やじうまミニレビュー
迷彩柄が特徴の高性能DDR4メモリ「G.SKILL Sniper X」
2018年4月26日 06:00
いまやCorsair以上の高クロックメモリで名を馳せるG.SKILL。高い動作クロックや幅広いラインナップだけでなく、ヒートシンクバリエーションの多さも同社の特徴だ。2018年2月には、新たにヒートシンクの一部に迷彩柄の模様を施した「Sniper X」シリーズを投入した。
迷彩柄のパターンは3種類用意されている。Urban Camoはモノクロの都市迷彩とブラックのヒートスプレッダ、Digital CamoはASUS TUFシリーズに合わせて設計されたイエローとブラックの迷彩柄、Classic Camoはジャングルグリーンの迷彩柄からインスパイアされたものとなっている。今回、Urban Camoを試用する機会を得たので、簡単に紹介したい。
迷彩柄……というより、ミリタリー系デザインのPCパーツ、ASUSが2009年に投入したTUFシリーズの「SABERTOOTH 55i」が先駆者だろう。TUFシリーズは高耐久のパーツが採用されており、高耐久が謳われていることから、信頼性と連想しやすいミリタリーをテーマにデザインされた。
その後ASUSはそのミリタリーデザインを一歩推し進め、2014年のSABERTOOTH Z97 MARK1で迷彩を取り入れた。以降、GIGABYTEが「GA-X150M-PRO ECC」、MSIが「B150M MORTAR ARCTIC」などでそれに追従し、迷彩柄のマザーボードは一定の市民権を得るようになった。
RGBイルミネーションと同様、好みの分かれそうなデザインではあるが、Sniper Xの迷彩はヒートスプレッダ上部についているだけなので、比較的控えめだ。ヒートスプレッダ自身はヘアライン入りのブラックで質素である。
手持ちのマザーボードではこの迷彩の色や柄にマッチするものがなかったのが残念だった。3種類のバリエーションのうち、Digital CamoはASUS TUFシリーズに合わせてデザインされているが、残り2種類はとくに特定のマザーボードに合わせたものではないので、致し方ないところだ。
迷彩の印刷はインクジェットのような、若干粒子が目立つものだが、間近で見なければわからない程度。迷彩カバーは台形になっているため、遠目には立体的に見えてカッコイイ。
DDR4-2666から34%性能向上
今回試用したのはシリーズ内最速の3,600MHz品。JEDEC準拠のSPDプロファイルは2,133MHzであるものの、XMPプロファイルは3,600MHzでレイテンシは19-19-19-39-2Tとなっている。容量は、1枚あたり8GBの2枚組(合計16GB)だ。性能測定および試用にあたって、Core i7-8700Kと、GIGABYTEのマザーボード「Z370 AORUS Gaming 7」、Intel SSD 330(120GB)、OSにWindows 10 Proなどを利用した。
ベンチマークにはSiSoftware Sandra 2017(SP4)を用いて、メモリのバンド幅、レイテンシ、そしてデータブロックサイズ別の転送速度を測定した。試したパターンは3つで、Coffee Lakeネイティブ動作となるDDR4-2666(マザーボードの自動設定)、ワンランク上となるDDR4-3200(XMPプロファイル)、そしてXMPプロファイルどおりのDDR4-3600を計測した。
結果的に、DDR4-3600はDDR4-2666より約34%ほど高速だった。動作クロック的にもちょうど約35%程度の差があるので、Sniper Xの仕様に見合う性能がCore i7-8700Kによって引き出されていることがわかる。
メモリバンド幅の向上で内蔵グラフィックス性能の向上も予想されたが、3DMarkのSky Diverのテストを行なったところ、DDR4-3600はDDR4-2666からわずか3.8%程度しか性能が向上しなかった。そのままの設定では、Core i7-8700K内蔵グラフィックスはメモリバンド幅をうまく引き出せていないことがわかる。
G.SKILLのメモリは高クロック動作に定評があり、オーバークロック界でよく使われる。いまのところメモリバンド幅を必要とするアプリケーションは暗号化処理といった一部処理に限られているが、そこにボトルネックを感じるユーザーにとって導入する価値はある。
たとえ高クロックが必要でない場合でも、下位モデルが用意されているので、迷彩でPCをコーディネートしたいといったニーズにも応えるものになるといえる。