ニュース

大型ホイールパッド搭載のレッツノート「FV1」。14型で0.999kgから。画面は3:2のQHD液晶

レッツノート「FV1シリーズ」

 パナソニック株式会社は、レッツノートの新シリーズとして、最小重量0.999kgで画面比3:2の14型モバイルノート「FV1シリーズ」を発表した。QHD(2,160×1,440ドット)の高解像度を採用しつつ、フットプリントを13.3型サイズに収めた小型の新筐体や大型ホイールパッドを搭載。価格は直販モデルが27万6,100円から。

 今回2021年夏モデルとして、14型のFV1シリーズのほか、光学ドライブ付き12.1型モバイルノート「SV1シリーズ」、重量0.949kgからの12型コンバーチブル2in1「QV1シリーズ」も投入。SV1は春モデルに対して、SSDの接続バスがPCI Express 3.0から4.0へと進化し、高速化。QV1は春モデルのQV9から第11世代Core搭載へと変わった。直販価格はSV1が25万9,600円から、QV1が28万3,800円からとなる。

FV1
SV1
QV1

 新しいシリーズとして登場したFV1は、フットプリントが13.3型のため、同じ14型ディスプレイを備えるLV9シリーズに対して、体積で約28%小さくなっており、持ち運びが容易であるほか、レッツノート史上最薄の5.3mmの狭額縁を採用。さらに、画面解像度も3:2と縦に広く、フルHD(1,920×1,080ドット)で16:9のLV9より、余裕を持ってデスクトップ領域を使うことができる。

 本体の厚みは18.2mmで、LV9の24.5mmよりもかなり圧縮され、同社14型モデルのモバイルノートとしては最薄となった。それでもレッツノートの代名詞でもある“タフさ”は変わらずで、100kgfの加圧振動試験、76cmからの落下試験もクリアした頑丈筐体を実現。狭額縁ディスプレイの側面部分は本来強度が下がるものだが、側面部分に新開発の構造を採用することで、横からの衝撃に十二分に耐えられる強度を確保した。

側面の厚み
天板

 CPUは第11世代Core(Tiger Lake)で、店頭モデルはCore i7-1165G7またはCore i5-1135G7、直販および法人向けモデルはvPro対応のCore i7-1185G7またはCore i5-1145G7を採用。さらに、Intelがモバイルノートとしてのスリープからの復帰の速さなど、一定の高速性や性能を保証するEvoプラットフォーム対応モデルもあり、こちらは法人仕様の「Evo vPro プラットフォーム」となる。

直販限定となるFV1のEvoプラットフォームモデル
直販のパナソニックストアでは、Evoプラットフォームモデルの扱いだけでなく、天板などのカスタマイズも可能

 CPU性能を引き出すための独自技術「Maxperformer」にも対応し、定格仕様時よりも高性能に動作させられることに加え、FV1では新開発の大型デュアルファンを搭載。LV9よりも放熱フィンが薄型化され、排熱効果が高まっており、薄型筐体でも確実な冷却を可能にする。

内部の基板やファン

 また、レッツノートでは初となる5Gモデル(Sub6対応)も用意し、Nano SIM+eSIMのデュアルSIMに対応。4G LTEモデルもあるが、こちらはNano SIMスロットのみとなる。5Gモデルのほうは、ディスプレイの上部と下部にそれぞれアンテナが2本ずつの合計4本あり(4Gモデルは上部2本のみ)、アンテナ感度を強化しているといった違いもある。無線LAN等は共通で、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1を利用できる。

5Gアンテナ

 さらに、モデルによってはこれまたレッツノート初となるバックライトキーボードを採用。Fn+Escを押すことで、段階的に明るさを変更できる。筐体は13.3型のフットプリントだが、キーピッチ19mmの幅を、キーストロークは2mmの深さを確保した。

 キーボード周りで特に目に付くのは、大型化したホイールパッドで、LV9と比較して約2.2倍の面積となり、直径64mmまで拡張された。レッツノートでは10.1型のRZシリーズを除いて、伝統的な丸形のタッチパッドを採用しているが、その形状から大型化には筐体サイズの制限がつきまとい、最近のモバイルノートの長方形のタッチパッドと比較して、面積で劣っていた。しかし、今回飛躍的な大型化に成功。使い勝手が向上するとともに、従来通りホイールをなぞってスクロールを行なうお馴染みの操作も行なえる。

キーボードバックライト搭載
大型化したホイールパッド

 インターフェイス周りはレッツノートらしく、LANやミニD-Sub15ピン、SDカードスロットといったレガシーな端子を揃えているが、Thunderbolt 4(USB PDとDisplayPort対応)を2基装備するなど、USB 3.0のType-Aポートも含めて、新旧を取り揃えた豊富さを見せる。

 映像出力はThunderbolt 4×2、HDMI、ミニD-Sub15ピン、そして本体のディスプレイを合わせて最大で4画面出力が可能。CPUのディスプレイ制御回路の仕様で5画面出力はできず、その際はいずれかで出力が行なえない。

左側面は、ACアダプタ、HDMI、Thunderbolt 4×2、音声入出力端子、USB 3.0
右側面は、Gigabit Ethernet、USB 3.0×2、SDカードスロット、ミニD-Sub15ピン

 電源はお馴染みの丸形コネクタのACアダプタを使用するが、Thunderbolt 4ポートにUSB PD充電器を繋いで充電することも可能。さらに、直販のEvo vPro プラットフォーム対応モデルのみとなるが、こちらはACアダプタだけでなく、100W出力対応のUSB PD充電器が付属する。FV1本体もUSB PD 100Wの入力に対応し、急速充電が行なえる。この手のモバイルノートとしては、貴重なバッテリ着脱可能な仕様で、バッテリーパックSは2,543mAh、同Lは4,786mAhの容量を備える。

USB PD対応の充電器。100Wまで対応する

 FV1/SV1/QV1それぞれに搭載された新要素として、AIを活用したノイズ除去機能「COMFORTALK」(コンフォトーク)が実装されており、Web会議中に不意に入ってしまうような救急車のサイレン、キーボードのタイピング音、赤ちゃんの泣き声などを含めた無関係な人の声をカット。Intel第11世代Coreに搭載されているAIアクセラレータのGNA(Gaussian & Neural Accelerator)を利用した機能となっている。

 加えて、FV1では今回新たに音圧の高いボックス型スピーカーを搭載し、音響効果ソフトのWaves MaxxAudioと合わせて、音量と音質を向上。人の声の聞き取りやすさを重視したプロファイルを適用可能で、ヘッドセットなどを別途使わずとも、快適にWeb会議をこなせるとしている。

【表】レッツノート プレミアムエディション選択時の構成
型番CF-FV1SRCQPCF-FV1SSCQPCF-FV1SSDQPCF-FV1STCQP
本体色シルバーダイヤモンドジェットブラックジェットブラックシルバーダイヤモンド
CPUCore i7-1185G7(4コア、最大4.8GHz、vPro対応)
GPUIntel Xe Graphics
メモリLPDDR4X 32GB
ストレージPCIe SSD 256GB/512GB/1TB/2TB
ディスプレイ14型QHD液晶14型QHD液晶
タッチ操作対応
反射防止フィルム付
14型QHD液晶
解像度2,160×1,440ドット
OSWindows 10 Pro
バッテリ駆動時間バッテリS:約10.5時間
バッテリL:約20時間
汎用ポートThunderbolt 4×2(USB PD、DisplayPort対応)、USB 3.0×3約12.5時間
カードリーダSDカードスロット
映像出力Thunderbolt 4×2、HDMI、ミニD-Sub15ピン
WAN4G LTEあり/なし選択(Nano SIM)5G(Nano SIM+eSIM)
通信機能Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1、Gigabit Ethernet
WebカメラフルHD画質
セキュリティ顔認証センサー、指紋認証センサー
その他ステレオスピーカー、アレイマイク、音声入出力端子
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)約308.6×235.3×18.2mm
重量バッテリS装着時:約1.034~1.134kg
バッテリL装着時:約1.134~1.234kg