インプレスeスポーツ部女子レトロゲーム班

黒田瑞貴、堀井雄二ミステリー3部作の1つ「オホーツクに消ゆ」に挑戦

 こんにちわ、黒田瑞貴です! レトロゲーム企画4本目の今回は、1984年にエンターブレイン(旧アスキー)から発売された「オホーツクに消ゆ」です。プロジェクトEGGで440円で購入可能です。

レトロゲームは、ビジネス向けのPCでもさくさく動くということで、この連載ではマウスコンピューターさんの「mouse F5-i5」を利用していきます。おもな仕様は、Core i5-10210U、メモリ8GB、SSD 256GB、フルHD液晶を搭載しています。レトロゲームをプレイするさいの参考にしてください
タイトル画面

 コマンド選択式アドベンチャーで、推理をしながらストーリーを進めていくゲーム。選択式とは、数字やアルファベットなどに選択肢が与えられており、(1)歩く、(2)探す、のようにその都度できることを選択する仕様である。

 とりあえず入力式じゃないことに筆者歓喜! 2か月前、初めてやったレトロゲームの「道化師殺人事件」がクリアまで11時間くらいかかり、入力式の手ごわさも乗り越えていて、選択式はもはやクリアしたも同然(言い過ぎ)。

 記事を書くにあたりこのゲームを調べていくと、“堀井雄二さん”の話題がたくさん出てくる。彼がシナリオを担当し、当時も話題になったらしい。この方、ドラゴンクエストシリーズなどのシナリオを手掛けていて、ポートピア連続殺人事件、軽井沢誘拐案内、今回のオホーツクに消ゆをいれた3本が堀井ミステリー三部作と呼ばれているらしい。

 ドラクエとポートピアは、さすがにに筆者でも知っている。すごい有名人のゲームなんだ……。知らなかった……。

 期待が高まる中、早速ゲームスタート!

オープニングの展開がある

 オープニング映像。ぉおお。ちょっと、まぁカラフル? かな。レトロゲームではあまりない、カット割りでCMのような感じで楽しい。今見ると普通に感じてしまうが、当時(1984年)このグラフィックは群を抜いていたらしく、グラフィック最高峰のゲームとしても有名になったらしい。筆者が初めてFF X(ファイナルファンタジー10)を見た時くらいの感動が当時はあったのかな……?

 東京湾晴海ふ頭で死体が上がり、プレイヤーが刑事(ボス)として現場に呼ばれ物語がスタート。コマンドの選択肢が思ったよりも多いが、死体を調べることで事件への手がかりを見つけ、ストーリーが軽快に進んでいく。正しい答えに行きつくと自動で画面が変わったり、新しい場所に行けるようになる。レトロゲームでこのスピード感で進んでいくのは、今回が初めて。こんなに捜査が早いなんて、自分天才かもと錯覚させてくれる。

 あと部下にずっとボスと呼ばれているのだが、悪い気はしない。

ゲーム中では、ずっと部下から「ボス」と呼ばれる

 探っていくと死体から、なにやらいかがわしいお店のチラシが出てきた。ネグリジェサロン……。とても怪しい……。電話番号が書いてあるなぁ。これは行って確かめないと!!!

 このゲーム注意してほしいのが、1度見たら2度目がないものもある。聞くことに関しても同じで、1度聞いたことは2度と聞けないことが多いので、メモが必須。急いでペンを取り出して、ここからは手掛かりになりそうな情報をメモしていくことにした。まずはこのネグリジェサロンの電話番号をメモだ。

ネグリジェサロンの電話番号もしっかりメモ!

 チラシを頼りに、高田馬場の栄通りにやってきた。実際に存在する場所が作中にでてくると、少しテンションがあがる。ここでは選択式ではなく、しっかり入力式で電話番号を入力でき、お店にかかる仕組みになっている。ちなみに現実でこの番号を検索しましたが、ネグリジェサロンはありませんでした。

 この辺の物語もとんとん拍子で進み、死体の身元が分かり北海道に行くことになった。北海道につき、ここからは道警のシュンと一緒に行動することになった。

 事件がややこしくなってくるのは北海道についてから。2人目、3人目とどんどん死体が増えていく。きっとネグリジェサロンは、オープニングの掴み程度だったのだ。まんまと掴まれた筆者は、北海道にきてから2時間で5人の死体を発見することになる。死体が増えすぎてメモがもうよくわからなくなってきてる。

 学生時代にメモやノートを取ることをほとんどしてこなかった筆者、しっかり今でもメモすら取れないポンコツ。ただこうやってメモを壁に張ったり、デスクに張ったりすることで、捜査してる感出るのでおススメしておく。

筆者のメモ
こうやってディスプレイに貼っておいた

 死体が上がった網走や、紋別、阿寒湖など北海道のオホーツク海側の街を中心に捜査をしていく。筆者は北海道出身だが、真反対の留萌なので、網走などは行ったことがない。そして同じ北海道でも、東京~名古屋間くらいは離れているのでもはや違う県だと思っている。ゲーム内では屈斜路湖や網走刑務所など観光地を巡るので、オホーツク海側も意外にたくさん観光地あるな……、いいなぁ……、となんだか行ってみたくなった。

 話を戻し、中盤を過ぎるとコマンドで「さがせ」がでてくる。個人名を入れると、その人を街中から探すことができるのだ。ただこれが少し厄介で、ここは選択式ではなく入力式。しかもローマ字入力ができない、かな入力なのだ。例えば、探したいのが「のむらまきこ」さんなら「K」OJGB」と入力する。最近のキーボードにはそもそも、かなが振ってないものもあるので、その場合調べて入力することになる。

「さがせ」コマンドでは人名を手入力、しかもかな入力する

 そしてここで、負のサイクルにはまってしまった。基本はコマンド選択式なのでしらみつぶしにしていけば、いつか答えにたどり着けるのだが、ここからは違ったのだ。条件のクリアと、詰みが存在し、謎を解かなくてはならない。

 筆者は中盤から詰んでいたのだが、このゲームはそれに全く気が付けないのだ。なぜなら、詰んでもストーリーは後半くらいまでは進めるから。すぐに気が付けない分、この選択で間違っていないと思いこんでしまっていた。後半になり、なんでここからストーリーがいっこうに進まないのだろうと、各地域でしらみつぶしにコマンドとかな入力をし、2時間が経った。

 いい加減おかしい! もうこれ以外方法はない! と苦渋の決断で、中盤セーブしたポイントまで戻った。2時間は水の泡になって天空へと帰っていった。

 セーブフォルダは全部で5つ残せる。レトロゲーム4作目にして、こまめにセーブする癖がついていて良かった。オートセーブなんて生ぬるいもの、この時代に存在しない。2時間水の泡になったが、2時間で済んだんだ! 良かったと思おう! ロードしてヤケになりながら中盤からやり直し、聞き逃していた話とストーリーの回収をし、何とか犯人へとたどり着いた。

 犯人はヤクザと手を組んでいたらしく、今にもまた1人殺されそうになっているところに、プレイヤーが到着。人質がとられている場面での最終局面コマンド選択がこちら。

1 たたかう
2 にげる
3 たいほする
4 かくれる
5 うたをうたう
6 おどる
S セーブ、ロード

の7択。

最後に突きつけられた7択

 めちゃくちゃ踊りたい……。いやぁ絶対だめだよなぁ。

 ここで筆者ひらめく。セーブして全部のパターンを見よう! やはりゲーマーとして全パターン見たい!

 「S セーブ」を選択。

 シュン「ボスそんなことしている暇あるんですか?」

 まさかのセーブさせてもらえない……。

 選択肢とは。

 悩みに悩んだ結果「おどる」を選択。ここまでのストーリーが無駄になるかも知れないが筆者の男気見せた。

 「おどる」を選択した結果、ふざけないでくださいと怒られたが、相方のシュンがなぜか北斗〇裂拳を披露。ヤクザを薙ぎ倒し、逮捕に成功。無事ハッピーエンドになった。踊ったせいで良いところを部下に全部持っていかれ、部下はこの事件をきっかけに結婚までするが、とりあえずクリアできてよかったぁ! 他の選択肢だったらどうなっていたんだろう。なんだかんだ1番のハッピーエンドを引いた気もする。

おどった結果、みごと犯人逮捕!

 後半ヤケになって突っ走ったが5時間半で無事クリア。2時間足止めを食らった原因でもある、メモや記憶力の重要性。やっぱり推理物のゲームはその辺しっかりやらないとダメだよなぁ。登場人物の細かい発言や、行動のメモをもっとしておくべきだった。

 ただ今回コマンドに悩むことが少ないため、その分ストーリーがしっかりはいってくる。ストーリーが火〇サスペンス劇場並みで単純に冒険する! とか、世界を救う! みたいに単純じゃないのが、熱中でき捜査してる感をかなり高めてくれた。謎を解きながらも、純粋に物語を読んでいる感覚が私には新しかった。

 そしてこのゲーム、大切な部分で最新が詰まってるんだもの。当時筆者もゲーマーだったら食いついたに違いない。詰んでわからなくなったら、学校とかでみんなに聞いたりしたかったなぁ。今の時代わからなくなったら、ネットを使えばすぐに答えまで行きつける。そうじゃなくて、メモとか持ってみんなで攻略話したり、絶対楽しいだろうな。配信でもリスナーさんは世代の方が多く、沢山のヒントを頂きありがとうございました!

 今回もご清覧ありがとうございました。

オホーツクに消ゆ 完
【インプレスeスポーツ部女子レトロゲーム班『オホーツクに消ゆ』】