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ファーウェイ、Kirin 980搭載フラグシップ「Mate 20 Pro」を国内投入

Mate 20 Pro

 華為科技日本株式会社(ファーウェイ・ジャパン)は、最新SoC Kirin 980を搭載したスマートフォンのフラグシップモデル「Mate 20 Pro」を30日に国内発売する。価格はオープンプライスで、税別店頭予想価格は111,800円前後の見込み。

 7nmプロセスで製造されるKirin 980プロセッサを搭載。69億トランジスタを集積し、NPUを内包、AI処理が高速に行なえる。旧モデルのKirin 970と比較してCPU性能効率は約75%、NPU性能効率は約226%向上したという。

 バッテリは4,200mAhを搭載。機械学習による最適化で電池駆動時間を延長するという。付属のACアダプタは40Wの急速充電に対応し、約30分で約70%充電できる。別途の無接点充電器による充電にも対応。さらに、Qi規格対応のデバイスに対して無接点給電できるワイヤレスリバースチャージ機能を備える。

 カメラ面ではLeicaとの協業を継続し、3つのレンズを搭載。2,000万画素の超広角レンズ(16mm相当でF2.2)、4,000万画素の広角レンズ(27mm相当でF1.8)、約800万画素の3倍光学望遠レンズ(80mm相当でF24)となっている。

 超広角は2.5cmまで近づけられるマクロ撮影機能も備え、広角は1/1.7インチセンサーにより受光面積を広げ、最高ISO 102400での撮影が可能。AIによる自動モード選択機能を備え、ポートレートモードではボケ効果をカスタマイズ可能になった。

 ディスプレイは3,120×1,440ドット表示対応の6.39型OLED。片手で持ちやすいカーブ形状の筐体を採用し、滑りにくいハイパー・オプティカル・パターン加工を施した。IP68準拠の防水防塵機能も搭載する。

 このほか、AIによる動画撮影機能、画面内指紋認証、3D顔認証、AIVisionによる物体認識・検索、3Dカメラを利用したオブジェクトのスキャン、L1/L5デュアルバンドGPS機能、AIによる位置情報確認、PCモードの搭載などが特徴。

 メモリは6GB、ストレージは128GB。インターフェイスはIEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 5.0、USB Type-Cなどを搭載。センサーは加速度、コンパス、ジャイロ、環境光、近接、ホール、気圧、赤外線リモコン、レーザーセンサー、指紋など。

 本体サイズは約72×158×8.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約189g。

製品実機
ポルシェとコラボデザインの「Mate 20 Pro RS」も展示された

競合を凌ぐ機能満載

呉波氏

 11月28日に都内で開かれた製品発表会では、ファーウェイデバイス 日本・韓国リージョンプレジデントの呉波氏が冒頭で挨拶。Huaweiのスマートフォンは全世界の2018年第2~3四半期でシェア2位を獲得したほか、日本国内においても6月~10月のAndroid機でシェア1位、SIMロックフリースマートフォンシェア1位、前年同期比の成長率で1位、Androidタブレット製品においても1位のシェアを獲得したことなどをアピールした。

 また、既存のP20 Proは、VGP 2019スマートフォン部門の金賞、そしてDGP(デジタルカメラグランプリ)2019で、はじめて賞(企画賞)を受賞したスマートフォンであることなどをアピール。性能やカメラ機能をさらに強化した今回のMate 20 Proについても、すでに海外メディアから多数の評価を得ているとし、強い自信を見せた。

Huaweiのこれまでの実績

 新製品の説明においては、デザイン性と持ちやすさの両立、ダイナミック・プレッシャー・センシング(DPS)技術による画面内指紋認証の高速化、世界初のNM(Nano Memory)カードの採用、デュアルスピーカーの内蔵、IPX8/IP6X対応の防水防塵、すべりにくいマイクロ3Dテクスチャによる表面加工、そしてミッドナイトブルーとトワイライトという2色展開などについて語られた。

デザイン面の特徴

 新SoCであるKirin 980は、Cortex-A76+Cortex-A55をベースとしたCPU、Mali-G76 GPU、デュアルNPUなどを内蔵し、性能を向上させた。これにより、タッチ反応の高速化やアプリ起動速度の改善、スムーズな操作を実現。加えて、長期間利用しても性能が低下しない特徴を併せ持つ。

 バッテリ容量は4,200mAhと大きく、競合のGalaxy Note 9より20%、iPhone XS Maxより25%駆動時間が長いという。また、最大40WのSuperChargeによる急速充電で、30分で約70%充電できるという。別売りの「HUAWEI Wireless Charge」を購入すれば15Wの無接点急速充電が可能。ほかのQi対応デバイスへのワイヤレスリバースチャージ機能も搭載した。

 無線LANはIEEE 802.11acで、1,733Mbps通信に対応。L1+L5デュアルバンドGPSとAIによる位置情報により、高層ビルが立ち並ぶ市街地でも高精度な測位が可能としている。

機能/性能面の特徴

 お得意のカメラ機能については、業界最大となる1/1.7インチセンサーの採用でISO感度を102400まで引き上げられることを挙げ、暗所でも写真撮影ができるとする。また、露光が異なる10フレームの写真を合成する「スーパーHDR技術」によりワイドレンジ露光を可能にした。広角レンズによるマクロ機能や、AIによる被写体認識で、背景をモノクロ化する動画撮影機能などもアピールされた。

 前面カメラは2,400万画素で、逆光や暗所にも強いという。また、誤認率100万分の1と謳う3D顔認証、3D Live絵文字機能、3Dスキャン機能なども特徴。

カメラ機能の特徴

 OSはAndroid 9.0をベースとしたEMUI 9を採用。新たにジェスチャーによるナビゲーションが可能になったほか、アプリロックやツインアプリ、プライベートスペース、ファイルのSafeボックスといったプライバシー保護機能を搭載。見ている写真を2本指で長押しすると、それを認識してショッピングできる機能や、観光スポットや物体の認識、言語の翻訳、食べ物の種類や大きさに応じたカロリー計算なども可能となった。

カメラ機能の特徴
公式の別売り周辺機器

 発表会には、タレントの安田美沙子さんとキャスターの皆藤愛子さんもゲストとして招かれた。安田さんは子供の成長記録、皆藤さんはペットなどの動物の撮影にカメラやSNSを多用していると言い、本製品は私生活にぴったりの1台である語った。また、3Dキャラクターのスキャン機能も実演され、ARによりそのキャラクターとともに写真や動画が撮影できることが披露され、安田さんは「子供が喜びそうな機能です」と話した。

安田美沙子さん(左)と皆藤愛子さん(右)