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「Huawei Mate 30」シリーズを実機で体験してみた
2019年9月20日 12:30
Huaweiは9月19日(現地時間)、ドイツ・ミュンヘンで新製品発表会を開催し、同社のフラグシップスマートフォン「Mate 30」シリーズを発表した。本稿では、Mate 30 ProとMate 30の2モデルを写真で紹介する。
Mate 30 Pro
Mate 30 Proは、Mate 30シリーズの上位モデルに位置づけられる製品。従来モデルのMate 20 Proと比べると、背面カメラのデザインが変わったことで、見た目の印象はかなり異なっている。個人的には、円形となったMate 30 Proのほうが好みだ。
サイズは73.1×158.1×8.8mm(幅×奥行き×高さ)。Mate 20 Proと並べてみると、わずかに大きくなっていることがわかる。それでも、手に持った感じでは劇的な差は感じられなかった。背面は側面付近がなだらかにカーブしているため、手への収まりも悪くない。ただ、重量は198gで、スマートフォンとしてはかなり重い部類だ。さすがに手にするとずっしりとしている。
側面まで大きくカーブしているHorizon Displayは、サイズが6.53型の有機ELパネルで、表示解像度は1,176×2,400ドット。正面から見ると、確かに左右は完全なベゼルレスに見える。また、上下のベゼル幅もかなりせまく、ほぼ全面がディスプレイという印象だ。そのためか、上部の切り欠きの存在感が強い。
背面のカメラは、超広角レンズ、広角レンズ、3倍望遠レンズ、3D深度センサーの4眼仕様。P30 Proでは屈曲光学系レンズを採用した5倍望遠レンズの採用が特徴となっていたが、Mate 30 Proでは望遠レンズは3倍にとどめられている。とはいえ、5倍望遠は使う場面を選ぶだろう。個人的には3倍望遠レンズのほうが使いやすいと感じる。LEDフラッシュなどはカメラユニットの左側に配置している。
カメラ部分はフラットで、円形の部分が本体からやや盛り上がっている。テーブルに置くとがたつく可能性があり、できればケースを装着して利用したい。
Mate 30
続いてMate 30だ。こちらも背面に円形のカメラユニットを配置するなど、デザインコンセプトはMate 30 Proと大きく変わらない。ただ、ディスプレイは平面となり、上部や下部の側面は曲線を取り入れるなど異なる部分もあり、双方を横に並べてみると違った印象を受ける。
サイズは76.1×160.8×8.4mm(同)と、Mate 30 Proよりわずかに薄いものの、フットプリントはこちらのほうが大きい。Mate 20 Proも加えて並べてみても、Mate 30がもっとも大きい。とはいえ、Mate 20 ProやMate 30 Proと比べて大きな違いがあるわけではなく、手にしてもサイズの違いを実感することはなかった。重量は196gとMate 30 Proより2g軽いが、こちらも違いがわかるほどではない。
ディスプレイは、平面の「FullView Display」。6.62型の有機ELパネルで、表示解像度は1,080×2,340ドット。側面までカーブしていないため、一般的なスマートフォンに近い見た目だ。緩やかな角のカーブに合わせて、4つの角が緩やかな曲線となっている点も、Mate 30 Proとの違いを感じさせる。
側面がカーブしていないため、左右ベゼルは十分に実感できるが、それでもベゼル幅はかなりせまく、正面から見るとほぼ全体がディスプレイという印象。Mate 30には前面カメラ部に3D深度センサーやジェスチャーセンサーを搭載しないため、上部の切り欠きはやや小さい。とはいえ、こちらも存在感は抜群で、気になる。
背面カメラは、Mate 30 Proと構成は異なっているが、見た目の印象はほとんど変わらない。4眼構成に見えるカメラユニットに、左側にLEDフラッシュなどを配置する点や、カメラユニット部が背面からせり出している点などは同様。とはいえ、4眼のうち1つはレーザーセンサーのため、カメラ自体は3眼仕様となる。
Mate 30 Proの各種機能をチェック
ここからは、Mate 30 Proの各種機能を写真や動画でチェックしていこう。
まず最初にOSから。Mate 30 ProはOSにAndroid 10ベースの「EMUI 10」を採用。ただ、Google Mobile Servicesを搭載せず、Googleのアプリやサービスが利用できない。設定メニューのアカウント設定項目でも、Googleアカウントの登録は行なえないようだ。
EMUI 10の新機能としてはダークモードがある。メニューなどが黒バックで表示されるようになるだけでなく、有機ELパネルのため消費電力も抑えられる。
ボリューム調節は、側面をダブルタップして指を上下にスライドさせて行なう。Xperiaの「サイドセンス」に近い操作性だが、なかなか軽快な操作が可能だった。
次にジェスチャー機能の「エアジェスチャー」。こちらは前面カメラ部のジェスチャーセンサーを利用して、手を使ったジェスチャー操作が行なえるというもの。手をかざして手を認識したら、上や下に手を移動させることで画面スクロールが、また手を握ると画面キャプチャーが行なえる。操作は慣れるまで少々難しいと感じる。
前面カメラと顔認証機能で登録した顔情報を利用して、覗き見を検知したら通知などを自動的に非表示にするプライバシー機能も搭載。登録した人ではない顔を検知したら、重要な情報を自動的に非表示とするため、これはかなり便利に使える機能と感じた。
Mate 30 Proの機能で、とくに便利に感じたのが、前面カメラを活用して利用者の目の位置を捉え、利用者が見ている方向に画面の向きを自動的に切り替える「AI Auto-Rotate」機能だ。顔情報の登録は不要で、顔の向きに合わせて自動的に画面表示の向きが切り替わるのは非常に便利。この機能は今後いろいろなスマートフォンで採用される可能性が高そうだ。
最後にPCとの連携機能だ。こちらはHuaweiのPC「Mate Book」シリーズとの連携で、Mate 30 Proの画面をPCに表示するだけでなく、PCからMate 30 Proを操作したり、ファイルをドラッグ&ドロップで双方に転送できる。これもPCを使っている人にとってかなり便利な機能と感じた。