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ASRock、Ryzen 7000向けX670Eマザーを国内発表。20周年記念モデルも

X670Eマザーボードシリーズ

 ASRockは、AMDの次世代CPU「Ryzen 7000」シリーズに対応するX670Eチップセット搭載マザーボード製品を国内向けに発表した。

 ラインナップはフラグシップの「X670E Taichi Carrara」および「X670E Taichi」、高耐久モデルの「X670E Steel Legend」、スタンダードな「X670E Pro RS」、ライトゲーマー向けの「X670E PG Lightning」を用意。すべて9月30日19時発売で、実売予想価格は順に10万4,980円、9万9,980円、6万980円、5万6,980円、5万2,980円前後の見込み。

まずは上位のX670E搭載モデルのみ展開。8層PCBなど高品質なパーツを使用

 全製品共通でRyzen 7000シリーズに対応する製品となり、CPUソケットには新たにSocket AM5を採用。DDR5-5200までのメモリや最大170W TDPまでのCPUのサポートに加え、計28レーンのPCI Express 5.0、背面USBポートの拡充など、全体的な強化を図っている。

 上位チップセットにはX670EおよびX670があるが、今回同社が投入するマザーボードではすべてX670Eを採用。どちらもデュアルチップセット設計を採用しており、チップセットそのものは共通だが、上位のX670EではビデオカードおよびM.2の両方でPCI Express 5.0接続に対応する一方、X670ではM.2のみで対応するといった点が異なる。

従来のソケット/チップセットとの比較
X670とX670Eチップセットの詳細

 各製品でPCI Express 5.0対応M.2スロットや強化DDR5メモリスロットなどを装備。さらに、2オンス銅箔層を使った8層PCBを採用し、CPUやメモリにおける信号の信頼性向上を図る。またこれにより、従来の6層PCBと比べてMOSFETで5℃、PCBで29℃の温度低下も実現しており、性能面だけでなく、基板上のパーツに対する負荷軽減にも寄与できるとしている。

 加えて、長寿命なニチコン製12Kブラックコンデンサ、インターフェイスを分けることでポーリングレートの高いゲーミングマウス/キーボードの性能を引き出すLightning Gaming Port(X670E Pro RS除く)、Wi-FiモジュールのSMAケーブルを外れにくくするモジュールキャップ(Wi-Fi搭載製品のみ)、BIOS内にLANドライバをプリインストールすることで各種ドライバ導入を容易にするAUTO DRIVER INSTALLERなども採用している。

 そのほか、昨今の大型ビデオカード装着時に便利なカードホルダーや、拡張カードブラケットにUSBポートを取り出し、無線機器用USBドングルの干渉を抑えられるWireless USB Dongle Bracket、オリジナルキーキャップなど、アクセサリ類も付属する。

PCI Express 5.0対応M.2スロットを全製品で標準装備
強化DDR5メモリスロット
今回発表の全機種で8層PCBを採用
多層化は発熱の面でも有利だとする
ドライバCDがなくても簡単にドライバ導入ができるAUTO DRIVER INSTALLER
ビデオカードホルダーなど便利なアクセサリも付属する

X670E Taichi Carrara/Taichi

X670E Taichi Carrara

 「X670E Taichi Carrara」および「X670E Taichi」は、今回発表の製品の中で最上位に当たるフラグシップモデル。フォームファクタはExtended ATXとなる。

 前者は同社の20周年を記念した特別モデルで、通常モデルのTaichiをベースに、高い強度や耐久性を持つCarrara(大理石)をコンセプトとしたデザインをカバーパネルなど各所に施している。また、同様のデザインをあしらった120mmケースファンも付属する。

X670E Taichi。なお、今回は設計の都合上、歯車はデザインのみで回らないとのこと

 後者はTaichiの通常モデルとなり、シリーズのアイコンでもある歯車のデザインを継承。105A品の24+2+1フェーズSPS(Smart Power Stage)電源およびチョークコイルを搭載し、円滑で効率よく安定してCPUへ電源を供給できるとする。

 背面にはUSB4(Thunderbolt 4)ポートも2基標準で備えており、対応機器との高速データ通信/映像出力も行なえる。さらに、M.2 SSDスロット用のファン付きヒートシンク「Blazing M.2 Gen 5 Fan Heatsink」も同梱する。

24+2+1フェーズのSPS電源を搭載
USB4(Thunderbolt 4)ポートも2基標準搭載
ファン付きヒートシンクも同梱(他製品では別売オプション)

 そのほか共通の主な仕様は、メモリがDDR5×4、拡張スロットがPCIe 5.0 x16×2。ストレージがM.2×4(PCIe 5.0 x4が1基、同4.0 x4/SATAが1基、同4.0 x4が2基)、SATA 6Gbps×8。ネットワークは2.5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6Eを装備。

 背面インターフェイスは、USB4(Thunderbolt 4)×2、USB 3.1×5、USB 3.0×3、HDMIなどを用意する。

X670E Taichi Carraraの主な仕様
X670E Taichiの主な仕様。奇しくもTaichiシリーズ自体もこれが20製品目になるという

X670E Steel Legend

X670E Steel Legend

 X670E Steel Legendは、ATXフォームファクタの中での上位モデルに当たる製品。従来モデルから引き続き、高い耐久性を特徴としつつ、背面のUSBポートを拡充し、使い勝手を向上した。

 電源は16+2+1フェーズのSPS。今回発表されたマザーボードの中で、この製品のみ2.5Gigabit EthernetとGigabit Ethernetによる2つの有線LANを備えている。

 主な仕様は、メモリがDDR5×4、拡張スロットがPCIe 5.0 x16、同4.0 x4。ストレージがM.2×4(PCIe 5.0 x4が1基、同4.0 x4が3基)、SATA 6Gbps×4。無線ネットワークはWi-Fi 6Eを装備。

 背面インターフェイスは、USB 3.2 Type-C、USB 3.1、USB 3.0×6、USB 2.0×4、HDMI、DisplayPortなどを用意する。

X670E Pro RS

X670E Pro RS

 X670E Pro RSは、ユーザーに必要とされる機能やパーツをすべて取りそろえたとするスタンダードな製品。フォームファクタはATXで、拡張性も十分に確保したとしている。電源は14+2+1フェーズのSPSとなる。

 主な仕様は、メモリがDDR5×4、拡張スロットがPCIe 5.0 x16、同4.0 x1×2。ストレージがM.2×5(PCIe 5.0 x4が1基、同4.0 x4が3基、同3.0 x2/SATAが1基)、SATA 6Gbps×6。ネットワークは2.5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6Eを装備。

 背面インターフェイスは、USB 3.1 Type-C、USB 3.1、USB 3.0×4、USB 2.0×4、HDMI、DisplayPortなどを用意する。

X670E PG Lightning

X670E PG Lightning

 X670E PG Lightningは、ライトゲーマーなどに向けてコストパフォーマンスを重視した製品。これまで展開してきた「Phantom Gaming 4」の後継機にあたる。

 製品名が変わるのにあわせ、電源回路周りを注力して刷新。14+2+1フェーズのSPS電源を採用したほか、これまで最小構成だったヒートシンクについても大型のものを使用したり、M.2スロットにもヒートシンクを標準で装備するなど、各所で強化を図った。I/Oパネルも標準で装着済みの設計となる。

Phanton Gaming 4から製品名を変更
I/Oパネルも標準で装着済みの設計に

 主な仕様は、メモリがDDR5×4、拡張スロットがPCIe 5.0 x16×3、同4.0 x1。ストレージがM.2×4(PCIe 5.0 x4、同4.0 x4、同4.0 x2、同3.0 x4/SATAが各1基)、SATA 6Gbps×4。ネットワークは2.5Gigabit Ethernetを装備。

 背面インターフェイスは、USB 3.2 Type-C、USB 3.1、USB 3.0×6、USB 2.0×4、HDMI、DisplayPortなどを用意する。