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「Radeon RX 5600 XT」がBIOS更新でメモリ帯域が17%向上
2020年5月8日 10:43
AMDによると、アッパーミドルビデオカード「Radeon RX 5600 XT」は、規定の12Gbpsよりも高速な14Gbps対応のGDDR6メモリをあらかじめ搭載したモデルが多く存在し、各メーカーからリリースされたBIOSを適用することで性能向上できるという。
Radeon RX 5600 XTのリファレンスでは、GPUのゲームクロックが1,375MHz、ブーストクロックが1,560MHz、メモリの速度が12Gbpsという仕様である。このうちGPUクロックについては多くのメーカーがオーバークロックをした状態で出荷しているが、メモリクロックについては12Gbpsのものが多かった。
しかしハードウェアとしては14Gbpsに対応したGDDR6を搭載するモデルが多いようで、実質メモリ速度をBIOSで制限した上で出荷している状況であった。そこで1月末辺りから、TGP(Total Graphics Power)を引き上げるとともに、メモリ速度を14Gbpsに向上させ、GPUのクロックも高めたBIOSを各社が順次配布を開始したようだ。
一例としてGIGABYTEの「Radeon RX 5600 XT GAMING OC 6G」の工場出荷時BIOS「F1」は、TGPが150W、ゲームクロックが1,560MHz、ブーストクロックが1,620MHz、メモリクロックが12Gbpsという設定であるが、新BIOS「FA0」では、TPGが180Wに引き上げられ、ゲームクロックが1,670MHz、ブーストクロックが1,750MHz、メモリクロックが14Gbpsに引き上げられている。
ビデオカード | 旧BIOS(F1) | 新BIOS(FA0) | Radeon RX 5700 8G(参考) |
---|---|---|---|
ベースクロック | - | - | 1,465MHz |
ゲームクロック | 1,560MHz | 1,670MHz | 1,625MHz |
ブーストクロック | 1,620MHz | 1,750MHz | 1,725MHz |
メモリバス幅 | 192bit | 256bit | |
メモリ速度 | 12Gbps | 14Gbps | |
メモリ帯域 | 288GB/s | 336GB/s | 448GB/s |
TGP | 150W | 180W |
単純計算では、ゲームクロックで演算性能が7%、メモリクロックで帯域が約17%向上する。ことGPU性能に関しては、上位のRadeon RX 5700のリファレンスに匹敵することになる。ただその分消費電力も増える。
AMD公式のページから、各メーカーのBIOS更新ページへのリンクが用意されており、5月8日時点ではASRock、ASUS、GIGABYTE、MSI 4社の10モデルがオンラインで配布をしている模様だ。そのほかの機種についても小売業者から入手できるとしている。
なおRadeon RX 5600 XTの実売価格は35,000円前後で、Radeon RX 5700との価格差は5,000円程度。一方競合のGeForce GTX 1660 Tiは3万円台前半で、こちらより3,000円程度高い。5600 XTはおおむね1660 Tiを上回る性能を発揮できているが、新BIOSその差がさらに広がりそうだ。