笠原一輝のユビキタス情報局

634gでしかも1日余裕なバッテリ。スナドラ版FMV Note UはIntel版より安価で高性能な部分も

左からFMV Note UのUQ-L1(876g)とWU6-L1(634g)、いずれもSnapdragon X(X1-26-100)を搭載している

 富士通クライアントコンピューティング(FCCL)から、Snapdragon Xシリーズを搭載した「FMV Note U」が発表された。重さが634gのWU6-L1と、876gのUQ-L1の2つのモデルが用意されている。

 QualcommのSnapdragon Xシリーズの特徴は低消費電力を維持したまま、x86プロセッサに匹敵する高性能を実現していることだ。ビジネスに使える十分な性能ながら、1日仕事で使ってもバッテリを気にしなくて済む。

 そして、FCCLの直販サイトだけで販売されるWU6-L1は最小構成で634gという軽量さを実現しながら、1日使えるバッテリ駆動時間を実現している。

 今回筆者は発表に先立って、FCCLより試作機を提供され、実際にテストする機会を得たので、その試用結果などを紹介していきたい。

WU6-L1(634g)とUQ-L1(876g)という2つのラインナップ

本体の左右ポート、基本的には左右のポートは従来のIntel版FMV Note Uとまったく同じ

 今回FCCLが発表したSnapdragon Xシリーズを搭載したFMV Note Uは、直販でのみ販売される「WU6-L1」(634g)と、家電量販店やECサイトなどで販売される「UQ-L1」(876g)という2つのモデルが用意されている。それぞれのスペックは以下の表の通りだ。

【表1】FMV Note Uのスペック(FCCL提供の資料より筆者作製)
型番FMV WU6-L1FMV UQ-L1
販路FMV公式パソコン通販サイト量販店など
CPUSnapdragon X X1-26-100Snapdragon X X1-26-100
LCD14型WUXGA14型WUXGA
カラーピクトブラックピクトブラック/ホワイト
OSWindows 11 Home/Pro 64bitWindows 11 Home
Officeなし / M365 2024 H&BM365 2024 H&B
MemoryLPDDR5X 16GB/32GBLPDDR5X 16GB
Storage256GB/512GB/1TB/2TB512GB
CameraフルHD RGBフルHD RGB / Hello
無線LANWi-Fi 7Wi-Fi 7
Security指紋認証指紋認証
本体質量512GB/1TB: 約634g
256GB/2TB: 約640g
黒: 約876g、白: 約886g
サイズ(mm)308.8mm×209×15.8~17.9mm308.8mm×209×15.8~17.9mm
バッテリ容量31Wh63Wh
ACアダプタ65W Type-C65W Type-C

 両者の大きな違いは重量とバッテリ容量にある。WU6-L1は重量が634gで、バッテリの容量が31Wh(WindowsのBatteryReportでは32Wh)。それに対してUQ-L1は重量が876gで、バッテリ容量が63Wh(同64Wh)となる。

 実際には、WU6-L1には、さらなる軽量化のために「ちりも積もれば山となる」式の工夫が加えられているので、単純にバッテリ容量が半分だから634gになったとはいえないのだが、これにより相当な軽量を実現したと考えられる。

 なお、この関係は同じFMV Note UのCore Ultraシリーズ2(Core Ultra 200V)版でも同様だ。WU5-K3は重量が634gでバッテリ容量が31Wh(同32Wh)、UA-K1は848gでバッテリ容量が64Wh(同64.7Wh)になる。

 基本的な大枠は、従来のCore Ultraシリーズ2搭載版(WU5-K3/UA-K1)と同じで、14型WUXGA(1,920×1,200ドット)の液晶パネルを搭載しており、カタログモデルのUQ-L1はメモリ16GB、ストレージ512GB、直販モデルとなるWU6-L1はメモリは16GBないしは32GBを選択可能で、ストレージは256GB/512GB/1TB/2TBの4つの構成からなる。

Snapdragon Xシリーズのローエンドモデルはプライムコアが8コア

右がSnapdragon X(X1-26-100)、左はSnapdragon X Plus

 従来のCore Ultraシリーズ2搭載FMV Note Uと、今回のFMV Note U(WU6-L1/ UQ-L1)との最大の違いは、採用されているSoCがSnapdragon Xシリーズになっていることだ。

 有り体にいえば、SoC以外の部分は若干の違いはあるがほぼ同じなので、SoCとしてCore Ultraシリーズ2かSnapdragon Xシリーズを選べるようになったということだ。

 今回のFMV Note U(WU6-L1/ UQ-L1)に採用されているSoCは、初代Snapdragon Xシリーズの中でも最廉価版のSnapdragon X(X1-26-100)になる。

【表2】Snapdragon XシリーズのSKU構成
ブランドパーツナンバーCPUコアキャッシュマルチコア時最大クロックブースト時最大GPU性能NPU性能メモリ(最大構成)
Snapdragon X EliteX1E-00-1DE1242MB3.8GHz4.3GHz(デュアルコア)4.6TFLOPS45TOPSLPDDR5x-8488
Snapdragon X EliteX1E-84-1001242MB3.8GHz4.2GHz(デュアルコア)4.6TFLOPS45TOPSLPDDR5x-8488
Snapdragon X EliteX1E-80-1001242MB3.4GHz4GHz(デュアルコア)3.8TFLOPS45TOPSLPDDR5x-8488
Snapdragon X EliteX1E-78-1001242MB3.4GHz3.8TFLOPS45TOPSLPDDR5x-8488
Snapdragon X Plus 10-coreX1P-66-1001042MB3.4GHz4GHz(シングルコア)3.8TFLOPS45TOPSLPDDR5x-8488
Snapdragon X Plus 10-coreX1P-64-1001042MB3.4GHz3.8TFLOPS45TOPSLPDDR5x-8488
Snapdragon X Plus 8-coreX1P-46-100830MB3.4GHz4GHz(シングルコア)2.1TFLOPS45TOPSLPDDR5x-8488
Snapdragon X Plus 8-coreX1P-42-100830MB3.2GHz3.4GHz(シングルコア)1.7TFLOPS45TOPSLPDDR5x-8488
Snapdragon XX1-26-100830MB3GHz1.7TFLOPS45TOPSLPDDR5x-8488

 Snapdragon X(X1-26-100)は、CPUが8コア、GPUは1.7TFLOPSの性能を持つ性能制限版となっており、廉価に提供できるように性能などを絞ったバージョンになる。ただ、CPUは8コアと、上位版となるSnapdragon X Plus 8coreと同等のコア数になっているなど、意外と差が小さい。

 実際、Snapdragon Xシリーズの後継となるSnapdragon X2シリーズでは、上位版のSnapdragon X2 Eliteでは18コア(12プライムコア+6パフォーマンスコア)だが、現状の最下位版となるSnapdragon X2 Plus(X2P-42-100)では、6コア(6プライムコア)という構成になっており、Snapdragon X(X1-26-100)の方がCPUコア数が多いのだ。

 Snapdragon Xシリーズのもう1つの特徴は、アイドル時の消費電力とアクティブ時の消費電力という2つの消費電力がいずれも低いことだ。

 Snapdragon Xシリーズは、もともとスマートフォン/タブレット向けに開発されていたSnapdragonシリーズの特徴を受け継ぎ、Qualcommが自社開発したCPUとなる「Oryon CPU」を採用している。

 このため、チップの設計自体が電力効率に特化された設計になっており、性能を優先してきたx86プロセッサと比較すると低消費電力なのだ。

 ただ、近年Intelが、Core Ultraシリーズ1(Meteor Lake)、Core Ultraシリーズ2(Arrow Lake/Lunar Lake)で電力効率を重視したCPU設計やチップそのものの設計を採用したこともあり、電力効率の面では並ばれつつある状況。とはいえ、依然としてPC向けのSoCとしてはトップクラスの電力効率を実現している。

Arm版Windowsの互換性問題は依然としてあるが……

Qualcommが昨年9月に発表したSnapdragon X2シリーズでFortniteが搭載している様子

 Snapdragon Xシリーズは、ArmのISA(Instruction Set Architecture)を採用している。これは、CPUがプログラムと対話するときに利用するときの言語のようなものだ。

 ArmのISAは、Windows PCでこれまで一般的に使われてきたx86 ISAとは基本的に互換性がない。そのため、Arm版Windowsには、x86 ISAをArm ISAに変換するバイナリトランスレーターが用意されており、アプリケーションが発するx86命令を、Arm ISAに動的に変換しながら実行する。

 一度変換されたコードは、キャッシュとしてストレージ上に保存されるため、2度目以降は高速に実行できる仕組みだ。なお、Windows 11の最新版(25H2)では「Prism」というバイナリトランスレーターの最新版が搭載されており、従来よりも高速化が図られている。

 このため、Arm版Windowsでは、基本的にx86アプリケーションも実行できるし、Arm ISA向けに作られたArmネイティブアプリケーションのどちらも実行できる。ただし、前出のバイナリトランスレーターは、Windowsのユーザーモードでのみ動作するため、カーネルモードで動作するデバイスドライバなどにも利用できない。このため、プリンタなどのデバイスドライバは必ずArm版が必要になる。

 一般的なプリンタはボックスドライバと呼ばれるWindowsが標準搭載のドライバで動くが、プリンタメーカー独自の拡張機能を利用する場合などにはメーカーがArm版のドライバを別途提供する必要がある。

 グローバルのプリンタメーカーはほぼ対応が済んでいるが、日本メーカーではそうでないところもあり、エプソンやブラザーなどはすでにArm対応ないしは対応計画を明らかにして対応が進んでいる。

 もう1つの課題は、AAAゲームへの対応だ。AAAのゲームは、アンチチートツールをインストールしないと遊べないようになっているものがあり、アンチチートツールの多くはカーネルモードのデバイスドライバをインストールするため、ゲームパブリッシャーがArmネイティブ版のアンチチートツールを提供するまで、ゲームタイトルを起動できないといった問題が指摘されてきた。

 この問題も解消に向かっており、多くのパブリッシャーがArm版のアンチチートツールをリリースしつつある。たとえば、EPIC GamesのFortniteはその代表例で、EPIC GamesがArm版アンチチートツールをリリースしたことにより、Arm版Windowsでも動作するようになっている。Qualcommはその進捗状況を上記の記事のように「90%が対応済み」と表現している状況だ。

 また、IMEの互換性も長く指摘されてきた。完全に問題なく動作するのは、Microsoft純正でWindows 11に標準導入されているMS-IMEのみで、ジャストシステムのATOK、GoogleのGoogle IMEなどはインストールはできるがx86アプリでしか使えない(ATOKの場合)、そもそもインストールできない(Google IME)などの状況になっており、サードパーティ製IMEはArm版Windowsでは利用できなかった。

 なお、ジャストシステムは2026年2月2日の次期ATOK(Tech Ver.36)から、Arm版Windowsへのネイティブ対応を始める。

 このように、当初はさまざまな互換性の問題が指摘されてきたArm版Windowsだが、互換性の問題は解消に向かっている。もちろん、完全にこうした問題がなくなるわけではないが、大物は解決してロングテールの部分を解消する段階に入った状況になっている。

性能ではCore Ultra 7 258Vを上回ることも

下がCore Ultraシリーズ2(Core Ultra 7 258V)を搭載したUA-K1、上がSnapdragon Xを搭載したUQ-L1、外見的な違いはまったくない

 それでは、Snapdragon X搭載の試作機(UQ-L1)を、すでに発売済みのCore Ultraシリーズ2(Core Ultra 7 258V)を搭載した製品(UA-K1)と、ベンチマークで比較してみよう。なお、UQ-L1の方はほぼ最終版に近いが試作機なので、実際の製品とは異なる可能性があることはお伝えしておく。

 それぞれのスペックは下表の通りだ。

【表3】ベンチマーク環境
FMV UQ-L1FMV UA-K1
SoCSnapdragon X(X1-26-100)Core Ultra 7 258V
メモリ16GB(LPDDR5x-8448)32GB(LPDDR5x-8533)
ストレージ512GB(PCIe 4.0、Micron MTFDKBA512TGW)512GB(PCIe 4.0、SK Hynix HFS512GEJ9X164N)
ディスプレイ14型WUXGA(1,920×1,200ドット/60Hz)/同じ輝度計で200nit前後に設定14型WUXGA(1,920×1,200ドット/60Hz)/同じ輝度計で200nit前後に設定
カメラフルHD(Hello)フルHD(Hello)
キーボードバックライトあり(オフ)あり(オフ)
バッテリ容量(Windows上のスペック)64Wh64.6Wh
カラバリ
OSWindows 11 Pro(25H2)Windows 11 Home(25H2)
重量876g848g

 基本的にはほぼ同じスペックで、14型WUXGA(1,920×1,200ドット/60Hz)のパネルを採用し、64Wh(公式スペックでは63Wh)と64.7Wh(同64Wh)というほぼ同容量のバッテリを搭載している。唯一の違いは、UA-K1はメモリが32GB、UQ-L1は16GBとなるがデータレートはほぼ同じなので、性能に与える影響はあまり大きくないだろう。基本的にはSoC、基板設計、熱設計などが性能に影響を与える構成になっており、ほぼSoCの違いを見るのに適した比較だといえる。

Cinebench 2024

 CPUに重い負荷をかけて、CPUのピーク性能を計測するCinebench 2024では、シングルスレッドはUA-K1(Core Ultra 7 258V)が速く、マルチスレッドはUQ-L1(Snapdragon X X1-26-100)が速いという結果になった。

 この結果は非常にシンプルで、Core Ultra 7 258Vはブースト時のクロックが4.8GHzまで上げられるのに対して、Snapdragon X X1-26-100は上位グレードとの関係の中でいわゆるターボモード時のクロック周波数が規定されておらず、最高クロックは3GHzに制限されている。シングルスレッドの性能は、そうしたターボ時のクロック周波数で決まってくるため、ここはCore Ultra 7 258Vが速いのは当然だ。

 それに対してマルチスレッドの方は、CPUコア数で性能が決まってくる。Core Ultra 7 258Vは、Pコアが4コア、Eコアが4コアで8コアになっている。それに対して、Snapdragon X X1-26-100の方はIntelでいうところのPコア(Qualcommの言い方ではプライムコア)が8コアになっており、今度は逆にQualcommの方が速いのは当然だろう。

 マルチスレッド時の性能がQualcommやAMDに比較してやや劣るというのはCore Ultra 200V登場時からいわれている弱点だ。マルチスレッドで使うことが多いユーザーにとっては、Snapdragon X X1-26-100は悪くない選択肢だといえる。Core Ultra 7 258Vが上位SKUで価格設定も高いことを考えると、この点がSnapdragon X X1-26-100の大きなメリットだといえる。

3DMark

 GPU性能に関しては、明白にCore Ultra 7 258Vのアドバンテージだ。Core Ultra 7 258Vは、Core Ultra 200VのGPUであるIntel Arc 140Vのフルスペック(8xXe2コア)で、薄型ノートPC用としてはGPU性能の高さに定評がある。

 それに対して、Snapdragon X X1-26-100はGPUのフルスペックの性能は4.6TFLOPSだが、Snapdragon X X1-26-100の方は約37%の1.7TFLOPSに過ぎない。その意味ではもともとGPUの性能は低く抑えられているSKUになるので、それが大きな理由の1つだろう。

Procyon Photo Editing Benchmark

 割とおもしろい結果だったのはProcyon Photo Editing Benchmarkの結果だ。このテストはPhotoshopとLightroom Classicを使って写真処理を行なうテストだ。AdobeのCreative Cloudは、以前はArm版がほとんどリリースされておらず、Arm版Windowsの互換性問題の象徴だったが、今はベータ版を入れるとほぼすべての主要アプリがArm版Windowsに対応している。

 ただし、公開されているCreative Cloudのアプリは、PhotoshopとLightroom CC(クラウド版のLightroom)はすでにArmネイティブ版になっているが、Lightroom Classicなどは依然としてx64版になっており、Prismを利用してArm版に変換しながら動作している。

 今回の結果を見るに、Photoshopの処理(Image Retouching Score)とLightroom Classicの処理(Batch Processing Score)があるのだが、前者に関しては差が小さかったが、後者に関しては大きな差がついている。この結果を見るに、性能の観点からはアプリでArm版とx64版の両方があるときには、できるだけArmネイティブ版を利用した方がよいと考えられる。

Procyon Office Productivity Batterylife

 Microsoft 365アプリ(Word、Excel、PowerPoint、Outlook)を利用してバッテリ駆動時の性能とバッテリ駆動時間を計測する「Procyon Office Productivity Batterylife」では、UQ-L1(Snapdragon X X1-26-100)がUA-K1(Core Ultra 7 258V)をバッテリ駆動時間でも、性能でも上回った。

 UQ-L1(Snapdragon X X1-26-100)のバッテリ駆動時間は22時間50分、UA-K1(Core Ultra 7 258V)のバッテリ駆動時間は20時間23分で、約12%ほどUQ-L1(Snapdragon X X1-26-100)の方が長時間駆動できることが分かる。

 バッテリ駆動時の性能に関しては、UQ-L1(Snapdragon X X1-26-100)の方が52%高い性能を発揮していた。なお、Microsoft 365アプリは、現状x64のコードのままで、Prismバイナリトランスレーターを利用しているのにこの結果であることも知っておきたい。

 なお、以下の結果は筆者が計測した結果ではないが、FCCLが計測したデータで、注目したいのはTeamsのようなCPUに負荷がかかるようなアプリケーションでバッテリ駆動すると、UQ-L1(Snapdragon X X1-26-100)はUA-K1(Core Ultra 7 258V)に比べて約43%も長時間駆動できることが分かる。

UA-K1(Core Ultra 7 258V)とUQ-L1(Snapdragon X X1-26-100)のバッテリ駆動時間(資料提供: FCCL)

 ここからいえることは、Procyon Office Productivity Batterylifeのようなアイドル時間が多いテストでのバッテリ駆動時間では、Core Ultra 7 258VとSnapdragon X X1-26-100の差は10%台でしかないが、Teamsのような負荷が高くなるテストだとより差が開くということだ。その意味では、PCに負荷をかけるような環境下で、バッテリ駆動をすることが多いユーザーはSnapdragon X X1-26-100を選ぶ理由があるといえる。

 まとめると、UQ-L1(Snapdragon X X1-26-100)とUA-K1(Core Ultra 7 258V)を比較すると、CPUのシングルスレッド性能や3DはUA-K1(Core Ultra 7 258V)の方が高く、その逆にCPUのマルチスレッドと、バッテリ駆動時間、そしてバッテリ駆動時でのOfficeアプリケーションを利用する際の性能に関してはUQ-L1(Snapdragon X X1-26-100)の方が長く・速いといえるだろう。

634gで1日バッテリが持つ魅力。そしてIntel版よりも安価

WU6-L1の重量を量ったところ、試作機だからか624gとスペックよりも軽かった……

 今回筆者は、634gの方のWU6-L1(31Wh)を実際に業務に使ってみた。午前中に4時間の座学があるカンファレンスでOneNoteを起動して録音状態でメモ取り、午後は1時間の取材をした。

 つまり実質的には5時間程度を使ったという状況だったが、取材が終わった18時の段階でバッテリ残容量は48%だった。つまり、仮にもう3時間程度の利用があって、余裕でバッテリが持つという塩梅だった。これだけ持つと、充電器を持っていかなくても1日を余裕でこなせると感じた。

 また、通常使っているノートPCは14型で1.1kg強の重量のノートPCなのだが、WU6-L1にした結果重量が470g程度減ることになり、荷物を大幅に軽くできた。これだけ軽くなったので、充電器を加えても苦にならないだろうと感じた。とにかく、荷物と重量を減らしつつ、1日バッテリだけで使いたいなら、WU6-L1はすばらしい選択になるはずだ。

左がUQ-L1の白基調の文字表示のキーボード、右はWU6-L1の黒基調の文字表示のキーボード。明るいところでは写真のように問題ない
暗いところでは黒基調のキーボードはほとんど見えない。写真ではカメラの性能で見えているが、実際にはほとんど見えない。暗いところではキーボードがまったく使えないので、カンファレンスや消灯後の飛行機内などで使うなどのシーンが考えられるユーザーは、白基調のキーボードを強くおすすめする

 個人的には今回WU6-L1を使っていて困ったのは、キーボードの文字が暗い場所では見えなかったことだ(WU6-L1にはLEDバックライトは搭載されていない)。今回筆者に提供されたWU6-L1は、「黒基調」の文字色を採用したキーボードが採用されていた。

 この黒基調のキーボードは、周りの黒と溶けこんで、表面に何も書いていないように見え、暗い環境では文字がまったく見えず使いものにならなかった。なお、白基調のキーボードを選ぶと、わずかな明かり(たとえばディスプレイの明かり)でも十分見えるので、PCをファッションのためでなく生産性向上に使うユーザーは白基調のキーボードを選ぶことを強くおすすめする。

 なお、UQ-L1(876g)の方は白基調キーボードで、かつキーボードバックライトが標準搭載されているので、個人的には多少重くなってもこちらを選ぶ方が現実的ではないかと思う。多少重くなってもWU6-L1でキーボードバックライトが選べるようになるとうれしいなと思ったことも付け加えておく。

 最後に、WU6-L1およびUQ-L1を評価していて、なるほどと思ったことはその価格だ。今回比較に利用したUA-K1(Core Ultra 7 258V搭載)は、登場時の価格は30万円弱という価格設定だった。一方でUQ-L1は22万円弱という予価だ。

 つまり(メモリが半分ということは考慮に入れないといけないが)約8万円安いという価格設定になっている。もっともUA-K1にも廉価版としてCore Ultra 226Vを搭載したモデルが設定されており、こちらは同じメモリ16GBで値段は24万円弱と、UQ-L1よりも2万円高めな値段設定になっている。その意味で、UQ-L1のコストパフォーマンスは高く、その点がSnapdragon Xを搭載したFMV Note Uの特徴の1つといえるだろう。