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AIフル活用の「Microsoft 365 Copilot」。文書もプレゼン作成もAIとの対話で完結
2023年3月17日 01:41
米Microsoftは16日(現地時間)、LinkedInにおいてプライベートイベント「The Future of Work with AI」を開催。この中でAI機能を統合したオフィススイート「Microsoft 365 Copilot」を発表した。
このところChatGPTのように自然言語処理を使ったAI技術が飛躍的に進歩しているが、ついにこの技術を一般的なビジネスでも使われるMicrosoft 365にも取り込んだ。
製品名にある「Copilot」、つまり「副操縦士」が示すように、ユーザーはCopilotに自然言語で要望や指示を出すだけで、非常に高度で複雑な処理を簡単にできるようになる。ユーザーは最小限の時間で生産性を最大限にまで引き出すことが可能になり、ビジネスにとって新しい時代の幕開けとなる。
そもそもMicrosoft 365(旧Office)は非常に豊富な機能を備えていたが、ほとんどのユーザーはそのうちの10%の機能しか使っていなかった。Copilotを使うことで残り90%の機能の潜在能力を引き出すことができるとしている。
Copilotの特徴はユーザーがアクセスできるデータを縦断し、フルに活かす点であり、イベントでは以下のことがデモされた。
Outlook
メール文面も、相手に伝えたい大まかな内容をCopilotに伝えるだけで適宜作成してくれる。文面の長さも数クリックで調整が可能。
なお、スマートフォン版でも同様にメール文面が作成でき、返信にかかる時間を大幅に短縮できる。
PowerPoint
プレゼンテーションで述べたい内容、ページ数をCopilotに指示するだけで、ユーザーが持つ関連データや写真などを参照し、見栄えが非常に良いプレゼンテーションをほぼ自動で作成できる。アニメーションの追加もCopilotに指示するだけ行なえる。
デモでは「娘の卒業を祝うプレゼンテーション」の作成をしていたが、娘の写真アルバムから適宜写真をピックアップしていた。
ビジネス向けのデモでは、既存のWord文書からPowerPointプレゼンテーションを生成する様子が示された。また、スライド中のテキストを減らし、スピーカーノートの自動生成を行なえる様子が示された。
Word
書きたいことを1段落Copilotに伝えるだけで文書を代筆。すでに持っているメモ書き等がある場合はそれを挿入できる。
デモでは「娘の卒業を祝うスピーチ」を作成していたが、スピーチする時間に合わせた長さに自動的に文面の長さを調節したりする様子が示された。
またビジネス向けのデモでは、長い文章の要約を自動で行なっていた。
Teams
先日、日本マイクロソフトの発表会でもTeamsへGPT-3.5の統合が発表されていたが、会議中にこれまでの会話の概要を自動的にまとめる議事録的な機能がデモされた。
また、カレンダーの予定からのタスクの作成、チャットスレッドのこれまでの会話の要約、ファイルからのデータを抽出してチャットに貼り付けるといった操作がCopilotへの指示だけで行なえる様子が示された。
さらに、予定している会議で役立つ資料を自動検索し、例えばExcelファイルから必要なデータの抽出、そして抽出したデータをPowerPointに貼り込むといった作業もCopilot経由で行なっていた。
Copilotはセキュリティにも重視
このように、Microsoft 365が本来備えている豊富機能を簡単に指示するだけで実現するCopilotだが、その実現にはやはり大規模言語モデル(LLM)の存在が欠かせなかった。Copilotでは、Microsoft 365アプリからのプロンプトを直接LLMに渡しているのではなく、いったんMicrosoft Graphに投げて、ユーザーのメール/ファイル/会議/チャット/カレンダー/連絡先といったデータを根拠付けして処理。
これを編集されたプロンプトとしてLLMに投げている。そしてLLMのレスポンスをもとに再度Microsoft Graphに戻して根拠付けを行ない、LLMの応答ともにユーザーに渡しているという。
Copilotの登場により大きく変化するMicorosft 365。新しいPCの活用法、新しいオフィススイートの使い方は、もうすぐそこまで来ている。