インプレスeスポーツ部女子レトロゲーム班

黒田瑞貴、高校野球シム「栄冠は君に」で監督デビューも「遊撃手」って何??

 こんにちわ黒田瑞貴です! 今回の記事では、筆者が前からやってみたかったゲームを選ばせてもらいました! レトロゲーム企画第5作目に選んだゲームは、1990年にアートディンクから発売された「栄冠は君に」です。プロジェクトEGGで440円で購入可能です。名作なので知ってる方も多いかな……?

レトロゲームは、ビジネス向けのPCでもさくさく動くということで、この連載ではマウスコンピューターさんの「mouse F5-i5」を利用していきます。おもな仕様は、Core i5-10210U、メモリ8GB、SSD 256GB、フルHD液晶を搭載しています。レトロゲームをプレイするさいの参考にしてください
栄冠は君に

 筆者の通っていた高校は野球が強く、全校応援で甲子園に行ったとき、それまで野球は見たこともなかったが、生で見た甲子園は熱気と感動があって、野球を知らなくても、とても楽しく良い思い出になった。このゲームも、学生時代に浸りながら、あの時毎日練習してた野球部ってたぶんこんなんだろう! なんとなくできそう! 面白そう! で選んでみた!

 このゲームは全国高等学校野球選手権大会(甲子園)をテーマにしたシュミレーションゲームで、日本全国全ての高校が再現されており、その中から好きな一校を選び、甲子園優勝を目指すゲーム。

 日本全国の高校全てが再現されてるって地味にすごい……! 1990年発売なので最近できた高校でない限り、みなさんの通った高校もあると思う。大人の事情で実際の校名とは、少し違った名前になっているが、1文字増えていたり、置き換えてあったりなのですぐにわかるようになっている。実際に筆者の母校、帝京高校も、“帝京山”高校になっていたが、しっかり東東京にあり強豪校扱いだった! これは嬉しい~! 母校がゲーム内にあるってテンション上がる!

高校野球部の監督として甲子園出場を目指すゲーム

 早速ゲームスタート!

 したいところだったのだが、全然システムがうまく動いてくれない……。オープニングを見終わると、【ドライブAにゲームディスク、ドライブBにユーザーディスクをセットして、マウスをクリックしてください】、と文字が出てくるのだが、これが落とし穴。文字通りにするとゲームは一生起動できない。永遠にオープニングだけを見ることになる。

 実際はゲームを起動し、この画面までいったらこの文字は無視! アプリケーションメニューの「環境設定」内の「システム設定」で「リセット時にフロッピーディスクの選択を初期設定に戻します」のチェックをオフにして、ドライブ1に「UTILITY DISK」、ドライブ2に「USER DISK」をセットし、リセットを押す。この手順を踏んでから、ようやくゲーム画面に移れる。もし皆さんがこのゲームを起動したいなら、マニュアルもついているので参考にしつつ、肝は画面に映ってるものを信じないことだ。

 ゲームを始めるのに55分が経過していた。やるじゃないか、さすがレトロゲーム。不親切さがたまらないな! 配信のリスナーさんも55分間、すっぴんの女がゲーム起動するのに戸惑ってるの見てくれてありがとう。一番可哀そうなのは君たちだと思う! オープニング映像も甲子園球児の写真や、音楽もいかにもな感じですごい良いのに、何回も見たせいでもうなんも感じなくなったよ!

ゲームの指示通りやってもゲームを続行できない……

 ゲームに入るとまずは、高校選択やユニフォーム決めがある。高校はランクがA~Cと設けられており、Aが強豪校になっていおり、部員のステータスがそれぞれ高く設定されている。どの高校の部員も大体1学年10~15人程度で、部員の数での有利不利はなく、Cランクの高校でスタートしても育成次第で強豪校に打ち勝ち甲子園優勝もできる。監督としての才を試すならCランクスタート、初心者ならAランクの高校を選ぶのがいいだろう。

 そして高校の名前は自由に変更できるので、母校はもちろん架空の高校も作ることができる。ぜひ好きな土地で好きなユニフォーム、好きな学校名で始めてほしい。書いていて気が付いたのだが、どの高校を選んでも好きな名前に変えられるのだから、強豪校ぞろいの関東や関西を避け、地方で確実に全国切符を手にするのも作戦だと思う。

 筆者は東東京の帝京高校と決めていたのだが、「あ、ここ名門だ!」など全国の高校を見て回っているのも楽しく、気が付いたらこれだけで30分経っていた。

帝京高校出身の筆者はもちろん帝京高校を選択
ユニフォームも選べる

 ここからの育成はコマンド選択方式で、大会までの40日間、どの練習をするかを、プレイヤーが監督となり決めていく。練習メニューは守備練習、筋力強化、足腰強化、打撃練習、投球練習、技術講習、休養で、選手情報を参考にしながら、球児を育てていく。

 とりあえずピッチャーは投球練習だろ! 自分の思っているイメージで守備位置別に練習をさせていると……。"遊撃手”。ん??ゆうげきしゅ? なんだこれ……。どのポジションなのか想像もできないので「たぶんポジションとかなくて遊撃隊みたいなもんだな! ボール飛んでいきそうな方向にもともと構えとくとかそんな感じだろ、このポジションのやつは何でもできるオールラウンダーに育てなきゃ」とか考え、練習続行!

遊撃手って何……?

 一塁の人は結構打てる人が多いよ! などリスナーさんに野球を教えてもらいながら、順調に練習しているとなんと芝浦工業大〇付属高校から練習試合の申し込みが! おおおお! 芝浦じゃん! ってなんの縁もないけど、知ってる高校や大学の付属校だとやっぱりちょっと嬉しい。大会までまだ20日くらいあるし、練習試合を受けてみることにした。

 ここで主将やレギュラーを決めなければならないのだが、主将はピッチャーで球速が一番早い大泉に任せることにした。レギュラーだが、きっと3年が強い! って理由で3年メインに。

 そのほかにもコーチャーなどを決めるのだが、筆者この辺から、というかかなり序盤からちんぷんかんぷん。なんでこのゲーム選んだ? と言われてしまうほど、野球を知らな過ぎた。いや、これには自分でもびっくりだ。私こんなに野球知らないのか。

 リスナーさんからコーチャーは指示する人と聞いて、この場は2年の人になってもらい、後日気になりすぎて元野球部の方から詳しく聞いた。「全力で前を向いて走るから、前に飛んだ球は代わりにベースコーチ(コーチャー)が見て、どれだけ走るかを指示するんだよ。高校野球だとみんな必死に走るから結構大事だよ」と聞いた。ほぉ~野球思っていたより奥が深い。

練習試合開始!

 そしてプレイボール! したのだが、ここでまた疑問が

 「え……、二塁守ってる人がいない」。

 二塁手はメンバーに入れたはずなのに、二塁を守っていないのだ。

筆者「二塁の人どこ行った?」。

リスナー「いるよ?」。

筆者「え?どこ?」

リスナー「一塁と二塁の間」

筆者「!?!」

 一塁と二塁の間だと!?なんで二塁手二塁にいないの、一塁手と三塁手は一塁と三塁にいるのに。ややこしい…。あとなんで遊撃手はそこにいるのぉぉぉwww。てかこれでショートと読むってどういうこと?

 色々野球に言いたいことはあったが、守り方や、ボールの送球、リスナーさんに一から色々教えてもらった。初めて知るスポーツのなのかと思った。なんでこのゲーム選んだと言われてしまっても仕方ない! ただこれだけ言わせてくれ、野球ってめっちゃよくできたスポーツだな!!守備位置の理由も知った今なら、そう思う!

二塁に二塁手がいないじゃん

 ようやく帝京vs芝浦の試合がスタート。守備メインで練習をしていたからか、全く危なげがない。そして驚くべきはピッチャーの投球速度。相手校より明らかに速い。投球練習させすぎたのか? と思いつつも、打たれないにこしたことはないし、練習の成果がここで確認できた。

 これはあっという間に決着つきそうと思ったのだが、全く点が入らない。守備メインで練習をしていたため、打つことに特化してる選手が1人もいなかったのだ。試合は延長までもつれ込み、このままだと引き分けで試合が終わりそう……。ど、どうしよう。まあ、負けても練習試合だし。と思ったのだが、学生時代に練習試合で負けて、文字通り死ぬほどしごかれている野球部を見ていたので、ダメだ! 強豪校なら練習試合も圧倒的に勝たなければ!!と思った。

 試合中いろんなコマンドを選手に送ることができるのだが、その中に代打や、代走がある。これだと思った。よくわからないけど、2年伊藤君を代打に抜擢。行ってこい伊藤! するとこの伊藤君がなんとホームラン!

 よっしゃー! ナイス伊藤!

試合中はこんな感じで指示を出せる
代打の伊藤君がまさかのホームラン!

 ここからは守備も問題ないし逃げ切りだな! よしスキップしちゃお! と思い、スキップを探したのだが、ない。

 このゲーム、まさかの試合を一切スキップできないのだ。投球後の捕手から投手への返球や、攻守交代時の選手移動やアウトになった選手がベンチに帰るところまで、全てが画面に表示され、それらの演出をキャンセルする事も不可能。試合が終わるまでに、現実と同じ1試合分の時間を要する。試合スピードを多少上げることができるが、時間がかかることは覚悟しておいてほしい。キンキンのビールを持って、自分の育てたチームを見守るのが得策だと思う。筆者は次からそうする。

 ただスキップできないからこそ、ホームランやヒット、打ち上げた時の「これは…はいるか!?いや届かないか??」のようなドキドキする瞬間、本物の試合を見ているような気持ちにさせてくれる。

 ホームランが出た瞬間は本当にびっくりした。

ホームランが出た瞬間の筆者

 なんとか練習試合を2対1で終えた。初めての試合で、“打てないチーム”という課題が見えたので、時間はかかってしまったが、練習試合をして良かった。この調子で地方予選も頑張りたい! 甲子園はまだまだ先だぁ(笑)。

 今回はこの辺で……。ご清覧ありがとうございました!

インプレスeスポーツ部女子レトロゲーム班『栄冠は君に』第1回目