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Google、72量子ビットを実現した量子プロセッサ「Bristlecone」

Bristlecone

 米Googleは3月5日(現地時間)、72量子ビットを実現した量子プロセッサ「Bristlecone」を発表した。

 量子はノイズや意図しない観測によってデータが失われる可能性があるため、低いエラー率の実現が鍵となっている。同社が以前に取り組んだ9量子ビットプロセッサのエラー率の指針として、読み出しで1%、1量子ゲートで0.1%、そしてもっとも重要な2量子ゲートで0.6%を掲げていた。

 今回、表面コードを用いて1次/2次エラー訂正を調査し、実際のハードウェアで量子アルゴリズムを開発する装置を用意。このアレイを72量子ビットにまで広げた。

 開発チームでは、特定のアプリケーションを調べる前に、量子プロセッサの能力を定量化する必要があるとし、ベンチマークツールを開発。ランダム量子回路をデバイスに適用し、出力サンプルを古典的なシミュレーションと比較し、十分に低いエラー率が得られれば、古典的なコンピュータでは不可能とされていた処理を可能にする「量子超越性」を実現可能として定義した。

 試算によれば、49量子ビットと40を超える回路深度、2量子ビットエラーが0.5%以下であれば、量子超越性が達成できるといい、今回の72量子ビットのBristleconeは、将来的に量子超越性達成できるマイルストーンであると位置づけた。

 今後、Bristleconeは量子ビット技術を使ったシミュレーション、最適化問題、マシンラーニングのエラーレートやスケーラビリティに関する研究などに使われるとしている。