買い物山脈
“全キー30gでテンキーレスで静音仕様でUSB接続”の呪いを受けた筆者が辿り着いたキーボード「REALFORCE GX1」
2023年11月17日 06:28
- 製品名
- REALFORCE GX1(X1UC13)
- 購入金額
- 3万3,000円
- 購入時期
- 2023年10月
- 使用期間
- 2週間
先日、東プレ製のゲーミングキーボード「REALFORCE GX1(X1UC13)」を購入した。筆者としては通算4台目の「REALFORCE」シリーズだ。
REALFORCE GX1は、今年7月のアップデートでラピッドトリガーと同等の機能を搭載したことで一気に品薄になった。その後、10月にようやく販売が再開され、筆者もこのタイミングで入手できた。
購入の理由は、PCゲーマーとしてラピッドトリガーに対応したキーボードを持っておきたいのが1つ。ラピッドトリガー対応の製品はほかにも入手しやすいものがあるのだが、筆者にはREALFORCE GX1、とりわけ「X1UC13」でなくてはならない理由がある。
きっかけは“全キー30gの呪い”である。なぜこうなったのか、長くなるが昔話から始めさせていただきたい。
「REALFORCE」の呪いにかかる
筆者が初めて「REALFORCE」を手に入れたのは、確か2002年のこと。オンラインゲームに熱中する傍ら、GAME Watchの記者になったことで、キーボードも故障しづらく感触のいいものにした方がいいのではないかと感じたのがきっかけだ。
当時は高級キーボードと言えば「Happy Hacking Keyboard」が筆頭で、REALFORCEは後発ながら注目を集めつつある製品だった。その中でも、押下圧が全キー30gに統一された「REALFORCE 106S(LA0200)」(以下REALFORCE 106S)が特に気になった。
PCゲームを遊んでいると、キャラクターの移動などでキーボードを押し続ける時間が長くなる。その際にキーの押下圧が軽ければ、指の疲れが減って長く快適に遊べるのではないかと思った。
秋葉原のショップ(確かクレバリー2号店)で実機を触ってみると、ほかのキーボードより明らかにタッチが軽い。同じREALFORCEでもキーによって押下圧が違う変荷重タイプは、W/A/S/Dキーの押下圧が変化するため、PCゲーム用としては違和感があった。ならばこれしかないと思い、購入。1万6,000円くらいで、Happy Hacking Keyboardよりちょっと安かったと記憶している。
実際に使ってみると、それまで使っていたキーボードよりストロークが滑らかで、入力も軽くて実に快適。最初はホームポジションに置いた小指が、知らず知らずのうちにAキーを押してしまっているということもあったが、慣れれば問題なくなった。
さらに副次的効果として、肩こりが改善されたように感じた。筆者は20代半ばだった当時から肩こりに悩まされており、キーボードを変えたことでわずかでも改善されたのはとても嬉しかった。
自宅用として購入したREALFORCE 106Sがあまりに快適で、職場で使用しているキーボードがどうにもしっくりこない。ならばと自腹で同じものをもう1台購入し、会社に持ち込んだ。これで公私ともハッピーキーボードライフが送れるようになった。
さあ、これが“呪い”の始まりである。
「10周年記念モデル」でさらに強まる呪い
これをきっかけに高級キーボードへの興味が増した筆者は、その後も秋葉原に足しげく通っては、さまざまな高級キーボードを試し打ちした。当時はそれほど選択肢もなかったが、新しいキースイッチが出たと聞けばすぐさま秋葉原に向かい(元々毎週のように通っていたが)、新製品を展示している店を探しては感触を確かめていた。
それ以外にも、GAME Watchの記者という仕事柄、ゲーム向けを中心にキーボードに触る機会は多くあった。それぞれに特徴のあるキーボードに触れ、しっかり感触を確かめて、良し悪しを吟味して記事を書く。そして、そのたびにこう思うのだ。
「やっぱり30gじゃないとダメだな」と。
ほかのキーボードがダメなのではない。筆者の体が“REALFORCEの全キー30g”でないとダメなのだ。ほかのどのキーボードを使うとタッチが重く感じるし、肩こりも悪化する。こうして筆者は、“REALFORCEの全キー30g”以外のキーボードは使えなくなってしまった。
さらにその後の2012年、ゲーム用ならキーボードとマウスの距離が近い方がいいなと思い始め、テンキーレスタイプが欲しくなったところ、ちょうど東プレが「REALFORCE」の10周年記念モデル「REALFORCE 89S-10th(ND31BS)」(以下REALFORCE 89S-10th)を発売した。
テンキーレスで全キー30gという筆者の希望を満たしつつ、キーは新たに静音タイプのスイッチを搭載。1,000台限定というので即購入した。価格は2万3,000円くらいで、当時としてはかなり高価だ。
これがまた素晴らしい製品で、従来の全キー30gの製品と同じキータッチであるだけでなく、キースイッチが静音仕様になり、打鍵音が圧倒的に静かになった。以前のものも決してうるさくはないのだが、これを使ったらもう元には戻れない。
この年、筆者はGAME Watchを離れてフリージャーナリストになった。仕事で使っていたキーボードも自宅に引き上げ、手元に3台のREALFORCEが揃うことになった。もうちょっと離職が遅かったら、きっと会社用にREALFORCE 89S-10thを買い足していただろう。
20年で3台の「REALFORCE」を使い続けた理由
そして現在。つい最近までREALFORCE 89S-10thをメインに、REALFORCE 106SをサブPCにと2台を使い続けてきた。最後に買ったREALFORCE 89S-10thでさえ、もう11年である。
実はこの間も、新しいキーボードを買おうとは思っていた。手元の3台は困ったことに、接続が全てPS/2端子。最近のPCは、デスクトップPCでさえPS/2ポートを持たないものが増えてきたので、必然的に今のキーボードは交換が必要になると思っていた。
が、そこは自作PCユーザーの強み。PS/2ポートを搭載するマザーボードを選び続けることで何とかなった。というかPS/2搭載製品が今も意外と多く、さほど困らない。
またREALFORCEの耐久性の高さも一因だ。公私ともにこれだけ酷使されたにも関わらず、3台とも故障の兆しは一切ない。同社自慢のキースイッチが頑丈でも、ケーブルや基板がやられることはありそうだが、幸いなことにそれもない。昇華印刷されたキートップの印字はかすれもなく、一部のキートップが擦れてツルツルになっただけだ。結果、買い替える必要性がなく今に至る。
これまでの話を総合すると、買い替えの対象となる製品は、“全キー30gでテンキーレスで静音仕様でUSB接続のREALFORCE”に限定される。あまりに渋い条件で、もはや呪いと呼ばざるを得ない。
それに沿う製品は、東プレがちゃんと出してくれてはいる。難しいのはREALFORCE 89S-10thからのアップグレードポイントが、PS/2接続がUSB接続に変わることと、Windowsキーが付くくらいであること。そのために2万円以上も出すことを思うと、まあ急ぐことはないかな……となってしまう。
これはひとえにREALFORCEシリーズの極まった高性能と高耐久性のおかげであり、ぜいたくな悩みである。素晴らしい製品を世に出してくれた東プレにはただただ感謝しかない。
ちなみにPS/2 to USBの変換器を導入するという手もあるのだが、1つ試してみたところ、同時押しに対応するキーが少なく、ゲームプレイに支障が出たため諦めた。Nキーロールオーバーに対応する変換機を探すのも手だが、PS/2搭載マザーボードが手に入る現状で、変換機を探す労力と数千円を費やす意味はなかった。
「REALFORCE」が最強ゲーミングキーボードに進化
そしてようやく今回の本題、「REALFORCE GX1(X1UC13)」の登場だ。発売は2023年3月6日。“全キー30gでテンキーレスで静音仕様でUSB接続のREALFORCE”という、筆者の呪いとも言える条件を満たす製品である。
発売時点での本機の特徴は、アクチュエーションポイント(キースイッチがキー入力を認識する点)を調整できること。アクチュエーションポイントを浅い位置にすることで、入力を高速化できる。さらにリセットポイント(キースイッチがキー入力をオフとする点)が、入力の深さに応じて変化する「Dynamic Mode」も搭載し、入力オフも高速化した。
「Dynamic Mode」はいわゆるラピッドトリガーに近い機能なのだが、設定範囲が4段階しかなく、効果は限定的だった。発売時点では本機は今ほど大きな話題にはなっておらず、価格が3万3,000円と高価なこともあり、筆者もそこまで必要性を感じなかった。
その状況を一変させたのが、7月に提供されたアップデートだ。「Dynamic Mode」の設定が0.1mm単位で自在に調整可能となり、他社のラピッドトリガー機能と同等以上の性能を得た。これで本機の人気は跳ね上がり、あっという間に品切れ。ようやく再び入手可能になったのは10月末であった。
これが現在に至るまでの事の顛末となる。なお現在の筆者には、新しいキーボードが欲しいなら“全キー30gでテンキーレスで静音仕様でUSB接続でラピッドトリガー対応のREALFORCE”という呪いが新たにかかっているが、この先10年くらいは本機があれば問題にならないと期待している。
1億回以上の押下耐久性を持つ静電容量無接点方式のスイッチ
では実機の話に移ろう。REALFORCE GX1(X1UC13)のスペックは下記の通り。
キースイッチ | 東プレスイッチ(静電容量無接点方式) |
---|---|
キー数 | 91(日本語配列) |
押下圧 | 30g |
押下耐久性 | 1億回以上 |
キーストローク | 4.0mm |
バックライト | RGB(1,677万色) |
本体サイズ | 365×143.1×38.2mm |
インターフェイス | USB |
重量 | 1.3kg |
価格 | 3万3,000円 |
スイッチは東プレ製キーボードではおなじみの静電容量無接点方式。本機はそれに押下圧を感知する機能が付加されており、ラピッドトリガー相当のDynamic Modeにも対応する。押下耐久性は1億回以上としている。耐久性については筆者は何の心配もしていない。
キー数は91の一般的な日本語配列のテンキーレス。押下圧は全キー30g。同じキー配列で押下圧が全キー45gの製品(X1UC11)と、英語配列でそれぞれ全キー30g(X1UD13)、45g(X1UD11)の計4製品がラインナップされている。
本体サイズは一般的なテンキーレスキーボードサイズだが、重量は1.3kgと相当重い。持ち運びを前提とせず、使用時の安定性を重視したのだろう。インターフェイスは一般的なUSB Type-A。
そして価格は3万3,000円。REALFORCEシリーズはどれも高価だが、本機は特に高い。昨今の物価上昇の影響もありそうだが、性能の高さを考えればこのくらいになるのは納得できる。他社のラピッドトリガー対応製品と比べて特に高価でもないし、仮に5万円と言われても「REALFORCEのゲーミング製品ならそんなもんかな」と納得してしまいそうだ。買うのに躊躇はすると思うが。
変わらぬ30gのキータッチと変わったフローティングデザイン
実機を見ると、キー周辺の外枠がないフローティングデザインを採用しており、これまで使っていた一般向けのREALFORCEシリーズとは雰囲気が異なる。こちらの方が清掃が楽なのに加え、キーボードバックライトが美しく光るのだそうだ。残念ながら筆者はキーボードバックライトが不要なので、早々にオフにしてしまうのだが。
手に持ってみると、かなりずっしりと重く感じる。ほぼ同サイズのREALFORCE 89S-10thは1.2kgで大差ないはずだが、5割増しくらいに重く感じる。筐体がフローティングデザインになって重心がより低くなった影響かもしれない。底面の滑り止めも四隅にあるおかげでしっかりと効き、持ち上げない限りはズレ動く気配はない。
ケーブルは本体中央部に直付けされているが、ケーブルを出す方向は中央と左右の3カ所が選べる。これは筆者が所有する従来製品と同様だ。ケーブル長は中央から出した場合で約1.8mと標準的。
気になるキータッチの方は、REALFORCE 89S-10thと比べてキー荷重の違いは感じられず、使い慣れた30gの軽さで間違いない。打鍵音は静音仕様だけあって静かだが、キーの上げ下げでかすかにシャカシャカという音を感じる。フローティングデザインにしたことによる音の聞こえ方の違いか、使い込んで滑らかになるのかは現状では分からないが、僅かな違いではある。
キーキャップとスイッチの接続部の形状は従来のものから変わっており、丸の中に十字が入っている形(Cherry MX互換)になった。試しにREALFORCE 89S-10thのキーキャップと入れ替えを試みたが、形状が違うため入らなかった。
レイアウトは一般的な日本語テンキーレス。REALFORCE 89S-10thと比べると、WindowsキーとFnキーが増え、いずれも最下段に追加されている。さらにスペースキーがかなり幅広になり、ほかのキーが少し圧縮された形になっている。個人的にはCtrlキーとAltキーの幅が若干狭くなったのが気になるが、慣れの範囲であろう。
フローティングデザインになったことでタイピングに違和感が出るかとも思ったが、そこは全く感じなかった。キートップの形状や角度はREALFORCE 106Sと同じに見えるし、キートップの高さを測ってもほぼ同じ。ゲーミング向けにデザインを変えてきている部分もあると思っていたので、個人的には嬉しい仕様だ。東プレは20年以上前からのデザインによほど自信があるのだろう。
ラピッドトリガーに相当する「Dynamic Mode」
次に期待のラピッドトリガー機能こと「Dynamic Mode」を検証していきたい。設定は専用ツール「REALFORCE CONNECT」を使用する。
「Dynamic Mode」を利用するには、「APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)」のユーザー設定を使う。設定では「Actuation Point」を0.1~3.0mmの間で設定した上、「Dynamic Mode」の「OFFまでの距離」と「ONまでの距離」をそれぞれ0.1~2.5mmの間で設定する。
「Actuation Point」は文字通りアクチュエーションポイントの設定で、指定した深さまで押すとキー入力がオンになる。「OFFまでの距離」は、入力がオンの状態からどのくらいキーが戻されるとオフになるかの距離。「ONまでの距離」はその逆で、入力がオフになった状態から再びキーが押されてオンになるまでの距離となる。
最も高感度な設定にするには、「Actuation Point」を0.1mm、「OFFまでの距離」を-0.1mm、「ONまでの距離」を0.1mmとする。この場合、最初の押し込みが0.1mmで入力オンになり、その後は0.1mmでも戻るとオフ、再び0.1mmでも押されるとオンになる。
その下にある「ストロークがActuation Pointを下回っても、Dynamic Modeを継続する」という設定は、「Actuation Point」の設定を深めにしている場合、そのポイントより上まで戻されても、キーが完全に上がりきらないうちに戻した場合はDynamic Modeの状態が継続する。これはアクチュエーションポイントの深さに関わらず、基本的にオンでいいと思う。
このユーザー設定は最大16種類まで保存が可能。そして1キーごとに個別の設定を割り当てられる。W/A/S/Dキーは高感度、その他は少し控え目な感度にして、ファンクションキーなどは「Dynamic Mode」も使わず深めで……といった細かい設定が可能だ。ファンクションキーやカーソルキーなどを含む全てのキーに設定可能で、他社と比較してもかなり強力なカスタマイズ力がある。
試しにアクチュエーションポイントを最低の0.1mmにしてキー入力をしてみたところ、隣のキーにちょっと指が触れただけで誤入力になってしまう場面はある。しかしキーの振動が伝わって誤動作するようなことは一切なく、正確にタイピングしている限りは想定通りに入力される。この辺りの精度の高さもさすがはREALFORCEと感じさせてくれる。
キー入力は確かに高速化
では本機の反応速度がどのくらいなのか調べていきたい。測定はキー入力のオン・オフ時間の測定のため、Dキーを素早く叩くように入力するのを10回繰り返し、入力時間の平均値を取る。データの取得にはRazer製設定ツール「Razer Synapse」のマクロ設定機能(入力時間を記録可能)を使用する。
この方法は筆者の手入力となるため、データのブレは発生してしまうが、キーボードを一定間隔と速度、ストロークで叩くデバイスでもない限りは安定したデータは取れない。今はやむなくこの方法でテストすることにした。
設定は、「Actuation Point」を1.5mmにして「Dynamic Mode」を使わないもの、「Actuation Point」を0.1mm、「OFFまでの距離」を-0.1mm、「ONまでの距離」を0.1mmした「Dynamic Mode」設定で最高感度のものの2パターン。そして旧製品となるREALFORCE 89S-10thを加えた3パターンで比較する。
設定・デバイス | 1回目 | 2回目 |
---|---|---|
REALFORCE GX1:1.5mm/Dynamic Mode無効 | 46.4ms | 40.4ms |
REALFORCE GX1:0.1mm/Dynamic Mode有効 | 37.5ms | 38.9ms |
REALFORCE 89S-10th | 48.6ms | 52.8ms |
最も高速だったのはDynamic Modeを使用して最高感度にした状態となった。アクチュエーションポイント1.5mmでDynamic Mode無効のものと比べると、差は数ms程度と僅かではあるが、1フレームの処理を分けるタイミングになる可能性は十分ある。
Dynamic Modeを無効にしたものは、一般的なキーボードよりアクチュエーションポイントとリセットポイントが少し浅めのため、入力時間が長くなると思われたが、REALFORCE 89S-10thよりは高速だった。もしかすると10年以上使ったREALFORCE 89S-10thのキーは劣化して戻りが悪くなっているのかもしれない。いずれにせよゲーム用のキーボードとして買い替えの意味はある。
ゲーム用と普段用の切り替えもワンタッチで対応可能
専用ツール「REALFORCE CONNECT」をもう少し見ていく。APCのキー配置設定は個別に2つ保存可能。たとえば一方を感度控え目の普段使い用、もう一方を高感度のゲーム用と使い分けができる。
この設定の切り替えはREALFORCE CONNECT上でできるが、キーボード側に設定用のキーなどはない。その代わりに、「キーマップ入替」で特定のキーの機能を「APC Custom1」、「APC Custom2」に入れ替えることで、そのキーを押すだけで設定切り替えが可能になる。筆者の場合は右端のPage Up/Page Downキーに割り当てておいた。
キーマップ入替は文字通りキーの機能を入れ替えるもの。一般的なキーだけでなく、キーボードバックライトの設定変更や、複数のキーを同時押しするショートカットキー、入力遅延も記録可能なマクロキーも設定できる。
また「イルミネーション」タブでキーボードバックライトもカスタマイズが可能。色や明るさ、光り方のエフェクトなどを調整できる。起動時だけのライティングアクションを設定する「起動エフェクト」も用意されているのが面白い。
このほか「設定」では打鍵数の確認も可能。どのキーを何回打鍵したかがが記録されており、ヒートマップとして打鍵数を視覚的に見られる。
タッチを変えずに機能を進化させた最強キーボード
本機を使い始めて2週間ほどが経ち、本稿を含めていくつかの記事の執筆にも使用している。REALFORCE 89S-10thとのタッチの違いは僅かにあるが、違和感になるほどでもなく、移行はスムーズに終わった。
本機を購入したきっかけはラピッドトリガー対応ではあったが、REALFORCEシリーズの最新製品として素晴らしい出来であることも体感している。フローティングデザインに変わったにも関わらず、ベースの安定性は格段に増しており、キーボードの位置が少しでもズレるとストレスを感じる筆者には大変ありがたい。
筆者としてはようやく手に入れたUSB接続のREALFORCEであり、フローティングデザインで掃除しやすくなり、過去の実績から故障とも無縁だと信じている。この先はUSBという規格が潰えるまで使えるはずで、3万3,000円という価格もコストパフォーマンスが高いとさえ言える(異論はあるだろうが本当にそう思っている)。
今後もゲーミングキーボードを含めたさまざまなキーボード製品に触れていくという趣味は変わらないと思うが、当面は本機が筆者のリファレンス製品として活躍してくれるだろう。ぜひメーカー各社には本機を超えるキーボードを作っていただきたいし、東プレにもより磨きをかけた新製品を期待したい。
個人的には押下圧が30gよりもさらに軽く、静音性をさらに高めたキースイッチが登場して、既存のREALFORCEを過去のものにし、新たな呪いをかけてくれる日を待ち望んでいる。