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小中学生が富士通の世界最軽量13.3型UHシリーズのPC組み立てに挑戦
2019年8月5日 12:01
株式会社島根富士通と富士通クライアントコンピューティング株式会社は、2019年8月3日、島根県出雲市の島根富士通において、小中学生を対象にした「富士通パソコン組み立て教室」を開催した。
14回目となる今年(2019年)の組み立て教室では、「LIFEBOOK WU2/C3」の組み立てに挑戦した。
同製品は、13.3型ワイド液晶搭載ノートPCとして世界最軽量の698gを実現した「LIFEBOOK UHシリーズ」をベースに開発した同社直販サイト「WEB MART」向けモデルで、今回の参加費用は、最軽量の重さにあわせて69,800円に設定した。昨年(2018年)も重さにあわせた価格設定を用いているため、最軽量の記録を更新するたびに、参加費用が引き下がるという結果になっている。世界最軽量ノートPCを生産しているという島根富士通の自負が、こんなところにも反映されている。
ちなみに、組み立てた「LIFEBOOK WU2/C3」の重量は約747gとなっており(選択したカラーによって重量は異なる)、組み立てたPCは、検査後に各家庭に届けられることになる。
また、会場では自ら組み立てたPCで、プログラミング学習も実施。島根県発祥の開発言語「Ruby」をベースに、小学生向けに開発されたSmalrubyを用いて、簡単なゲームを作成した。
島根富士通では、「モノづくりやプログラミングの体験を行なうことで、小中学生に対するICT技術への興味や関心の育成、さらには地域への社会貢献を目的に開催している。今回の組み立て教室は、『軽く、薄く、そして強く』をコンセプトに、限界をきわめた軽さと圧倒的なモビリティを実現したモバイルノートPCを、自らの手で作る貴重なモノづくり体験をする機会になるほか、今後のICT社会に 必要なソフトウェアにふれる機会を提供する」としている。
参加したのは25組の親子。当初は20組の定員としていたが、応募が多かったため、25組に増やした。島根県内からは20組が参加。すべてが出雲市からの参加となった。そのほか、神奈川、大阪、兵庫からも参加した。学年別では、小学5年生が5組、小学6年生が5組、中学1年生が4組、中学2年生が8組、中学3年生が3組。また、男子が21組、女子が4組となった。
本体カラーは、3色のなかから選択ができ、ピクトブラックが13組、アーバンホワイトが9組、ガーネットレッドが3組だった。
「人気モデルであり、応募も多かった。当初の応募定員に比べて、参加者数を増やしたのは、最軽量モデルを、1人でも多くの人に体験してもらいたいと考えたため」(島根富士通の神門明社長)とした。
組み立てた「LIFEBOOK WU2/C3」は、WEB MART専用モデルで、CPUにはCore i3-8145U(2コア/4スレッド、2.1~3.9GHz)を採用。メモリは4GB、SSDは約128GB、13.3型非光沢液晶ディスプレイを搭載している。また、Office Home & Business 2016のプリインストールモデルも選択できた。
島根富士通によると、実際の生産工程では、部品点数は222点で、これを13分で組み立てているが、今回の組み立て教室では、約5分の1の作業量とし、37点の部品(うちネジが5種類29本)を使用して、約60分で組み立てた。ちなみに、メインボードには、約1,300個の部品が搭載されているという。
午後1時から開始された組み立て教室では、最初に島根富士通の神門明社長が挨拶した。
「今日組み立ててもらうのは世界最軽量のノートPCである。昨年のモデルよりも、50g軽くなった。1円玉50枚分だけと思うかもしれないが、1つ1つの部品を一から見直して、1gでも軽くしたいという思いで開発した。
さらに、薄くしたい、丈夫にしたい、長時間駆動させたいという思いを実現するために、富士通の技術の粋を集めて完成させたものである。薄く、軽く設計したため、組み立てにくいところもあると思うが、今日はモノづくりのプロがサポートする。自分で作り上げる世界で1台のPCづくりを楽しんでほしい。そして、作り上げたPCを身近において、スマートフォンではできないPCならでの使い方にも挑戦してほしい」とした。
続いて、島根富士通の社員により、PCの主要部品の説明や組み立ての概要について説明した。
島根富士通の組み立て教室では、毎年、司会進行を行なう社員が、旬のキャラクターに扮するのが恒例であり、今年は、日本で開催されるラグビーワールドカップにあわせて、ラグビー日本代表のユニフォームで登場。
「1人はみんなのために、みんなは1つのことのために」というラグビーで使われる言葉を示しながら、「今日の組み立て教室は、この言葉どおりに、みなさんをサポートする。みなさんは、完成というゴールに向かってほしい」と呼びかけた。
午後1時15分過ぎからはじまったPCの組み立ては、島根富士通の社員が、各参加者に1人ずつ付いて、参加者を支援。午後2時35分には全員の組み立てが終了。無事にPCは稼働した。
島根富士通の工場見学
続いて行なわれた工場見学では、3グループ分かれて、基板実装ラインや組み立てラインを見学。さらに、電動ドライバーを使用したネジ締めなどを体験した。ネジ締め競争では、10本のネジを25秒間で締めた子供もいた。「組み立てラインに入ることができる社員は26秒以内がルール。その水準をクリアしている。即戦力になる水準。ぜひ島根富士通に入社してほしい」(島根富士通の山根淳執行役員)と驚いていた。
工場見学が終わったあとに行なわれたプログラミング学習では、Smalrubyの開発者である高尾宏治氏が講師を務め、ネコのイラストを動かしたり、ネコから逃げるゲームを作成。約40分間のプログラミング学習を親子で楽しんでいた。
午後5時にはすべてのプログラムが終了。参加者は帰路についた。
神門社長は、「来年(2020年)は島根富士通が操業してから30周年を迎える。また、組み立て教室も15回目を迎えることなる。節目のイベントとして来年も開催したい」と意欲を見せる一方で、「例年の開催時期だと東京オリンピックの期間中にぶつかる。開催時期については検討する必要がある。さらに、最軽量ノートPCの重量にあわせた参加費の設定も継続したいが、すでに原価を割っている。そのあたりも悩みどころ」と来年の開催には2つの懸念事項があることも明かす。
最軽量ノートPCの開発をリードする富士通クライアントコンピューティング 開発本部第一開発センターの小中陽介センター長は、今回の組み立て教室に参加後、「さらに最軽量のノートPCを出す」と意気込みを見せており、来年の組み立て教室で、島根富士通が、参加費の設定をいくらにするのかにも注目が集まる。