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2020年第2四半期のスマホ生産は16.5%減の記録的下降に

 市場調査会社のTrendForceは4月30日(現地時間)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が2020年度のスマートフォン市場に影響をもたらし、近年のなかでも大きな生産減につながったとの調査結果を公開した。

 調査内容によると、2020年第1四半期における世界のスマートフォンの生産量は前年比10%減の約2億8,000万台となり、過去5年間のなかでもっとも低い。パンデミックが生産再開を遠のかせ、労働力および材料不足が発生したことから、工場の生産効率が上がらなかったことが原因となった。

 一方、第2四半期については、サプライチェーンと製造・生産ラインが再開されることで改善が見られるものの、パンデミックによってスマートフォンの需要そのものが落ち込んでいる。そのため、現時点での試算では、生産量が前年比16.5%減の2億8,700万台とし、既知の四半期のなかでも記録的な大幅減になっているとのこと。TrendForceの予測では年間合計の生産量は前年比11.3%減の12億4,000万台になるとしている。

 TrendForceは個別のメーカー分析で、当初Appleが5台の新モデルを投入したことから、生産台数が年間2億台に達すると予測していたが、パンデミックによる生産低下が影響。第1四半期におけるiPhoneの生産量は前年比8.7%減の3,790万台となった。第2四半期では、低価格モデルとして発売されたiPhone SEの動きが注目されるが、生産量は第1四半期と近い数字になると見込んでおり、3,600万台ほどだろうとしている。

 また、Appleが第2四半期に4製品の5G対応iPhoneを投入するとしているが、パンデミックによって市場の需要は落ちており、とくにiPhoneの主要販売地域である欧米において高価な新モデルがどういった影響を与えるのか注目されると述べている。