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東北大、電池を高性能化する「グラフェンメソスポンジ」の有償サンプル提供を開始

グラフェンメソスポンジの構造模型

 東北大学材料科学高等研究所および同多元物質科学研究所は10日、電池の性能向上に利用できるカーボン新素材「グラフェンメソスポンジ」の有償サンプル提供を開始すると発表した。

 グラフェンメソスポンジ(GMS)は、2016年に同グループが開発した新素材。電池用カーボン材料として設計され、欠陥のない1枚のグラフェンシートが緻密な泡状の構造となったもの。

 従来の素材では多孔性と耐久性の両立が困難だったが、GMSではこれらを両立し、さらに柔軟性も兼ね備えて機械的な耐久性にも優れる点が特徴。電池の性能向上に寄与でき、リチウムイオン電池や燃料電池、全固体電池など、様々な用途で利用が期待されるとしている。

 研究グループでは、GMSの工業化を目指して有償のサンプル提供を開始。MTA契約(Material Transfer Agreement、研究成果物提供契約)に基づいて提供し、様々な用途で利用することで得られるフィードバックから、材料の改良などを進めていくとしている。

(上)GMSの特徴、(下)従来の材料に対するGMSの利点