やじうまミニレビュー
今どきな2.5インチSSD「Apacer AS450」を試してみた
2017年12月26日 06:00
Apacerの「AS450」は、SATA 6Gbps接続のオーソドックスな2.5インチSSDだ。実売価格は120GBモデルで7,000円強、240GBモデルで1万円強、480GBモデルで2万円前後となっている。今回、Apacerよりサンプルの提供があったので、簡単にご紹介しよう。なお、日本国内での代理店は、多くの光学ドライブの代理販売を務めているエスティトレードだ。
PC Watchとしては久々に2.5インチSSDを取り上げることとなるが、その理由の1つは一にも二にも製品のコモディティ化だろう。かぎられたフォームファクタや規格で実装される製品が、コモディティ化するのも無理はない。
本製品もご多分に漏れず“コモディティ化された”2.5インチSSDである。ちょっと変わったところと言えば、輸送時にSATAコネクタの破損を防ぐラバー製のコネクタカバーがあらかじめ装着されている点と、表面に貼られたカーボン調のシール、そして厚さ7mmの筐体ぐらいだろう。それ以外はいたって普通の2.5インチSSDだ。
SSDの多くは、搭載コントローラやチップなどを、製品情報ページで公開しているのが少なくないが、本製品は非公開だ。試しに分解してみたところ、Silicon Motion製のコントローラ「SM2258G」に加え、キャッシュとしてSK Hynixの4Gb(512MB)DDR3Lメモリ「H5TC4G63AFR」、NANDフラッシュにApacerの刻印がされたチップを2つ搭載していた。
一昔前の大容量2.5インチSSDでは、NANDフラッシュが8個~16個ぐらい実装されているのが当たり前であったが、NANDフラッシュの大容量化により、2017年は容易にここまでシュリンクできることを示す代表例だろう。
ちなみにコントローラに使われるSM2258は比較的ハイエンドなチップであり、1znm世代のTLC NAND、および3D MLC/TLC NANDフラッシュをサポートする。32bitのRISC CPUを搭載しており、独自の「NANDXtend」エラー訂正/データ保護技術によりNANDの寿命を延長。IMFTの3D TLC NAND使用時は、シーケンシャルリードで最大560MB/s、同ライトで520MB/s、ランダムリードは9万IOPS、ランダムライトは8万IOPSを実現しているという。
本製品に搭載されているNANDフラッシュの製造元は不明だが、製品情報にはTLCとのみ書かれているので、この情報を鵜呑みにするのであれば、3D NANDではない、ということになる。一方で、最近の安価なSSDには、DRAMキャッシュを用いずとも高い性能を発揮できるモデルも増えているが、本製品はきっちり512MB搭載している点はポイントだ。
参考までに簡単なベンチマーク結果をお伝えしよう。CPUにCore i7-7700K、DDR4-3200メモリ32GB(Trident Z RGB 8GB×4)、Intel Z270チップセット搭載マザーボード(ASRock Z270M Extreme4)、OSにWindows 10 Homeを用意した。
CrystalDiskMark 6.0.0による計測では、シーケンシャルリードは最大で562.5MB/s、同ライトは466.5MB/sを達成。ATTO Disk Benchmarkでも、550MB/s前後のリードと、460MB/s前後のライトの速度を確認できている。複数回測り直してみたが数値に大きな変化はなく、安定した速度を維持していた。
本製品の保証期間は3年と、競合他社のTLC NAND採用製品と変わらない期間となっている。ここのところ2.5インチのSATA SSDは技術的に枯れてきているので、安心して利用できると言えるだろう。
ちなみに、480GBクラスのSSDは、2011年登場時、16万円前後の高嶺の花であった。まだまだHDDと比較して容量あたりの単価が高いSSDだが、1台で実用に十分耐えうる容量と速度を備えるものとしてはお手頃だ。ノートPCのストレージの交換や、今までインストールを躊躇していたゲームなどの大容量アプリケーションに適している製品だと言える。