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GLOBALFOUNDRIES、2Tbpsを実現した2.5D HBM

 GLOBALFOUNDRIESは9日(米国時間)、同社の14nm Fin-FETプロセスで製造されるASIC製造サービス「FX-14」に適用可能な2.5D回路積層パッケージング技術のデモンストレーションを行なった。複数のDRAMダイを積層し、特殊なインターフェイスでプロセッサとより広帯域幅な接続を行なえるため、ビッグデータに代表される昨今のニーズを捉えたソリューションだ。

 GDDR5の後継として期待されるDRAM技術HBM(High Bandwidth Memory:広帯域メモリ)は、従来のDRAMの帯域幅が頭打ちになりつつあることをうけ、DRAMダイのスタッキング(積層)によりこの限界を突破することを前提として開発されている。

 HBMにはSoCやCPUなどのダイに直接DRAMを積層する3Dスタッキングと、インターポーザと呼ばれるダイ間を配線する基板にメモリとSoCやCPUとDRAMを別々に配置する2.5Dスタッキング技術が存在する。

 両者はプロセッサのダイに直接DRAMが積層されるか、高速なインターポーザ経由でプロセッサ近傍に接続されるかという点では異なるものの、従来のDRAMのよりも大幅に広帯域な接続を行なうことができるという点では共通している(HBMについてはこちらも参照"1TB/secを実現する次世代GPU向けメモリ「HBM DRAM」がいよいよ量産段階へ")。

 今回GLOBALFOUNDRIESが発表したのは従来のリソグラフィ技術の限界を突破するためのインターポーザ接続技術と転送レートが2Tbpsを超えるマルチレーンHBM2 PHY(物理層)を含む14nm Fin-FET 2.5D ASICソリューション。

 HBM2 PHYはRambusとの協力によって開発されたもので、JEDECの策定した仕様に完全に準拠する。PHYは8基の独立したチャネルをもち、個々が128bitで合計1,024bitのバス幅となり、DRAMダイ8/4/2基のスタックを可能としている。

 GLOBALFOUNDRIESのASIC開発責任者の一人であるケビン・オバックリー氏は、「近年のインターコネクト技術の躍進はめざましく、2.5Dパッケージング技術によってASICはプロセス微細化だけではなし得ない性能を獲得する。そして、我々はASICのデザインから製造、パッケージング技術を持つため上流から下流を通してこうしたソリューションを顧客に提供することができる」としている。

 将来的には同社の7nmFinFETプロセスを採用するASIC製造技術にも同様のパッケージング技術を適用することを予定する。