やじうまミニレビュー

こういうのでいいんだよ! 2台のレシーバを同梱、アプリなしで2台のPCを切り替えて使える無線マウス

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
サンワサプライ「400-MA122BL」。色はブルー1色のみ

 横に並べた2台のPCを、切り替えながら操作したいというニーズは少なからずあることだろう。2台のPCの間で1つのポインタを行き来できるようにしたマウスもあるが、多くの場合、アプリのインストールは欠かせず、ややハードルは高かった。

 サンワサプライから昨年(2019年)暮れに発売された「400-MA122BL」は、2つのレシーバを同梱し、ハードウェアのみで、2台のPCを切り替えて使えるワイヤレスマウスだ。2台のPCをアプリで連携させるのではなく、レシーバそのものを2つ用意し、接続先をマウス本体側で切り替えるという、ある意味で力技の製品だ。

切り替えて使える2つのレシーバで万事解決

 マウスは左右非対称で、右手での操作を前提としたボタン配置。ホイールに加えて左右ボタン、さらに左側面には2つの拡張ボタンが搭載されており、ブラウザの「戻る」、「進む」が割り当てられている。奇をてらったところはまったくない。

 レシーバは2.4GHz帯の独自方式で、1つがUSB Type-A、もう1つがUSB Type-Cで、それぞれ異なるPCに差し込んで使用する。接続先の切り替えは、ホイールの手前、ちょうどマウスの頂点部にあるボタンを用いて行なう仕組みだ。

製品本体。センサーはブルーLED方式。左右は非対称で、右手での操作を前提とした形状だ
同梱品。本体のほかレシーバ2個、単3形電池、取扱説明書とシンプル
CDとのサイズ比較。マウスとしては中~大型に分類され、モバイル用としては若干大きい
通常の3ボタンに加えて左側面に2ボタンを搭載。ちなみにグリップ部はラバー塗装も施されておらず高級感はない

 ハードウェアだけで切り替えるため、Bluetoothのように切り替え時のタイムラグもなく、次の瞬間にはすぐにもう1台のPCを操作できる。またわざわざマウスから手を離してキーボードのショートカットを操作したり、あるいは画面上でメニューを開いて切り替えるなどの手間はかからず、マウスを握ったまま切り替えられるので、使い勝手は良好だ。

 アプリで2台のPC間でポインタを行き来させるマウスの場合、画面の端までポインタを持っていくことでもう1台の画面にジャンプする仕組みで、ポインタの移動距離が長くなりがちだ。とくに最近のワイド画面のPCは横に動かす距離がかなり長いため、面倒に感じることもある。

 しかし本製品は2台のPCのポインタのコントロールを切り替えるだけなので、ポインタの位置はそのままに、瞬時に切り替えられる。アプリをインストールしなくて済むため、出先で借用したPCですぐに使えるのも利点だろう。実際に使ってみると「そうだよ、こういうのでいいんだよ」と思わされる。

Type-Aの汎用レシーバ(RC19A)。他社製品でもよく見かける形状
Type-Cの汎用レシーバ(RC19C)。Type-Aのレシーバに比べると突出部はやや長め
ホイール手前のボタンをクリックすることで接続先のレシーバを切り替える
レシーバはいずれも底面の電池ボックス横に収納可能。その上には電源スイッチもある

Type-Cレシーバを使いAndroidデバイスやiPadでも利用可能

 片方のレシーバがType-Cというのもなかなか興味深い。あえて形状が異なるレシーバを同梱することで、空きポートに合わせてレシーバを選べるのはもちろん、結果として対応機種を増やすことにもつながっているからだ。

 今回試したかぎりでは、Windows 10はもちろん、Pixel 3や11インチiPad Proなど、Type-Cポートを備えたAndroidやiPadOSデバイスでも問題なく動作した。詳しい対応OSおよび制限はメーカーサイトを参照されたいが、対応リストに含まれていないAndroid 10も含め、実際に対応するOSの幅はかなり広いように感じられる。

 また左右ボタンが静音仕様になっており、クリック感をきちんと維持しつつも、耳障りなクリック音が周りに響かない設計なのも利点だ。本体左側の拡張ボタンについては残念ながら静音ではないが、メインの2ボタンだけでも十分に有用である。

 価格も2,980円とリーズナブルなこの製品、決して2台のPCがある環境でしか使えないわけではなく、不要な時はもう一方のレシーバを片付けて通常のワイヤレスマウスとしても使えるので、なにかにつけてつぶしが利く。新しくマウスを購入するとき、候補の1つとして検討してみてほしい。

Type-Cレシーバを使うことにより、Assistive Touchを有効にしたiPad Proでもマウス操作を行なえる。ただしiPadOSの仕様上、ホイールの向きはWindowsとは逆になる
Android 10にアップデート済みのスマートフォン「Pixel 3」でも問題なく動作する。こちらはiPadOSと異なりホイールの方向もWindowsと同じだ
左右ボタンは静音仕様