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PC上でリアルタイム/高解像度な津波浸水予測を実現するAI。開発に富岳を活用
2021年2月16日 12:40
東北大学災害科学国際研究所、東京大学地震研究所および株式会社富士通研究所は16日、高解像度でリアルタイムな津波浸水予測AIモデルの構築に成功したと発表した。スーパーコンピュータの富岳を活用して開発している。
津波浸水予測用AIモデルに沖合で観測された津波波形を入力すると、沿岸域における浸水状況を3m単位の高解像度で予測できるというもの。構造物などによる局所的な津波の高さの変動などを含む、詳細な浸水予測を実現する。構築済みのAIモデルを利用して予測するため、一般的なPCでも数秒で高精度な予測が可能で、予測用システムを容易に構築できるようになる。
予測用AIモデルの構築では、必要な教師データの生成とAI学習をどちらも富岳上で行なうことで開発効率を高めた。教師データの生成では、3m単位の津波浸水シミュレーションを実施して、2万件のデータを用意。AIモデルの構築では、沖合で観測した津波波形から浸水状況を概算するAIと、概算した浸水状況を高解像度化するAIによって学習を行なうことで、津波の波形情報をもとにした浸水状況の予測を実現する。
構築したAIモデルと一般的なPCを用いて南海トラフ地震による東京湾内の津波浸水予測を行なったところ、さまざまな津波シナリオにおいて数秒で高精度な予測が可能であることが確認できたという。開発チームでは、さらなる学習を進めることで、より広範囲な予測が可能なAIも構築できるとしており、技術の実用化に向けてAI技術の拡張や予測精度の評価を今後進めていくとしている。
