、2画面が縦に開くノートPC「GPD DUO」をクラウドファンディングサイトのIndiegogoで出資を募り始めた。製品を入手するのに必要な最小出資額はRyzen 7 8840U/メモリ16GB/512GB SSDモデルで1,270ドル(18万8,797円)、Ryzen AI 9 HX 370/メモリ32GB/1TB SSDモデルで1,650ドル(24万5,293円)からとなっている。

 最大の特徴は、2,880×1,800ドット表示対応の13.3型OLEDを縦に2画面ヒンジで接続し、外部モニターを使わずに2画面環境を構築できる点。キーボード付きクラムシェル形態でありながら、縦2画面を実現。そして上の画面は360度回転する機構となっており、2画面目を相手に見せたり、タブレットとして利用したりできるという、柔軟な使い方を実現した。

 なお、上の画面はモニターとして独立しており、USB Type-Cによる映像入力も可能で、スマートフォンやほかのPCのモニターとして利用できる。このため、単独の輝度調節ボタンを備えている。

 一方で、2つの画面ともにタッチに対応しており、10億7,000万色表示、DCI-P3 100%/Adobe RGB 100%/sRGB 133%の広色域対応、ΔE<1の高い色精度、0cd/平方mに近い純黒の表現、100万:1の高いコントラスト比、500cd/平方mの高輝度、1msの高速応答が謳われている。

 なお、2画面目を開いた際の重さによる転倒を防ぐため、下の方の液晶の背面にはABS/UV/準オーガニックシリコンレザー/高精度メタルプレートによるキックスタンドを備える。

 CPUはRyzen 7 8840UまたはRyzen AI 9 HX 370となっており、特に後者は12コア/24スレッドで、45Wの消費電力でありながら、マルチコア性能は従来の165WnoCore i9-7980XEを凌駕するとしている。また、内蔵のNPU性能も50TOPSに達した。この高い消費電力の発熱を処理するため、デュアルヒートパイプ/デュアルファン構造を採用する。

 メモリは7,500MT/sのLPDDR5Xを採用。容量は16GB/32GB/64GBだが、AIアプリのために最大16GBをVRAMとして割り当てられるという。また、OCuLinkポートを備え、外部GPUを接続することでより強力なAI処理を実現できるとしている。

 インターフェイスは、USB4、USB 3.2 Gen 2 Type-C、USB 3.2 Gen 1×2、UHS-II対応SDカードスロット、2.5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、500万画素Webカメラ、OCuLink、音声入出力などを搭載する。

 バッテリは80Whで、駆動時間は最長14時間。29分で50%充電できる急速充電をサポート。本体サイズは297×109.65×23.8mm、重量は2,200g。

2画面ノートはどんなものがあった?

 ちなみに、2画面で印象に残る製品としては、過去にレノボの「ThinkPad W700ds」や工人舎の「DZ」シリーズが挙げられるが、こちらはいずれも“横2画面”だった。

 天板もディスプレイという“表裏2画面”を実現したASUSの「TAICHI」もユニークだったが、ユーザーが常に見られる画面は1画面だけのため、相手に見せる用途以外では残る1画面の同時利用には課題が残った。

 また、縦2画面限定というわけではないが、東芝の「libretto W100」やレノボの「YogaBook」シリーズ、ASUSの「Zenbook DUO」などは本製品に近い形態を取る。ただ、ヒンジで曲げられる場所は1カ所だけで、物理キーボードはスクリーンキーボードか外付けだった。

 このほか、タッチパッドがディスプレイだったり、キーボード奥にセカンドディスプレイを備えたりするものもあったが、2画面目は補助的な意味合いが多かった。

 GPD DUOは以上のいずれとも異なる形態という意味で、変態なノートPCと言えるだろう。重量は2kg超えと、日本のモバイル水準からすれば重い部類だが、「常にモバイルモニターも持ち歩いていた」ユーザーにとって、本機の方が圧倒的にスマートであることに変わりない。