スパコン「富岳」、3月9日から共用開始。社会での本格利用がはじまる

富岳

　理化学研究所(理研)と高度情報科学技術研究機構(RIST)は9日、スーパーコンピュータ「富岳」の共用を3月9日に開始すると発表した。富岳は、理研が富士通と共同で2014年度から開発し、2020年5月に筐体の搬入が終了。その後共用開始のための整備が進められていた。

　富岳は登場してからまもなく、2020年6月に行なわれたスーパーコンピュータ世界ランキングの「TOP500」、「HPCG」、「HPL-AI」、「Graph500」の4部門で首位を獲得するとともに、続く11月のランキングでも首位となり、2期連続で世界1位を達成している。

　また、新型コロナウイルス対策利用としても、2020年4月から試行的に利用され、下記の記事のような感染シミュレーションなどの解析に活用されている。

　こうした試行のなかで、高性能並列計算での功績を称えるゴ－ドン・ベル賞のファイナリストとして、大規模数値流体シミュレーションと史上最大規模の気象計算で選出されている。

　共用開始については、一般公募における一般利用・産業利用課題にすでに81件の応募が来ており、選定が進められている。今回の選定に加え、有償利用も含めた随時利用課題の募集も予定しているという。

　共用開始当日は記念式典および記念イベント「HPCI フォーラム」を開催する予定。