やじうまミニレビュー

東プレ初、LED付き静音スイッチ。新型ゲーミングキーボード「REALFORCE GX1」の使い心地は?

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
東プレ「REALFORCE GX1」。価格は3万3,000円

 東プレはREALFORCEブランドからUSB有線式の新型ゲーミングキーボード「REALFORCE GX1」(以下GX1)を本日6日に発売した。本製品最大の特徴は照光仕様の東プレスイッチとして初めて静音タイプが採用されたこと。底打ち音が大幅に低減されており、配信時などにタイプ音が乗りにくくなっている。

 また、打鍵時のストロークに応じて作動点(アクチュエーションポイント)を追従させる「Dynamic Mode」を追加。キー入力のオフ、オフ→オンの切り替えが早くなるので、連打や素早いオフ操作が可能だ。今回発売前に製品版を試用できたので、ショートレビューをお届けしよう。

キー配列とキー荷重の異なる4モデルがラインナップ

 GX1にはキー配列とキー荷重の異なる下記の4モデルがラインナップされている。今回発売されるのはテンキーを省いた80%サイズのみだが、フルサイズは市況を見て検討するとのことだ。

  • 「X1UC11」91キー日本語配列/キー荷重45g
  • 「X1UC13」91キー日本語配列/キー荷重30g
  • 「X1UD11」87キー英語配列/キー荷重45g
  • 「X1UD13」87キー英語配列/キー荷重30g
91キー日本語配列
87キー英語配列

 スイッチは静電容量無接点方式の東プレスイッチを採用。前述の通り、1,677万色から個別にLEDパターンを選べる照光仕様で、静音スイッチとなる。なおロングキーにはグリス処理が施されており、静音化を徹底している。

 物理的な接点を持たない静電容量無接点方式の東プレスイッチは、高耐久性、ソフトタクタイルフィーリング、高速かつ安定したレスポンスという特徴がある。特に耐久性については従来の5,000万回以上から1億回以上に更新。記事執筆時点の最新資料によれば、暫定で1億2,000万回以上の打鍵テストをクリアしているという。

Cherry MX互換の十字軸受けを採用。サードパーティ製の対応キーキャップを利用できる

 本体サイズは365×143.1×38.2mm、重量は1.3kg。従来モデル「REALFORCE RGB」は樹脂製ケースだったが、GX1は表面にパウダーコーティングを施したスチールフレームを採用。またフローティングデザインへ変更することでメンテナンスが容易になっている。

フットプリントは365×143.1mm
ケーブルを中央または左右から出すための溝が設けられている
厚みは38.2mm
USBケーブルの長さは1.6m
キーボード面の角度は実測5度
底面の足を立てたときのキーボード面の角度は実測10度
ケーブル込みの実測重量は1,254.5g
ケーブルを除いた実測重量は1,199g

 キーピッチは19mm、キーストロークは4mm、レポートレートは1,000Hzで、フルNキーロールオーバー(全キー同時押し対応)。従来の「APC(Actuation Point Changer)」を進化させた「Dual-APC」機能を搭載しており、作動点を4段階(0.8mm、1.5mm、2.2mm、3mm)に設定できる「Normal Mode」と、ストロークに応じてオフ操作の作動点が追従する「Dynamic Mode」を利用可能だ。

 なおDynamic Modeはキーごとに個別設定できる。オフの暴発が怖いキーはNormal Mode、連打したり素早くオフしたいキーはDynamic Modeと使い分けられるわけだ。

キーピッチは19mm
キーストロークは4mm
Normal Modeでは作動点は変わらない。Dynamic Modeではストロークに応じてオフ操作の作動点が追従する
Dynamic Modeはキーごとに個別設定できる
キー荷重45gの「X1UD11」で作動点を2.2mmに設定した際の、文字キー(Fキー)の押圧力は実測0.35N
製品パッケージに記載されたスペック情報
説明書は非常にシンプル。詳細情報はQRコードからホームページを参照する

打鍵感は良好、打鍵音は低め。専用ソフトで自由にカスタマイズ

 GX1を使ってみて、最初に感じるのが剛性の高さ。筆者は1人自宅で仕事しているので、ついつい強く打鍵しがちなのだが、強打してもキーにぶれを体感することはなく、底打ちしても衝撃を優しく吸収してくれる。また、作動点を浅く設定すれば、軽いタイピングで入力が可能。ゲームだけでなく、大量のテキスト入力にも適したキーボードだ。

強く打鍵してもぶれを体感することはなく、底打ちしても衝撃を優しく吸収してくれる

 照光仕様の東プレスイッチとして、初めて静音タイプが採用されたことは本製品の大きな売りだが、確かに打鍵音は低めだ。そこで、今回はあえて強く底打ちしたときの動画を下記に用意した。音の大きさは皆様の環境に依存するので、音の質に集中してほしい。底打ちしていても甲高い音は発生しないのだ。軽く底打ちするぐらいの力でタイピングすれば、オフィス内で使用していても迷惑になることはないと思う。

音の大きさではなく質に集中してほしい。個人的な感覚ではオフィスで使っても問題はないと感じた

 GX1には専用ユーティリティ「REALFORCE CONNECT」が用意されている。本ソフトでは、ヒートマップによる利用状況の確認、Dual-APCの設定、キーマップのカスタマイズ、LEDライトの設定、最新ソフトウェアやファームウェアの入手などが可能だ。「マクロエディター」でマクロも設定できるので、カスタマイズ性に不満を感じることはないだろう。

MY REALFORCE
APC
キーマップ入替
イルミネーション
設定

GX1をさらに快適にするアクセサリも用意

 なおGX1の発売にあわせて、パームレスト「REALFORCE ジェル リストレスト テンキーレスサイズ」(価格は7,920円)が3月6日、スペーサー「REALFORCE GX1 キースペーサーセット」(同2,090円)が近日発売される。パームレストはGX1とジャストサイズで、高級ジェル素材「ジェルトロン」が採用されており、手首への負担を軽減してくれる。

 スペーサーは日本語配列用と英語配列用が用意されており、それぞれ2mm厚と3mm厚が同梱。GX1にスペーサーをセットすることで、2mmストローク、3mmストロークに変更できる。さらに快適なゲーム、入力環境を実現したいと感じたら導入を検討してみよう。

東プレ「REALFORCE ジェル リストレスト テンキーレスサイズ」。価格は7,920円
高級ジェル素材「ジェルトロン」は手首への負担を低減するだけでなく、通気性にも優れている。腕時計をつねに装着している方には必須とも言えるアイテムだ
東プレ「REALFORCE GX1 キースペーサーセット」。価格は2,090円

確かな品質のGX1はほかのキーボードと比較する明確な基準となりうる

 GX1はゲーミングキーボードとしてはハイエンドモデルである。「お手頃価格」とはさすがに言いにくいが、機能、スペックが優れているだけでなく、日本国内で開発、製造されており、「フィーリング検査」という工程では熟練の検査員が実際に1キーずつ試打してから出荷しているとのこと。品質にぶれが少ないことは期待できる。

 もし最高品質のゲーミングキーボードを探しているのであれば、購入前に一度はGX1を試してみてほしい。打鍵感は好みにあわない可能性はある。しかし、少なくともほかのキーボードと比較する際の明確な基準とはなるはずだ。