やじうまミニレビュー

3千円台で買えるWi-Fi時計!ノア精密の卓上モデル「T801AWHZ」を試す

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
「T801AWHZ」(右)をスマホと並べたところ。本稿執筆時点の実売価格は3,278円

 ノア精密の「T801AWHZ」は、電波時計のように標準電波を用いて時刻を合わせるのではなく、Wi-Fiルーター経由でNTPサーバーから正しい時刻を取得する、俗にWi-Fi時計や無線LAN時計と呼ばれるジャンルの製品だ。

 これまでにも複数の製品を紹介しているが、本製品は壁掛け型ではなく、卓上への設置を前提としたデジタル式で、実売3千円台というリーズナブルさが特徴だ。実機を購入したのでレビューをお届けする。

卓上設置を前提としたデザイン。電池で7カ月駆動

 本製品はスマホ約1.5台分程度のサイズで、表面積の大部分を液晶画面が占めている。本製品のバリエーションには、教室や会議室の後方から見えるほど大きな画面サイズのモデルも存在するが、本製品は完全なパーソナルユースで、卓上設置を前提としている。

 駆動は単4電池×2本で、寿命は約7カ月とされている。1年に満たないのはやや気になるが、1日に1回時刻を自動調整することから、一般的な時計と比べてバッテリの消費量は大きいはずで、おおむね許容できるレベルだろう。ちなみにバックライトは非搭載だ。

 単4電池を内蔵することからも分かるように、筐体にはある程度の厚みがあり、スマホやタブレットと並べると厚みが目立つ。背面にはスタンドが用意されているほか、フックに掛けて使うこともできるよう、2つのフック穴が設けられている。個人的にはゴム脚がなく滑りやすいのが少々気になった。

製品本体。見た目は一般的な卓上用の液晶時計だ。幅は公称202mm、高さは81mm
背面。スタンドを使って立てることができる
中央には電池ボックスがある。フック穴を使って壁掛けで使うことも可能だ
パッケージ。店頭売りよりも法人への導入を想定しているようだ
同梱品は取説2種類のみ。単4電池は別売となる

設定はスマホで実施。時刻以外に温湿度も表示可能

 利用にあたっては、電池をセットした段階でセットアップのためのAPモードが有効になるので、スマホを起動し「MAG_****」というSSIDに接続。Web設定の画面が自動的に起動するので、利用するSSIDを選択し、パスワードを入力する。

 以上の操作で正しい時刻が取得され、利用可能になる。非常にシンプルな仕組みで、これまで紹介したWi-Fi時計と比べても迷うところもない。セットアップモードが有効にならない場合は、背面の「AP/RESET」ボタンを長押しするのでもよい。

まずは背面に電池をセットする。必要に応じて「AP/RESET」ボタンを長押しする
セットアップのためのAPモードとなったことが画面に表示される。続けてスマホで設定を行なう
スマホのWi-Fi画面を開いて「MAG_****」というSSIDに接続する(左)設定画面が自動的に表示されるので「初期設定」をタップ(中央)利用したいSSIDとパスワードを入力し、保存すれば自動的に再起動する(右)

 画面に表示されるのは秒を含む時刻(12/24時間制切替)をはじめ、年月日および曜日、さらに温度湿度も表示できる。温度湿度のモジュールの詳細は明らかになっていないが、スイス製センサーを搭載した他社温湿度センサーと比較した限りでは、極端にズレることもなかったので、一定の信頼は置けると見てよさそうだ。

NTPサーバーはもちろんIPアドレスなども設定可能

 さて本製品の特徴として、時刻を取得するNTPサーバーを自前で指定できることが挙げられる。前回までにレビューした壁掛タイプのWi-Fi時計でも、NTPサーバーを変更できない製品と、自由に指定できる製品の2種類があることは紹介済みだが、本製品はより自由度が高い仕組みを採用している。

 さらに本製品はこれに加えて、IPアドレス、ゲートウェイ、サブネットマスク、DNSについても指定できる。見た目からして明らかにパーソナルユース向けの製品なのだが、こうした機能の豊富さは少々意外だ。

 また当然ながらタイムゾーンの設定も行なえる。本製品はWi-Fiに接続している状態では故意に時刻をずらすなどの調整は行なえないが、例えば別のタイムゾーンを指定することで、1時間先の時刻を表示するなどのカスタマイズは行なえる。複数台並べて海外拠点の現地時刻を表示させるといった使い方にも対応できる。

NTPサーバーはプリセットされた先以外に、手動で入力することもできる。1日1回の更新時刻も指定できる
このほかIPアドレス、ゲートウェイ、サブネットマスク、DNSについても指定できる

 Wi-Fiからのデータ取得中は、画面右上にある無線アイコンが点滅する。試しに電池を1度抜き、もう一度入れてみたところ、時刻がいったん2025年1月1日にリセットされたが、無線LANアイコンが点滅を始め、10秒もかからず正しい時刻へ修正された。

 これを見る限り、新しい電池がセットされた時点で、記憶済みのWi-Fiアクセスポイントに接続しに行く仕組みになっているようだ。電池が切れた状態で放置していた場合に、Wi-Fiアクセスポイント情報がどれだけ保持されるかは不明だが、電池消耗のメッセージに従って交換する程度であれば、初期設定からやり直す手間は不要だ。

電池を抜くといったんは2025/1/1 12:00にリセットされるが……
Wi-Fiにアクセスできる環境ならばものの数秒で正しい時刻が表示される
電池が消耗すると右上に警告メッセージが表示される

 一方、時刻取得時にWi-Fiアクセスポイントの電源がオフになっているなどの場合は、当然ながら時刻の更新は行なわれない。試しに本製品の電池を入れ替えるタイミングでWi-Fiルーターの電源を切っておき、本製品が時刻の取得に一旦失敗したのを確認してからWi-Fiルーターの電源を投入したところ、ほかのデバイスのWi-Fiが復旧するのと同じタイミングで、本製品でも正しい時刻を取得できた。

 この挙動を見る限り、時刻が取得できるまで繰り返しアクセスを試みるようなので、万一初回の時刻取得に失敗しても、ユーザー側で何かしてやる必要はなさそうだ。もしWi-Fiルーターの動作に問題がなく、かつ他のデバイスがWi-Fiで通信できているにも関わらず、本製品の時刻が長期にわたって取得できない場合は、本製品のWi-Fi設定が正しくない可能性が高いので、初期設定からやり直したほうがよいだろう。

 ちなみに実際に使って若干気になったのは、液晶の視野角が必ずしも広くないことだ。多人数で覗き込んで使う製品ではないので、極端に広い必要はないが、画面への映り込みを避けるために正面からちょっとずらした位置から見ただけで暗くなるのは困りものだ。液晶パネルの部材がもうワンランク上であれば、より使いやすくなったのではと思う。

正面やや下から見たところ。十分に見やすい
上下方向に傾けると画面が暗く見づらくなる
斜め方向はさらに暗くなる。左右から覗き込む使い方には不向きだ

スマホやスマートディスプレイとの違いとは

 製品の紹介は以上なのだが、本製品を実際にデスク上に設置して使っていると、ふと気づかされることがある。それは「わざわざ本製品を購入しなくとも、スマホやスマートディスプレイで構わないのでは?」ということだ。事実、Wi-Fiで同期された正確な時刻を卓上で表示するだけであれば、PCやスマホ、タブレット、あるいはスマートディスプレイを使うので必要十分だ。

 もちろん一から揃えようとするとコストの差は歴然だし、本製品には温度や湿度を表示できるメリットもあるので一概に比較はできないが、Wi-Fiで正確な時刻を表示する機能は時計というジャンルの中では希少でも、IT系の製品としては特に珍しくはない。掛け時計型であればあまり露見しなかったこの問題、製品の形状が変化すると別ジャンルの製品と役割がかぶってしまう典型例といえる。

スタンバイモードに設定したiPhone 17 Pro Max(左)との比較。正確な時刻を知るだけならばスマホでも十分だ
スマートディスプレイGoogle Nest Hub(左)との比較。Wi-Fi経由で正確な時刻を取得できるという意味ではこちらも本製品と同じだ

 筆者の場合、本レビュー執筆後は壁掛けで利用する予定なので、スマホのような充電が不要、かつスマートディスプレイのように配線が不要な本製品は十分にメリットがあるのだが、使い方や環境によっては、購入してセットアップを終えたあとで、実は手持ちの品で十分に代替できたことに気づいた、といったことになりかねない。本製品の導入にあたっては、こうした点も気をつけておく必要はありそうだ。