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富士通、スナドラ搭載Copilot+ PCや多機能AIサブスク発表。AI利用の第一歩に

 富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は1月13日、都内でFMVの2026春モデル発表会を開催した。FCCL代表取締役社長の大隈健史氏らが登壇し、ブランドリニューアル2年目のビジョンとして「人に寄り添うAI」を提示。AIサービスへの心理的/技術的ハードルを下げる新サブスクリプションサービス「FMV AI Plus+」や、Snapdragon Xプロセッサを搭載し長時間駆動を実現したモバイルノートPCなどを発表した。

 大隈氏は冒頭で、昨年(2025年)のブランドリニューアル以降、モバイルPCのラインナップ強化により若年層や女性層へのアプローチに成功していると強調。家電量販店における販売実績では2023年以降の国内PC市場トップシェアを維持しているという。

 また、FMVを支える要素として、累計生産台数5,000万台を突破した島根富士通工場に言及。国内工場で開発と製造を行なっていることにより、リリース直前まで軽量化など品質を追求でき、また顧客からの要望に対し柔軟な対応が可能になるとした。

新機種UQ-L1を手にするFCCL代表取締役社長大隈健史氏
ブランド刷新による学生、若年層、女性への製品普及
国内PCシェアトップを誇る

 続けて大隈氏は、AI技術が進化する一方で「どう使えばいいか分からない」と感じているユーザーが多い現状を指摘した。最新AIに関する情報に触れても「すごい技術」止まりになってしまい、生活の一部となるまで至らないケースが多いという。

 そこでFMVは「AI活用の最初の一歩を後押しする」ため、ハードウェア、アプリ、サービスの三位一体で日本の暮らしを応援するという。AIアプリの現状について、同氏は「グローバル標準のアプリでは日本の生活に最適化しきれない」と述べ、「生活に寄り添う最後の1センチ」を埋めるために独自のAIアプリを提供するとした。

 同氏は日本人に適した自社AIアプリの例として、オンライン会議向けのAIメイクアップアプリ「Umore」を紹介。ユーザーからは「時間に余裕ができた」「コスメ代が浮いた」などの好意的な評価が得られたといい、こうしたスペック競争以外の部分での価値提供を重視する姿勢を示した。

FCCLが提供するAIアプリの例「Umore」
FCCLのサブスクリプションサービス
新スローガン「人に寄り添うAi」

迷わず使えるAIプラットフォーム「FMV AI Plus+」

 新サービス「FMV AI Plus+」は、複数の生成AIモデルを統合した月額定額制のプラットフォーム。ユーザーは「どのAIモデルを使うか」を意識する必要がなく、「旅行動画を作りたい」「自己PRの文章を書きたい」といったやりたいことをカード形式のメニューから選ぶだけで、最適なAIが自動的に選択され実行される。

複数のAIプロバイダ製品を単一プラットフォームで利用できる
各AIには、使い方が書かれたカード型のUIで直感的にアクセスできる

 価格はMy Cloudアカウント登録者が月額1,980円、FMVプレミアムサービス会員は月額1,100円。提供開始は2026年1月21日を予定しており、一部機能(動画、AI Talk)は2月下旬より利用可能となる。

 機能は順次追加予定。例として、AIとの音声入力によるチャット機能や、英会話学習ツールなどを実装予定だという。

実機で確認できた機能の例
複数のAIとの対話ツール
放置すると、AI同士が自動で会話を継続する

ローカルとクラウドを使い分けるAI動画編集

 独自アプリケーション群として「FMV AI スマート動画編集」も発表された。これは、スマートフォンから画像/動画を取り込む「FMV Share Drop」とファイル整理アプリ「Reclip」、動画編集ソフト「PowerDirector for FMV」を連携させたもの。ReclipはローカルAIを使用し、プライバシーを守りながら人物や場所ごとに写真や動画のデータを自動整理する。動画作成時にはPowerDirector for FMVのクラウドAIを活用し、テーマを選ぶだけでBGMやテロップ、クロスフェード付きの動画を自動生成できる。生成した動画はそのままSNSなどで共有可能だ。

FMV Share Drop
Reclip。写っている人物でも分類できる
PowerDirector for FMV
取り込みから発信までワンストップで実行できる

 なお、Reclipは新モデルすべてに、PowerDirector for FMVはインテルおよびAMD製CPUを搭載したCopilot +PC対応機種でのみ搭載される。PowerDirector for FMVを利用した生成は、初期状態では500回まで利用可能。それ以上は有料契約が必要となる。

実機で確認できた生成例。テロップなどは手動でも編集できる

Snapdragon X搭載で駆動時間を大幅強化した「FMV Note U」

展示されたNote Uシリーズ

 ハードウェアの目玉は、14型のディスプレイを搭載するモバイルノートPC「Note U」シリーズの追加モデルだ。「UQ-L1」は、FMVとして初めてQualcomm製「Snapdragon X」を採用した。省電力性能に優れ、バッテリ駆動時間は、アイドル時で約41時間、動画再生時で約26時間を実現している。Web限定モデル「WU6-L1」では、世界最軽量をうたう
約634gの構成も選択可能。

UQ-L1
FMV初となるSnapdragonエンブレムシール
WU6-L1は実測値で634g
Note Uおなじみの左側面USB Type-CポートはThunderbolt非対応

 また、同じく「Note U」シリーズの「U59-L1」は、Core Ultraシリーズ2を採用し、タッチパネルを搭載した。スマートフォン世代の学生など、直感的な操作を求める層に向けたモデルとなる。

U59-L1

大画面ノートもAI対応を強化「FMV Note A」

A79-L1

 16型のディスプレイを搭載する大画面ノートPC「Note A」シリーズの「A79-L1」は、Ryzen AI 400シリーズを搭載したCopilot+ PC対応機種。最大50TOPSのNPU性能により、ローカルでのAI処理を高速化する。500cd/平方mの高輝度・高色純度液晶を採用し、クリエイティブ用途にも対応するプレミアムモデルという位置づけだ。

Ryzen AI 7のエンブレムシール

 そのほか、Copilot+ PC対応の一体型デスクトップ「Desktop F」シリーズや、学生向けノートPC「Note C」シリーズ、学生向け施策の「GOOD CAMPUS LIFE Project」に関する展示など行なわれた。

F77-L1
Note Cシリーズ
GOOD CAMPUS LIFE Project

 発表会の後半に行なわれたトークセッションでは、ビットランド代表取締役の古川渉一氏とサイバーリンク セールスデパートメントバイスプレジデントの萩原英知氏がゲストとして登壇。古川氏は「自分のやりたいことを言語化できないユーザーに対し、空気を読んで提案してくれるAIが必要」と語り、萩原氏は「ツールの操作習得ではなく、完成イメージの具現化に集中できる環境をAIが作る」と、AIがもたらす生活の変化について期待を寄せた。

ビットランド代表取締役の古川渉一氏
サイバーリンク セールスデパートメントバイスプレジデントの萩原英知氏

 会の最後に行なわれた取材で、大隈氏は昨今の半導体価格高騰に言及。メーカーとして困難な市場状況であることを認めつつ、AIなどの付加価値によって価格上昇分の納得を得られるよう努力していると述べた。また、パーツ枯渇による製品供給への影響については、独自の調達能力、および連携先であるレノボの世界規模の流通網を組み合わせることで、店頭から製品が消えるような極端な状況は避けられるとの自信を示した。