買い物山脈
俺は35万円で2画面ノート「Zenbook DUO」を買ったぞー!携帯&設置がラクなマルチ画面PCの理想型はここにあった
2024年4月12日 06:03
- 製品名
- Zenbook DUO UX8406MA
- 購入価格
- 34万9,800円
- 購入時期
- 2024年3月13日
- 使用期間
- 約1カ月
外出先でも手軽にデュアルディスプレイ環境を使いたい
筆者は自宅で43型4Kと21型フルHDのデュアルディスプレイ環境で仕事している。大画面&デュアル環境は作業が快適だが、困ってしまうのが出先仕事でのギャップ。数時間原稿を書くぐらいであれば問題ない。だが、出張時に4~8時間作業するときなどは、15型超えマシンであっても手狭に感じる。
これまではタブレットやモバイルディスプレイでデュアルディスプレイ環境を構築していたが、スタンドを用意したり、ケーブルで接続したりと手間がかかる。
というわけでデュアルディスプレイを搭載したノートPCを切望していた筆者は、「Zenbook DUO UX8406MA」を発表直後に予約し、発売日にゲットしたわけだ。
なお、フォルダブルノートPCも購入を検討していたが、さすがにちょっと高すぎるし、雑に扱った際の耐久性に不安があったので購入は見送っている。
ちなみに、筆者はZenbook DUOを34万9,800円で購入。34,980ポイントが付与されたので、実質31万4,820円で購入できたことになる。
一方、Amazon.comで購入した場合の価格は29万9,043円(4月10日時点)。技適が取得されているかどうかは分からないので購入を勧めるわけではないが、「Office」が同梱されているとは言え日本での販売価格はちょっと高い。日本で購入した場合には、自損故障でも部品代金の20%+税で修理できる「ASUSのあんしん保証」を利用できる。個人的には許容範囲だ。
システム構成にはほぼ満足だが、SSDは2TB欲しかった
本製品の詳細については以下の関連記事のレビューをご覧いただきたいが、手短かにスペックに触れておこう。
日本向けに用意されているのは1モデル。構成はCore Ultra 9 185H、メモリ32GB、SSD1TBのみ。ディスプレイは14型OLED(2,880×1880ドット、120Hz)を2枚装備。
インターフェイスはThunderbolt 4×2、USB 3.0、HDMI、3.5mmコンボジャック、無線機能はWi-Fi 6EとBluetooth 5.3。サイズ/重量は313.5×217.9×14.6~19.9mm/約1.65kg。バッテリ駆動時間は動画再生時で約7.9時間だ(JEITA 3.0)。
スペックで強いて不満を挙げるとストレージ容量。多くのゲームをインストールしつつ、動画データを保存する場合には少し容量が心許ない。
また、本製品はSSDが底面側に装着されているので、換装する場合にはメインボードを取り外さなければアクセスできない。かなり難易度の高い作業となるので、できれば2TBを搭載してほしかったところだ。
デュアルディスプレイ搭載ノートPCはココがイイ
同じ解像度の14型OLEDを2枚搭載した、真の意味でのデュアルノートPCを今回初めて使ったが、個人的には従来のノートPCには二度と戻れないほど気に入っている(少なくともWindowsマシンとしては)。
ディスプレイを開いたあとに、Bluetoothキーボードを手前にずらし、キックスタンドを開くというアクションは必要なものの、モバイルディスプレイよりは圧倒的に手軽さにデュアルディスプレイ環境を使い始められる。
また、設置面積は一般的なクラムシェル型ノートPCと違いはないので、狭いスペースでも利用可能。一般的なデュアルディスプレイ環境とは異なり、画面が縦に2つ並ぶが、個人的には使い勝手に違和感はない。
そしてBluetoothキーボードと組み合わせることで、ノートパソコンモード、デュアルディスプレイモード(キーボードなし)、デュアルディスプレイモード(キーボードあり)、デスクトップモード、共有モードとさまざまなスタイルで活用可能だ。
まあ実際には、ノートパソコンモードとデュアルディスプレイモード(キーボードあり)だけしか使わなくなっているが、スタイルが多いということはさまざまな用途に対応できるわけだ。
実際に使ってみてよかったところ、ムムムだったところ
Zenbook DUOを使い始めて最初にハマったのが壁紙選び。Windows標準の壁紙機能では1つの画像をそれぞれの画面に個別に表示することしかできない。
しかし、「Screen Xpert」を使用すれば、1つの画像を2つのディスプレイにまたがって表示可能だ。しかも画像の縮尺や位置も調整できる。デュアルディスプレイ用の壁紙を探すのは超楽しい。
パフォーマンスにはまずまず満足。Ryzen 9 5950XとRTX 3090で書き出しに1分11秒かかった実時間約3分のフルHD動画を、Zenbook DUOは2分59秒で書き出しできた。M3搭載MacBook Airでは2分37秒で書き出しできたので少し差を付けられているが、このぐらいの差であれば許容範囲だ。
3Dゲームも画質設定さえ調節すれば結構遊べるタイトルがある。たとえば「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」であれば、標準品質、1,920×1,080ドット、フルスクリーンでスコアは4,047(普通)。ベンチマーク実行中にフレームレートを計測したところ、平均37.7fps、最小31.3fps、最大47.9fpsを記録した。Core Ultra 9 185Hは内蔵グラフィックスに「Intel Arc Graphics」を搭載しており、FF XVクラスのゲームであれば実用的な速度でプレイできる。
バッテリ駆動時間については、ディスプレイ輝度40%に設定していれば、大体8時間ぐらい利用可能。75Whのバッテリを内蔵しているとは言え、14型OLEDディスプレイを2枚搭載しているともっとバッテリ駆動時間が短いと予想していたが、5時間を大幅に超えているので個人的には満足している。Officeアプリを使うぐらいであれば、外出時に出先で充電する必要はなさそうだ。
Zenbook DUOを使っていて不安になるのがBluetoothキーボードのバッテリ切れ。実際に筆者自身が使用していてバッテリがなくなったことはないのだが、今後取材などで長時間仕事をする際には心許ない。
そこで筆者は短めのUSB Type-Cケーブルを追加で1本携帯することにした。一時的に本体に乗せて1画面で作業しながら充電してもよいのだが、たいした荷物にはならないので安心感を重視した次第だ。
本製品をかなり気に入っている筆者だが大きな不満が1つある。それは横置きした際のデスクトップモードが安定していないこと。横置きした際に片側のディスプレイ側面が浮いてしまうのだ。スタンドなり、ヒンジ機構を変更することで、次期モデルでは改善してほしい。
もう1つの不満点は現時点でNPUを利用するアプリがほとんどないこと。「タスクマネージャー」に「NPU」の項目が新設されているが、ベータ版の「Premiere」なども含めて筆者が利用しているアプリでNPUに対応しているものはないようだ。
NPUへの対応は処理能力や電力効率だけでなく、ローカルで実行することによりセキュリティ面でのメリットもある。「Copilot」などを筆頭に、多くのアプリがNPUに対応することを楽しみに待ちたい。
携帯&設置がラクなマルチ画面PCの理想型だ
Zenbook DUO UX8406MAは安くはない。しかし家電量販店などで付与されるポイントを考慮すれば、グローバルとの価格差は縮まる。なにより50万円を大きく超えるフォルダブルノートPCと比べれば超安いし、処理性能も高い。Corning Gorilla Glassでカバーされているディスプレイでは、安心してスタイラスペンを使用可能だ。
バーチャルディスプレイ環境にも魅力を感じてはいるが、携帯&設置しやすいマルチディスプレイ環境として、Zenbook DUO UX8406MAは魅力的。新たなスタイルのノートPCが登場するまでは、本製品の後継機を買い続けようと考えている。