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Intel、第9世代Coreプロセッサに「Meltdown」対策をハードウェア実装

~開発中の“単体GPU”のコンシューマ向け投入も明言

第9世代Core i9プロセッサ

 インテル株式会社は11日、同社のコンピュータビジョンデモやソリューションを紹介する「テクノロジー・ショーケース」を開催した。

 同時に、第9世代Coreプロセッサなどの国内発表も同時に開催。本稿ではその模様をお伝えする。

 製品の詳細については既報(Intel、8コア/16スレッド・最大5GHzの「Core i9-9900K」など第9世代CoreIntel、18コアで最大4.5GHzの「Core i9-9980XE」)を参照されたい。

ソケット面

 同会には、インテル株式会社 執行役員 マーケティング本部本部長の山本専氏、同社 執行役員常務 技術本部本部長の土岐英秋氏が登壇。

インテル株式会社 執行役員 マーケティング本部本部長 山本専氏
同社 執行役員常務 技術本部 本部長 土岐英秋氏

 山本氏は、世界におけるPCのトレンドは、ゲーミングノートPCが売上高が大きく成長し、デジタルコンテンツクリエイターの増加、VR、業務利用といった分野が成長領域であると説明。

 テクノロジーは世界に大きな変革をもたらしてきたが、そのなかでPCはとくに重要なプラットフォームになってきたと述べ、同社ではPCのイノベーションを絶やさないように努力していると語った。

 デスクトップPCの傾向をみると、過去3年でゲーミングPCの売上成長率は29%を記録し、過去5年間でアンロックドCPUの売上成長率が10%となっており、今後5年で映像コンテンツは4倍に増加するとの予測を紹介。

 クリエイター層は、プロの44%が2年ごとにPCを買い替え、プロシューマや一般クリエイターでも、34%が2~3年で買い換えるという。

 そういった高い性能を求めるクリエイター向けに投入するのが、28コア/56スレッドの「Xeon W-3175X」であり、拡張性に優れたプラットフォームとして「Core Xシリーズ」を投入するとした。

世界のPCトレンド
市場動向
テクノロジーが世界にもたらした変革
クリエイター向け製品
高性能を求めて短いスパンで買い換えるクリエイター層
Xeon W-3175X
Core Xシリーズ

 ゲーム分野においては、量産CPUとしては初の5GHz駆動を実現したほか、メインストリーム初の8コア/16スレッドを採用し、同社史上最高のゲーミングプロセッサを謳う第9世代Coreプロセッサを投入。

 11月5日より、特設サイトでキャンペーンを開催することもアナウンスされた。

 同キャンペーンでは、Eスポーツ大会へのVIPツアー招待などが行なわれるという。

ゲーム業界の変革
eスポーツ革命
ゲーマー向け設計
第9世代Coreプロセッサ
キャンペーン
パートナー

 次いで登壇した土岐氏は、製品の技術的な詳細を解説。

 今回投入された3製品はさらなる性能を追求したものになっていると述べ、第9世代はゲーマー向けの設計になっていると紹介。

 具体的には、初の8コア/16スレッドSKUの用意や、最大5GHz駆動、16MBのキャッシュなどで、ヒートスプレッダとダイの間のTIM(Thermal Interface Material)にハンダを採用(STIM)することで、熱伝導性を向上し、オーバークロック能力を高めたとした。

性能の追求
第9世代Coreプロセッサ
最新技術
STIM

 第9世代Coreプロセッサは、コードネーム“Coffee Lake(-S) Refresh”にあたるもので、アーキテクチャには「14nm++」を採用。より多くのコアを搭載しつつ同じ消費電力で同クロック動作を実現したという。

 同会で言及はなかったが、製品詳細のスライドには「Spectre」および「Meltdown」、「L1 Terminal failure (L1TF)」脆弱性の修正についての情報が記載されており、「Meltdown V3 (Rogue Data Cache Load)」と「L1TF」については、ハードウェアレベルの修正が施されていることが明らかとなった。

 なお、「Meltdown V3a (Rogue System Register Read)」についてはマイクロコード、「Specter V2 (Branch Target Injection)」と「投機的ストアバイパス(Speculative Store Bypass)」についてはマイクロコード+ソフトウェアでの対策となっている。

製品詳細
14nm++プロセス
従来よりも高いゲーム/クリエイティブ性能
Intel史上最高のゲーミングプロセッサ

 クリエイター向けの2製品はコードネーム“Basin Falls Refresh”にあたる製品で、Xeon W-3175Xについては、クリエイター向けのハイエンドプロセッサであると紹介。

 新Core Xシリーズでは、8~18コアをラインナップし拡張性を用意し、AVX-512命令も対応。前述のSTIMの採用と、「Turbo Boost Max Technology 3.0」によって、最大4.5GHz動作を実現しており、もっとも拡張性に優れたデスクトップ向けプラットフォームであるとした。

 加えて、両製品ともに従来の「リングバスアーキテクチャ」から「メッシュアーキテクチャ」へと設計が刷新され、多コア化にともなうレイテンシの増大といった問題を解消し、高い性能を実現しているとアピールした。

クリエイター向けハイエンドプロセッサ
Xeon W-3175X
詳細
Core Xシリーズ
詳細
バランスの取れた性能
メッシュアーキテクチャを採用
まとめ

 発表会の最後には、米Intelでコンシューマ事業部門を統括するGregory Bryant氏(米Intel クライアントコンピューティンググループ シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー)のビデオメッセージが流された。

Gregory Bryant氏(米Intel クライアントコンピューティンググループ シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー)

 この中で、同氏は「同社が進化をうながすプラットフォームの6つの側面」の1つとしてグラフィックス体験を挙げ、2020年に投入を予告しているディスクリートGPU(Intel、2020年に「i740」以来の“単体GPU”投入を予告)を“プラットフォームの中核”として提供すると述べ、コンシューマ向けに投入することを明言した。

臨場感あふれるグラフィックス体験
統合グラフィックスに加えて
外付けグラフィックスも展開
プラットフォームの中核として提供

 ショーケース会場には、第9世代CoreプロセッサやCore X搭載PCなどが展示。

 とくに目を引いたのは、マウスコンピューターのクリエイター向けノートPC「DAIV-NG7630」で、ノートPCながら、デスクトップ向けである8コア/16スレッドの「Core i9-9900K」を搭載。GPUにはGeForce GTX 1080、DDR4-2400メモリ16GB×4、512GB NVMe SSD×2+1TB HDD、Windows 10搭載で、発売は近日予定。

 インテルの説明員によれば、TDPの95W相当の冷却システムがあれば、ノートPCでもCPUクロックは5GHzまで上昇するとのことで、それを実現するためか、本体厚もかなりのもので、相応にパワフルな冷却システムとなっているようだ。

ショーケースの紹介
プラットフォームの変遷
国内では初披露となった、21型湾曲液晶搭載のモンスターゲーミングノート「Acer Predator 21X」(既報)
第9世代Core、Core X搭載ゲーミング/クリエイター向けPC
マウスコンピューターから近日発売予定のCore i9-9900K搭載クリエイター向けノートPC