やじうまミニレビュー
iPhoneに外部ストレージを。Apacer「AH790」
2018年3月1日 06:00
Androidスマートフォンの大半は、microSDカードを備えており、ストレージ容量を拡張できる。その一方でiPhoneは基本的に内部ストレージしか使えず、長期の利用で容量不足に陥ったりする。
とくに16GBや32GBといった小容量のiPhoneを購入した場合、1~2年使っているとストレージ不足に悩まされる。近年、各種アプリも肥大化する一方なので、ユーザーが使えるストレージは圧迫される。
筆者が以前使っていた「iPhone 5s」は、当時最大容量の64GBのモデルだが、引退させるまでの3年間の使用で空き容量19.51GBと出ている。16GBや32GBモデルだったら、とっくにデータやアプリのやりくりに困っていたに違いない。
もちろん、PCを所持していれば、そこにデータや写真、動画などを退避できるわけだが、今どきPCを持ってない人や、所持していても、そのPCのストレージ容量がもともと少ない人も多いことだろう。
ちなみに筆者はPCを所持しているが、iPhoneとPCを接続したのは数えるほどしかない。スマートフォンはそれ単体ですべての機能を完結すべきだと思っており、PCを“母艦”として使うのは、PDA時代のエクスペリエンスに留めておきたいからだ。
Apacerの「AH790」は、そういった窮地に陥ったiPhoneを救うために開発したと思われる製品だ。PCで使えるUSB 3.0に加えて、iPhoneやiPadのLightningインターフェイスも搭載。容量ラインナップは16GB/32GB/64GBあり、iPhoneで撮影した写真や動画の退避に好適となっている。
iPhone内部ストレージとのファイルのやり取りには、専用のファイル管理App「iFileBridge」を介して行なう。起動すると、写真、動画、音楽をジャンル別で一覧表示させるアイコンがあり、ジャンル別にファイルを閲覧して選択、AH790本体にデータをコピーまたは移動ができるようになっている。
また、データのバックアップおよび連絡先のバックアップ、ファイル管理、そしてAH790に直接保存できるカメラ機能も備えている。機能はシンプルだが、必要十分といったところだろう。
気になる転送速度だが、試しに152.3MBの動画ファイルをiPhoneからAH790転送したところ、15.91秒かかった。逆算すると約9.57MB/s。AH790から同じ動画をiPhoneに戻したところ、13.98秒で、逆算すると約10.89MB/sだ。Lightning対応のメモリとしては妥当な速度だろう。
一方PCのUSB 3.0に接続したところ、シーケンシャルリードで73.57MB/s、同ライトで18.11MB/sだった。USB 3.0メモリとしては遅い部類ではあるが、Lightningでの利用が前提なので、さほど問題にはならないだろう。
筐体はiPhone 5sのゴールドによく似合う薄い金色。キャップは以前紹介した「AH180」と同様の回転式だが、コネクタを覆いかぶさったところでカチッと止まる点が異なる。高級感はAH180のほうがある印象だ。
残念ながらAH790は現時点では一般的な家電量販店で入手できず、欲しいユーザーは日本Apacerまで直接問い合わせて欲しいとしている。入手性が改善されれば、iPhoneユーザーとして1個は持っておきたい製品ではある。