インプレスeスポーツ部女子レトロゲーム班

黒田瑞貴、「天下統一」にはまりすぎて歴史まで勉強するように。果たして統一は成ったのか……!?

 こんにちわ。黒田瑞貴です! 今回のゲームは前回同様、PC-9801版「天下統一」。続きからスタートします! プロジェクトEGGで550円で購入可能です。

 前回の記事はこちら。

レトロゲームは、ビジネス向けのPCでもさくさく動くということで、この連載ではマウスコンピューターさんの「mouse F5-i5」を利用していきます。おもな仕様は、Core i5-10210U、メモリ8GB、SSD 256GB、フルHD液晶を搭載しています。レトロゲームをプレイするさいの参考にしてください

 7時間かけゲーム性を大体理解できたので、ここからは本気で天下統一目指していく。

 そして同時にこのゲーム、ものすごい時間泥棒なのも理解した。時間が解けていく。やり始めたら6時間くらいは本当にあっという間に経過する怖いゲームなので、プレイする方は翌日休みの日にするのをおススメする。筆者は気が付いたら朝の7時だった。

朝までプレイしてしまいリスナーからも心配される筆者

 前回、織田信長、島津貴久でも天下統一失敗。次はこの作戦で行くと記事にも書いた。

 「油乗ってる今川義元で天下統一大作戦」。

 まずはこれを実行していった。序盤やはりバランスの良い武将の多い土地(駿河国、今の静岡あたり)、味方につく武将では困らない。スタート直後に北条、武田から同盟の申し込みも来るので同盟を結ぶことで、焦らずに勢力の拡大に努めることができた。

 しかし3国統一したところで、どこかと同盟を切らなくてはならなくなった。

 左に織田信長、右に北条氏康、上に武田信玄。さらに伊達政宗がほぼ東北の統一を終え、控えている。そうそうたる面々だ。考えた結果、一番進軍に邪魔な北条氏を切ることにした。多分、一番最悪な選択をしたと5分後気が付いた。そう5分。5分で詰んだのだ。

 同盟を切るのは国がかなり大きくなってからでないと、一瞬で潰される……。北条氏つおい……。ぴえん。このゲームでは名だたる武将だけでなく、各地に独立勢力、荒くれ者が散在している。進軍に多少邪魔でも同盟はそのままにして、まずはそこを片っ端から潰すのがいいだろう。

 ただこんなことで諦める私ではない。次の作戦「上杉謙信の頭巾の作りって独特大作戦」に移った。

次の作戦は「上杉謙信の頭巾の作りって独特大作戦」

 これが記事に書くか迷ったほどの愚策。東北や日本海側ではほぼ毎年、冬と春のフェーズに大雪が降る。この大雪では武将の移動、戦ができなくなる。つまり1年の半分進軍をお休みさせられるのだ。雪国特有試される大地に試されまくった結果、2年目の冬を越せず。東京のぬるま湯に浸っていては、東北など統一できないのだった。

 ここまで30時間ほどプレイしてきたが、このゲーム序盤のスピードがかなり重要。序盤のミスは詰みに直結する。逆に序盤乗り切れれば、後半はミスをしても取り返しがつく。

 そして合戦に関してだが、銃をメイン武器にするのが得策だ。このゲームでは1人の武将が持てる兵士の最大人数が50、銃も最大50人全員に持たせることができる。しかし敵は最大兵力の時も、銃は4人までしか持たせていなかったのだ。これを上回れば合戦は有利に進める事ができる。

 火縄銃の設定なので雨や濃霧の日には使えないデメリットはあるが、そこを考慮しても銃は圧倒的強さがあるだろう。遠距離からも撃つことができ、兵士への被害も最小限で済む銃は、毎ターンしっかり追加すべきだ。

しっかり銃を配布していく

 そして5つ目の作戦「武田信玄でいってみよう大作戦」

 作戦名、5つ目にしてネタ切れ。

 この辺からゲームにハマりすぎて歴史を少しずつ調べ始めた。歴史が好きじゃなかった学生時代は、授業すら取っていなかったのに……。日本史を自分から興味が出て勉強する日が来るなんて。学生時代にこのゲームに出会いたかった。

 武田信玄はバランスのとれた武将だったのと、スタートする位置関係が良い。今川、北条と同盟があるので、西からの軍勢は今川が止めてくれ、伊達など東北の強い武将は北条と協力して潰していける。最も重要な序盤、東北統一に専念でき勢力拡大が確実に行なえる。唯一ネックなのが世継ぎがあまり良くないのである。どの武将もいつかは亡くなり兵士や銃は、大体息子に譲渡される。その息子がすこぶる何もできないのである。まあ世継ぎ云々の前に、織田などを吸収できれば明智光秀など、次の世代にも期待できるので問題ないだろう。

 この作戦は今までで一番上手くいった。今川と北条とは同盟を切らず、東北統一を終え日本海側を中心に攻め、ついに本州の約半分にまで勢力を拡大した。

ついに本州の約半分にまで勢力を拡大

 そしてここでいよいよ、西からの軍勢に手いっぱいで勢力拡大できていない今川と、いい感じに包囲した北条との同盟を破る時が来た。

 よーし! いくぞー!

 しかしクリックしても見つからない。何故ならこの時すでに2人ともこの世から姿を消していたのだ。

 ならこの私の下にいる軍勢はいったい何なのだ?とてつもなく嫌な予感……。

 詳細を表示。佐竹義昭。

 だれぇぇぇぇえええええええええええええええええええ。

 えええええええええええええええええええええええええ。

 まったく知らない人が、先に同盟を破り戦っていた今川と北条を良い感じに掌握し、その領土を我が物にしていた。

 いやいやいや、待ってくれ。歴史情弱な筆者の辞書に佐竹の文字はないのだ。本当に何者なのかわからない。とりあえず佐竹の身辺調査だ……。どうやら茨城県あたりの大名らしい。ただここまでの勢力拡大は現実には起こってなく、有名武将に知名度は劣っていいるのだろう。

 しかし私の目の前にいるのは強豪をなぎ倒し、関東の地を治めている佐竹なのだ。現実の佐竹とは訳が違う。ムッキムキになっている。

 このムッキムキの佐竹に時間を取られている間に、九州から戦闘民族、島津家御一行様がご到着され同盟も切られボッコボコ……。

 ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 あと少し、あと少しだったのに。

 天下統一までするとなると、1ゲーム30時間くらいかかるボリュームなので、詰んだ時の悲しみと悔しさはひとしお。

あと一歩でまた詰み……!

 後半になると各地の独立勢力(荒くれ者)はほとんど淘汰され、有名武将が戦いあう、まさに戦国時代らしい戦いが各地で繰り広げられる。テンションが上がるし、画面が文字だけだからか想像がより駆り立てられる。

 今回は筆者VS戦闘民族島津による天下分け目の戦いになるはずだったのに……。

 ただこの現実もありえた。と思うととてつもなく面白い。シュミレーションゲームの醍醐味と言えるだろう。歴史の教科書に佐竹がピックアップされている未来もきっとあったのだろう。しかし今はただただ憎い、佐竹め(無関係の佐竹さんごめんなさい)。

 負けから学ぶことは勝つときよりも多い。自分が強くなっている実感があるとき、そのゲームから離れられない。確かに難易度の高いこのゲームだが、一歩ずつ着実に自分は強くなっているのである。スーパーポジティブ人間の筆者の戦いはまだまだ始まったばかりなのだ。

 今回結果として40時間近くやって、天下統一に至らなかったこと本当に申し訳ない。皆さんに天下統一の景色見せたかった……。

 もともとゲームが好きになった幼稚園や小学生のとき、こつこつ1人でレベルを上げて敵に攻めるゲームばかりやっていて、今のようにオンラインで複数人! のようなゲームはやっていなかった。そうだ、もともとゲーマーになった時ってこういうゲームが好きだったじゃないか。となんだか懐かしくなった。

 記事を通して、このゲームの魅力が少しでも皆さんに伝わっていたら幸いだと思う。

 次は、皆さんの天下統一の物語が聞きたい。

 今回もご清覧ありがとうございました。

インプレスeスポーツ部女子レトロゲーム班『天下統一』第3回目
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