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Wi-Fiより100倍速い?光無線通信「LiFi」がIEEE 802.11bbとして承認

 光を利用した無線通信技術「LiFi」を開発するスコットランド企業pureLiFiおよびFraunhofer HHIは12日(現地時間)、IEEEアライアンスにおけるLiFiの標準規格「IEEE 802.11bb」が批准したと発表した。Wi-Fi標準規格「IEEE 802.11」に並ぶものとなる。

 LiFiは無線の周波数ではなく、通信に可視光と不可視光(赤外線)の両方を使用するのが特徴。無線のように物体を透過できないため、アクセスポイントとデバイス間がお互い直接見える必要があるが、逆にこれによって「デフォルトで軍用レベルのセキュアな通信」、「干渉/輻輳/マルチユーザーによる劣化がない通信」を実現できる。また、Wi-Fiの3分の1の遅延を実現する。

 一方、デバイスをポケットに入れただけで通信できなくなってしまうため、Wi-Fiや5G通信の代替技術ではなく、相互補完技術としての運用を想定している。可視光の照度に関して、pureLiFiの「LiFi-XC」の場合、60ルクスの照度で通信できるという。

 pureLiFiは、IEEE 802.11bbに対応するデバイス側の製品として「Light Antenna ONE」を投入。幅約14.5mmで、スマートフォンへの組み込みを可能とし、量産準備もできているという。通信速度としては「ギガビット対応」という表現にとどまっている。これは最終的な速度はライトアンテナに依存するためとしている。

 一方、アクセスポイントのような役割を果たす製品として「LiFi Cube」を用意。こちらの通信速度は250Mbpsとなっている。また、ダウンライト型の「LiFi@Home」といった製品の情報も掲載されている。

 なお、LiFi全般を紹介するホームページによると、LiFiはテストラボにおいて既存のWi-Fiと比較して100倍速い(最大1,000倍速いとも)224GB/sを実現できたという。もっとも、この速度がそのまま製品に降りてくるわけではなく、IEEE 802.11bb規格批准のリリース中でも224GB/sの記述がないため、実際の製品はメガ~ギガビット級でスタートする可能性が高いが、混信せずセキュアな通信規格の登場は、喜んで迎えられるのではないだろうか。